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 ブルートさん達に囲まれて宿屋に入り宴会が始まった。話題は勿論王都での事だ。


「はぁ~国王様が偽物だったとはねぇ~・・・ま、俺達辺境のもんにはあんま関係ねぇけど」


「そうなんですか?この辺を統治している領主様が税金上げたりしないんですか?」


「ははは・・・領主なんていねぇよ。しいて言うなら町長かな?この町は町長が起こした開拓地だから自治権って言うか、町自体が町長のもんなんだよ。ま、そんな訳で国は税金を納めてりゃなんも言えねぇのよ」


「え?!個人でこんな立派な町を作ったんですか?!」


「凄げぇだろ?商売で一発当てた金を元手にして賛同者十人と村を作る所から始めたんだとよ。国からの支援も一切無しで始めた村が一代でここまで大きくなったんだ。だから、国はなんも言ってこれねぇし、住人はみんな町長を尊敬してる。そしてこの町を守ってくれたお前にも敬意をもって接してるって訳だ」


 凄いなんてもんじゃない。元商人か、相当なやり手なんだろうなぁ。


「それで、ゆっくり出来んのか?良かったら町を案内してやりてぇんだけど」

「失礼。マルス殿はおられますかな?」


 ブルートさんとの会話中になんか執事っぽい人が入ってきて僕の名を呼んだ。


「あ、はい。僕ですけど何か?」


「町長が会談を望んでおりまして、マルス殿の予定を聞いて来るようにと申し付かって参りました」


 町長の使いか、噂をすればって奴かな?


「えっと・・・明日はブルートさんに町を案内して貰う事になっているのでその後か明日以降でしたら空いてます」


「お、おい、マルス、町長が呼んでんだ、俺よりそっちが優先だろ」


「いえ、どんなに凄い方でも僕にとっては友人の方が大切ですから」


 ちょっと揺さぶってみよう。これで少しは町長の為人も解るかな?


「御立派な考え方ですな」


「えっ?!」


「それじゃ町長には明日の夕方か明後日の午前中にお伺いしますとお伝え下さい」


「町長には確かにそのように伝えておきます。では失礼致します」


 使いの人が頭を下げて帰って行く。う~ん、取り敢えずは権力でごり押しするような人じゃなさそうだな。


「それじゃブルートさん、明日は楽しみにしてますから遅くまで飲んでちゃダメですよ?」


「お、おう。町長待たせてんだ、明日は俺達も早起きすんぜ」


「ははは・・・それじゃおやすみなさい」


「おう、おやすみ」


 ブルートさんと挨拶を交わして部屋に入り直ぐにベッドに横になった。明日が楽しみだなぁ・・・・・






「本当に良い町ですね」


 翌日、朝食を摂った後にブルートさん達と町を見て回った。


「だろ?他の町や村みてぇに悪党が住み着いたりスラムが出来た事もねぇ。辺境だから中々住民が増えねぇけど、お陰で仕事は幾らでも有るから、金に困る奴も殆ど居ねぇんだ」


 特に変わった施設が有る訳じゃないけど、活気があって良い町だった。


「お昼は僕に奢らせて下さいね」


「おいおい、俺達ゃお前のお陰で結構な金持ちになってんだ、俺達で出すって」


「いえいえ、約束は約束ですから僕が出しますよ」


「あ~・・・昼はちょっと高めの店に行くつもりだったんだがなぁ・・・・・」


「大丈夫です。この町に来た初日にサンダーボルトを売ったお金が結構あるんですよ」


「おぉ・・・そいつは凄げぇな。サンダーボルトなんて狩った事ねぇよ」

「俺らじゃ見つけても返り討ちになっちまうしな」

「運が良ければあたいの弓で倒せる・・・かも?」

「無理じゃない?雷撃で全員動けなくなって角で刺されて終しまいだと思うなぁ・・・・・」

「マルスはどうやって倒したんだ?」


「魔法を撃たれる前に距離を詰めて首を折りました」


「おぅ・・・とてもじゃないが真似出来ない事は解った」

「ははははは!こいつの真似が出来たら俺達ゃ英雄になってるって」

「だな。がははははは!」


 皆で楽しく歓談しながら町を回り、昼食を摂ってまた町を見て回った。こんなに楽しい思いをしたのは何時振りだろう。


「それじゃ、僕は役場に行きますね。夕食は一緒にとはいかないかもしれませんけど」


「おう。それじゃ、また後でな」


「はい。遅くなっても帰るって女将さんに言っておいて下さい」


「解かった」


 ブルートさん達に手を振って別れ、町の中央にある役場に向かった。一代で財を成し、町を作った人か・・・どんな人なのか楽しみだな。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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