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「あ・・・そういやお前、如何やって魔物操ってんだ?テイムとか言うスキルも持ってんのか?」
上映会も終わり皆で夕食を取っている時ふと気になって聞いてみたんだが、正直聞くんじゃ無かったと後悔した。
「別に操ってねぇよ。全部じゃねぇが、あいつ等は自発的にマルスを狙ってんだ」
「なぬ?如何言う事だ?魔物が意思を持ってマルスだけを狙ってるって事か?」
「ん~説明が難しいな・・・お前、人体の仕組みって言うか脳の構造とかって解るか?」
「あ~・・・シナプスとかニューロンネットワークとか以前本で読んだ気がするな。良く覚えてないけど」
なんつったかな・・・生体電流と神経間細胞による情報伝達だったか?
「そうそう。言い方は悪いが解りやすく言うとだな、生物ってのは『電気仕掛け』なんだよ。だから魔力でそのネットワークに干渉して、ちょいちょいっと弄ってやると記憶や性格なんかを書き換えたり出来るって訳」
「・・・まさかとは思うけど、DNAの改竄とかはやってねぇだろうな?」
「改竄はしてないけど、魔力操作で上位種族への変化とか成長促進はしてるな」
「・・・・・おい、それは人としてやっちゃいけねぇ領域だろ!まさか人間にやってねぇだろうな?場合によってはお前との付き合いは考えさせて貰うぞ」
「お前には嫌われたくないし、嘘も付きたく無いから正直に言うぞ。確かに『有る』。だが、それは遊びや好奇心からでは無く、当人を救うためにだ。誓って悪用はしないし、していないと断言する」
こいつは嘘や冗談を言う時は顔に出るから解りやすい。こんな真顔で言う時は信じても大丈夫な時だが牽制はしておくか。
「・・・・・ハァ・・・取り敢えずは信じといてやるよ」
「長い事生きちゃいるが人間に使ったのは片手で数える程だ。必要に迫られなけりゃ俺だって使いたくはないさ」
でも魔物には平気で使ってんだよな、こいつ。倫理観とか常識が俺とは違い過ぎて理解出来ない時があるし、本当にこいつには気を付けないと何時、何を仕出かすか解ったもんじゃねぇ。今度フォルマにでもこいつの事詳しく聞いてみるか。探るような真似はしたくないが、知っておかないと何がトリガーになるかも解かんねぇし。
「でもな・・・お前自分の身体で同じ事やってんだぜ。魔力身体強化なんかがいい例だし、魔力を使わなくても五感強化したり痛覚鈍らせたり出来るだろ?あれの亜種って奴だと思って間違いない」
なんか嫌な事聞いたな・・・しかし、神か悪魔の如き力を持った〝人〟か・・・厄介極まりないが、こいつが〝人〟で無くなるのを防ぐのに俺も一役買っていると思えば、そう無碍にも出来ないんだよなぁ。
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ノルドを出て十日が経った。相変わらず魔物の襲撃は無くならないけど、休息を取る間は有るから特に問題は起こっていない。パンドラさんもその辺は考えているんだと思う。掌の上なのが気に入らないけど。
何時か彼の掌の上から抜け出せるだろうか。師匠を超えれば彼と対等に、隣に並び立つ事が出来るのだろうか。僕にその資格は有るのか解らないが、今はやるべき事を熟して行こうと走り続け王都を目指した。
そして更に八日後、王都の防壁が見えて来た。流石にここまで来ると人通りも多いせいか街道を移動しても魔物の襲撃は無くなった。
北門で入町税を払い王都に入る。五万人規模の大きな街で、荷馬車が四台は並んで通れる広い主要道の先に巨大なお城が見えた。五階か六階建てかな?
時刻は昼過ぎ、先ずは宿だなと数軒回ったが空いている宿は無かった・・・そうだよね・・・年に一度のお祭りだもんね・・・・・
仕方ないかと宿の店主に武道大会の会場の場所を聞くとお城の向こう側だそうで、ぐるっと回って街の南側へ。途中でも数件の宿屋に空きは有るか聞いてみたけどやっぱり空いていなかった。諦めるしかないか・・・今夜は何処で寝ようかなぁ・・・・・
ここまで読んで頂き有難う御座います。




