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「ああもう!しつこいな!!」


「ゴフッ!」

「ガハッ!」


 ノルドを出て三日目、僕は途中の町や村には泊まらずに王都を目指して街道沿いの雑木林の中を移動していた。


 初日と二日目は街道を走ってたんだけど、頻繁に魔物に襲われて、もしかしたらパンドラさんの仕込みかな?と思って他の人が巻き込まれないように少し離れた雑木林の中を移動する事にした。


 そうしたら案の定僕の方へと街道沿いから魔物が移動してきた。どうやって操っているのかは解らないけど、上空から補足した僕に向かわせている事は間違いなかった。


 色々な物を創り出しちゃう人だからそればかりに目が行きがちだけど、あの人の一番怖い所は特殊な魔導師って所なんだ。他の誰にも使えない光と闇属性の魔法を同時に幾つも使いこなし、自身と敵対する者には決して容赦はしない。しかも一瞬で消し飛ばさない限り不死身ときたら敵う者など居ないだろう。


 そして一番厄介な所は悪乗りが過ぎるって所だ。以前フォルマ姉さんが言ってたんだけど『あたい達長命種にとって退屈ってのは毒なんだよ』と。じわじわと心が蝕まれて行き、やがて心は死んでしまう。だから人で在る為に、人の心を護るためには刺激が必要なのだと。


 パンドラさんのその生い立ちについて詳しく知っている人はアレスさんだけなんだけど、彼曰く『主殿はその御心が一度壊れかけた事が有るのだ。その為少々嗜虐的な所が出る事も有るのだが、決して一定の線を超える事は無い・・・筈だ』と。


 要するに今は僕を玩具にして楽しむ事で人としての心を護っていると言う訳なんだけど・・・ほんと勘弁して欲しい所だ。


*


*


*


 ある週の中日の夕方、パンドラが遊びに来た。


「お~い、ジ~ン!面白いもん持って来たぞ~!」


「・・・お前は何時も突然だな・・・貴族じゃねぇから先触れ出せとは言わんけど」


「ははははは・・・まぁ良いじゃねぇか。それよりビデオ持って来たからこいつを皆で見ようぜ」


「まぁ、うちにはそんなもん見る設備は無い訳だが、断っても無駄なんだろ?」


「そう嫌そうな顔すんなって。お前も今弟子が如何してるか気になるだろ?」


「マルスのビデオか・・・興味は有るけど・・・まさか盗撮じゃねぇだろうな?」


「細けぇ事言うなって。設備出すから道場借りるぞ~」


「本っ当に身勝手な奴だな。もう練習終わってるからいいけど」


 で、道場に大型ディスプレイとプレイヤーが設置され、人数分のソファーまで置かれ、エデン商会の売店も定休日だったからライエル夫妻とかも呼んで上映会が始まったんだが・・・・・


「・・・お前なぁ・・・これって児童虐待だからな?つーかこのスタンピードもお前の仕込みだろ?盗撮も含めて立派な犯罪だからな?ちゃんと自覚しろよ?犠牲者が居なけりゃ良いって訳じゃないからな?」


 なんかマルスが立ち寄った町が魔物に襲われたんだけど・・・こいつは放っとくと碌な事しねぇな。


「おいおい、オルトロスを用意したのは確かに俺だけど他のは違うからな。それに盗撮じゃねぇ監視だ、監視。人聞きの悪い事言うなよ」


「まぁ、あいつもお前に見られてる事は理解してるみたいだから良いけど・・・『朧連撃』ね・・・正直つまんねぇもん見せられたぜ。鈴華、お前は如何思った?」


 ド派手な見栄えだけの技だろこんなの。くっだらねぇ、中二病かよ。


「・・・・・ほえっ?!・・・わ、わたし?私は凄い技だなぁって思うけど、父様は違うの?」


「まぁ普通はそう思うよな。ありゃぁまだ不完全みたいだけど、あれが俺を倒すための答えだとしたらあいつは大きな勘違いをしている。喩えあの技を完璧に熟せるようになったとしても俺には触れる事も出来ねぇよ」


「おぉ~、映像だけ見て解るとは流石だねぇ。で、その勘違いってのは正してやる気は有るのか?」


「あ?ねぇよ。お前もあいつに余計な事言うんじゃねぇぞ。あいつが自分で考えて気が付かなきゃいけねぇ事なんだからな」


「勿論さ。俺がお前の『教え』って奴を勝手に変えるような真似はしねぇよ」


「なら良いけどな・・・・・お・・・ははははは!あいつもまだまだガキだなぁ・・・クックックッ・・・・・」


「む~」


 最後の方でマルスが女性に抱き着かれて狼狽えてるシーンは面白かったから良いか。鈴華は気に入らなかったみたいだけど。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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