表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/281

105

「お、隊長殿!随分と早い御帰還でしたね」


「あ、ああ・・・・・」


「直ぐに陛下にお取次しますので、中でお待ち下さい」


 宮殿を囲む鉄柵に設えられた門の横に居る兵士が俺達に気が付き挨拶を交わして宮殿へと走って行く。俺達はそのまま宮殿へと入り待合室らしき部屋で呼び出されるのを待った。


「ハァ・・・本当に危機感が足りてねぇな。あんな呼び出し方されて敵対されるとか考えもしねぇのかよ」


「あ、いえ、その・・・・・」


「なんだ?言ってみな」


「・・・あの・・・本当に国王陛下に逆らうおつもりですか?」


「それは要求次第だな。俺の主はバレリー伯爵様なんでな、他の奴に従う道理なんてねぇよ」


「ですが、バレリー家はブランデル王国の貴族で・・・・・」


「だから?あのな、千年近くも虐げといて良くそんな事が言えるな。寧ろ今までよく反乱を起こさなかったもんだと感心するぜ。いいか、バレリー家は過去の罪を十分過ぎる程償った。ルクサイア家は国境を守り続けてきたが碌な支援を得られなかった。だからこの国を見限る決意をした。そこに何の不思議が有る?至極当然な流れだろ」


「それでは本当に独立をなさると?」


「基本的にはそうなるな。まぁ見とけ、お前等が平伏す権力なんざ全く意に介さない存在がこの世には居るって事を教えてやる」


「あの・・・お手柔らかに?」


「知らんな」


 等と隊長と話をしているうちに準備が出来たらしく、使用人が呼びに来たので呼び出した本人の所に向かった。


*


*


*


「ちょっと出かけてくる」


「行ってらっしゃい貴方」


「後は頼んだぞ鈴華」


「はい、父様、行ってらっしゃい」


 一晩経っても如何にも嫌な気分が抜けずにパンドラの所へ行く事にした。結構長い付き合いだが、あいつの国へ行くのは初めてだな。


 出来たばかりの建物へと入り、床に描かれた魔法陣の上に手を付いて魔力を流した。


 一瞬視界が歪むと同時に軽い浮遊感に襲われたが軽く頭を振って立ち上がると背後にある扉を開けた。


「・・・・・あ~、予想してた通りだわ・・・こんな所向こうの人間が来たらどうなる事やら・・・・・」


 山頂らしき高台から望む景色は明らかに未来都市と言った感じで高層ビルが立ち並んでいた。


「さて・・・あいつの家は・・・・・あれか」


 貴族風の一軒家が数件並ぶ中に一軒だけ白い壁の近代建築が紛れていた。おそらくあそこがあいつの家だろうと向かって行った。


「ん?呼び鈴とかねぇのか・・・まぁいいか、お邪魔しま~す」


「「いらっしゃいませ、パンドラ邸へようこそ」」


 扉を開けるとディアナとミネルバに出迎えられた。けど、なんでカテーシー?


「・・・・・よう、パンドラと話がしたいんだが会えるか?」


「はい。私達はお兄様に言われてジン様をお迎えに上がりましたから」

「こっちだぜ」


 二人に案内されて奥へと進む。木製の床に白い壁の続く廊下が距離感を狂わせる。広いんだか狭いんだかよく解らん創りの家だな。


「こちらでお兄様がお待ちです」

「お茶持って来るから入って待ってて」


「ああ、お構いなく」


 案内された部屋の前で二人と別れ、何の変哲もない木製の扉を開けて中へと入った。


「クックックッ・・・よくぞここまで来た、地上最強の男よ・・・・・」


「・・・・・なに悪の総統感出してんだよお前は」


 三十枚以上のモニターが並ぶ薄暗い部屋の中。一人掛けのソファーに足を組んで座る上下黒い服を着たパンドラが黒い笑みを浮かべながらアホな事を言って来た。


「ははははは・・・いいじゃねぇか、こういうお遊びが通じるのはお前位なんだから」


「まぁいいけどよ。取り敢えず座らせて貰うぜ、お前に聞きたい事が有ってな」


 軽口をたたきながら部屋の中を進み、ローテーブルを挟んだパンドラの向かいに勝手に座った。


「そうかそうか。でもなぁ、これから面白い出し物が始まりそうなんだわ。その後でもいいか?」


 パンドラがテーブルに手を翳すとテーブルが光だし映像が映し出された。


「あ?なんだマルスじゃねぇか、何やってんだあいつ?つーか、また盗撮してんのかよお前は」


「盗撮じゃねぇ、前にも監視だって言ったろ。それにこいつはあいつからの依頼の一環だ」


「依頼?」


「まぁ見とけって。面白いもんが見られるかもしれねぇぞ」


 どこぞの廊下を進むマルスとそれを囲む兵士達が映し出されたテーブルを眺めながら、面白く無くてもお前が面白くするんだろと心の中で突っ込みを入れた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ