やっぱり俺のステータスは異常だった。
言葉を知らず読みにくい感じの所もあると思いますがここまで読んでくれた方に感謝します。
なにか至らぬ点などございましたらご指摘なども頂ければ励みとなります!宜しくお願いします!!
「な!?なんだって!!?」
(そんなに!?)
ランスとの比較を終えたが翌日の事。
父ネイブルの書斎に再び訪れ相談してみると、父は驚きのあまりのめり込むように俺をみた。
「も、もう一度言ってくれないかい?確かにハルは0歳の時からレビテーションや、見た事はないけどウォーターボムなどの魔法が使えるって話は聞いていたからステータスが異常な程に高いとは思っていたけど、まさか全守護神の加護持ちなんて‥!そ、それは紛れも無く本当の事なんだよね?」
どうやら父は守護神の加護についてが一番驚いているようだ。
それに慌てようからしても普通ではなかったが俺に知るよしもない。
俺がもう一度本当の事だと頷くと父は力が抜けた様に椅子にまた腰を下ろし頭を抑えた。
(この加護ってそんなに凄いの?)
そう問いかけると、父は息を一つ吐き出し気持ちを落ち着かせると、ゆっくりと話だす。
「いいかい?この世界では普通、加護が一つ付いている事自体でも凄い事なんだ。だけどハルの場合は全神の加護がついている。この意味は最高創造神であるゼウスまでもが認める存在を意味する。つまり神の使徒ってことなんだ。」
父はいつも以上に真面目に話をしたが俺には何だかサッパリだ。
(‥えーと。なに?)
俺が首をかしげると父はコケる様な素振りをし呆れる。
「我の子ながらなんて呑気な。」
苦笑いする父。
(使徒と言われてもパッとしないから分からん)
胸を張って見せると父は少しクスッと笑うが、また真剣な顔つきへと変わる。
「まさか自分の息子に生まれてくるなんてな。」
(だからどういうこと?)
「神の使徒であるという事はこの世界の王。つまりハルは産まれながらにどの国の王よりも偉く、誰もが跪かなきゃならない存在だという事だよ。」
‥。
(う、嘘ん!!!?)
思わず、そのスケールの大きさに後退りしてしまった。
ってことは神!?
「やっと、自分の状況が分かったみたいだね。確かにハルの存在は公になると事件になるとは思っていたけど、全神の守護持ちとなるとまた一大事だ。この場合だと王に一度報告が必要かもしれない。」
(王に!?なんで?)
「何でって使徒だからさ。正直の所、自分の子でも使徒の場合は僕も頭を下げなければいけないのだけど‥」
(い、いいよ!父さんは父さんなんだから。)
俺がそう言うと父は時が止まったかの様に目を丸くし俺を見た。
(な、何?)
「今、‥父さん。って言ったのか?」
(そ、それが‥何?)
首を傾げるといきなり父は俺に抱きついた。
あまりの突然に頭が困惑する。
(え?な?何だよ?)と父を見ると目から涙を流していた。
(え?何?何で泣いてんの!?)
「アル。やっと、‥やっと父さんと言ってくれたね。」
そっち!!?ってそうか!
今思えば確かに母も父も、父さんとか母さんとかで呼んだ事がなかったかもしれない。
いつも呼ぶ時は「あのー」とか「ねぇねぇ」だった。
今考えると何故それで今までやってこれたのかが不思議だけど、父を父、母を母として認識はしていたけれど、どこか他人と考えていた所があったのだろう。
いや、むしろ未だに俺は恐れていたのかもしれない。
本当に父さん、母さんと呼んでも良かったのかを‥。
だが父は違った。
異質な能力を持つ子供に、ましてや前世の記憶があったとしても気味悪がる訳もなく受け入れる父や母の気持ちは紛れも無く【親】の心だったのだ。
だって話せて他の人格があるとかは、母は産んだ事実があって確信し得るものがあるけど父はやっぱり不安でしょ。
もしかしたら他人の子?なんてのも思うかもしれないじゃん。
それなのにこの人は俺を受け入れてくれたんだ。
その気持ちに気付けない俺は本当にバカだった。
本当に‥申し訳ない事をした。
俺を抱きしめる父を抱きしめ返すと、俺の目からも涙が溢れ落ちた。
この世界で生を与えてくれたのは紛れもなく今の父と母だ。
これからはもっと感謝の気持ちで接していこう。
この時初めて普通に声を出した。
「ごめん。‥父さん。」