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二話

誤字脱字の確認を怠ったのでがばがばかもしれん色々と。

 「そういう訳で、貴女にはこの魔力抑制の術式が付与された首輪を付けて貰います。理由はさっき大まかに説明したとおりだけど―」



綺麗な人だなあ…とまるで話の内容と無関係なことを考えているのは説明を受けているのはリリーシアである。



(綺麗なサラサラの銀髪も魅力的だけど、体つきが最高ね…特にこの大きな胸。一度顔をうずめてみたいわあ…)


どこかの中年オヤジの思考と言われても全く違和感のないような下世話な空想を頭に浮かべながら、真剣な表情で先生の説明に相槌を打っている。完璧超人であるリリーシアだが、自分が興味を失った話の内容はとことん聞くことができず、自分の注意を引くものを無意識に探してしまうのだ。


集中して勉強することすらままならないどこかの不良少年のような生態だが、理解が追い付いていないというわけでは断じてなく、リリーシアは、会話に登場するキーワードからあらかたの内容を予測・把握し、早々にして話の全容を理解することができてしまうのだ。

よって彼女は人の話を半分以上は聞いていない…聞く必要がないのである。



閑話休題。



リリーシアは、内包する魔力のあまりの膨大さに、校長、牽いては教師陣の議論の結果、校内での聖魔法の使用を禁止されるどころか、魔力を常時100分の1に抑えるという超強力な魔法具によって己の魔力を大きく制限することを条件に、高校への入学を許可されたのだ。


何せ彼女の魔力は膨大すぎるため、魔法一つ行使するにしても、訓練場や実験室といった設備の損壊を危惧しながら授業を行う必要が出てきてしまい、大多数の生徒たちの勉学を優先するためにも抑制するという思い切った案を、学校側は提案してきたのである。


リリーシアでなければ人権侵害で訴えられそう話だが、彼女が学校で学ぼうとしているのは人間関係、一般教養であり、決して魔法を学ぶための入学ではないという姿勢であったため、学校側は多少強引にでもこの措置をとることにしたのだった。


Aクラスの担任である先生は校長から預かった魔法具の説明、受け渡しを任され、それを入学式一日前の現在こなしているのだが、悲しきかな彼女の話の半分もリリーシアは聞いちゃいないのだ。



「分かりました。元々ある程度の説明は受けていましたのでこの首輪の取り扱いについてはもう理解できました。わざわざ詳しく説明して下さりありがとうございました。」


“もう知ってたのよ。説明が少しばかり長すぎるわ。”という皮肉を暗に込めて発したこの言葉も、それに気付く人間の存在はおらず、次期聖女候補の発した謝辞が額面通りに受け取られてしまうのも仕方のないことなのであった。





 入学式の前日ということもあって在校生は登校を禁止されており、国立第一高等学校の中に生徒の影は見当たらない。少しばかり寂しい風景だが、リリーシアからすれば、静かに校内を探索できる絶好の機会に鼻歌でも歌い出したい気分であった。

(この学び舎で…どんな生徒たちがどんな表情でどんなことを学んでいるのかしら…)

明日から始まる学校生活に胸を躍らせながら彼女は一通りの設備を見て回り、納得したような笑みを浮かべながら帰路に着いた。



彼女が帰宅するその先は王国内最上級の宿“月光”。その中でも1番といっていいほど狭い部屋に彼女は住んでいる。冒険者稼業を志して王国の都に出てきた際、無料(ただ)で住まわしてもらえる場所を探しているところを宿に隣接する料亭、“月光亭”でウェイトレスとして働くという条件と共に運良く拾ってもらえることになったのだ。

大体の事はそつなくこなす彼女にウェイトレスをやらせるとたちまち客が増え始め、その圧倒的美貌や見た目に似合わない程の人当たりの良さでいつしか看板娘のような存在になっていた。



「少し…こう…広い部屋も余っているからそこに移らないか?さすがに毎日店の売り上げに貢献してくれているリリーちゃんを、こんな狭い部屋に押し込めていると常連の男連中に知られたらどんな目に合わせられるか…。まあ、とにかくリリーちゃんにはもう少し広い部屋でのびのび過ごして欲しいんだ。どうだろうか…?」


彼女の影響で売り上げが伸びているのは明白であるので、宿のオーナーは何度も彼女にもう少し広い部屋に移らないかという話を持ち掛けているのだが、何故か毎回丁重に断られてしまう。結果、彼女はこの宿に居候を始めてから現在まで、宿の最も狭い部屋での生活に甘んじている。


当然である。

彼女にとって最低限自分の体の分のスペースさえあれば十分なのだ。


<異空間生成>

そう彼女が唱えると、人ひとりが通れる程の穴が現れリリーシアの姿は穴の中の闇に消えていった。

この空間魔法と言われる魔法は、現在使い手のいないとされている古代の魔法の一つに分類されている。現時点で最強の魔法使いと言われている生ける伝説“大賢者”でも使用することは叶わなかった魔法を、リリーシアはほぼ毎日使っている。もちろん誰にも見られないように、である。


彼女によって生成された異空間の中にはベッドやソファ、キッチンにテーブル、イス等々生活に必要な家具が配置されまるで一つの家のようになっているばかりか、彼女が購入した食材や狩ったモンスターの亡骸など多様な物が収納されている。


大賢者が辛うじて使用できる<収納>の完全上位互換魔法になっており、異空間にモノを収納できるだけでなく、収納したものの時間を止めた状態で保存することができる。

そのため、生鮮食品等を保存するのにはもってこいであるし自分の時間を止め、好きな時間魔法の練習し放題というリリーシアにとっては天国のような空間を生み出す魔法なのだ。


彼女の強さの秘密の3割ぐらいはこの魔法のおかげだといっても過言ではない。


<暗闇>

彼女がそう唱えると異空間の中は闇に満たされた。

彼女は次の日に遠足を控えた子供のような心持ちでベッドに入り、中々クールダウンしない己の思考を紛らわすため、先程まで読んでいた小説の内容を映像化し妄想に浸りながら微睡みに落ちていった。








はやく終わらせたかったので適当なところで切った。文章の長さの調節を練習する。

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