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狂った世界に気付くまで  作者: flower
4/4

本当に狂ってるのは

~すみれ視点~

この目の前の女はあおとの枷になっている

私が邪魔だと言う。

突然豹変し、笑った私に一瞬言葉を失った

様だか、すぐに「何がおかしいの!」と

返してきた。

「人は、相手の言動でその人のイメージを

作り上げる」

無表情の人は冷たい、取っ付きにくい。逆に

常にニコニコ笑う人は明るい、親しみやすい。

声が小さければ引っ込み思案、ハキハキ喋る

人はしっかり者。どうしても判断できるもので

決め付けてしまう。特に第一印象は重要だ。

だからこそ私は笑顔で人に接するし、柔らかい

口調で話す。そうすれば相手は自分を受け入れ

やすくなる。自分とゆうのは偽ろうと思えば

偽れるし相手に思い込ませる事も出来るのだ。



「私からみればあおとは純粋で綺麗よ」


「あの男が?何を言っているの?」

みどりは馬鹿にした様に笑う

夏木あおと、とゆう人間を私以外に語らせたら

十人中十人が純粋と回答するものは居ないだろう

容姿端麗だが、変わり者。安定しているようで

酷く不安定。その危うさが人を惹きつけるのだが。


「あおとはみどりちゃんに落ちない」


「自分が食い止めると?」


「食い止める?違うね」


あぁ、やはり解っていない。

人は表面をなぞる行為が好きだ。それだけで

解った顔をする。それが滑稽で仕方がない。

だからこそ、私が私として存在出来るのだが。


「そもそも、私があおとの枷だってゆうのが

間違いよ」


「どうゆう意味?」


「あおとは自分で自分のリードを握っている

例え、どれだけ危ういとしても。あおとは自分で

自分の事を律する事が出来る。私が居なくても」


そう、あおとは傍から見れば酷く

不安定にうつるが、きちんと理性がある

揺らぐことがあっても自分を無くす事はない

ただ、その言動から誤解される事が多く、その度

私は心の中で嘲笑する。


「ねぇ、みどりちゃんとあおとは違う。なぜか?

君は表面上を取り繕いながらも冷静沈着で冷酷

人からみたら酷く不気味。でも、私にはただの

駄々っ子にしか見えない。私を独りにしないで。

私を見てってね」


「ふざけないで!私は孤独なんて怖くない!」


「自分一人が汚れていくのが嫌なんでしょう?

だから、仲間が欲しい。落としたい。」


人は自分より美しいものを望み、妬む。

綺麗なものは欲しくなる。そしてふいに穢したく

なる。みどりはあおとがぎりぎりのところで

踏みとどまっている危うさに惹かれ自分のものに

したくなった。そしてその反面あおとの美しさに

嫉妬している。


「私は!!」

みどりが叫ぶ。


「遠くを見つめるあおとの瞳、綺麗よ」


「っなにが言いたい」


「私はあの仄暗い瞳が大好きよ」

━あの瞳で見られると浄化されてる様に

思う。食い止められる


「あ、残念だったね」


「なに、が」


私は素早くみどりからカッターを奪い取り

スカートをたくし上げ、太ももにカッターを

当て、笑いながら思い切り横に引いた。


つぅ、っと血が足をつたって流れてくる

みどりが小さく悲鳴をあげた



「流石に腕を切ると日常生活でバレる

可能性があるからね、太ももならまだ

スカートでわからないでしょう。」

体育の時だって着替え方を工夫すれば

太ももを出さずに着替えられる。



そして、何事も無かったかの様に

話を続ける。



「あおとはね、私にとっての枷なの」

いつだって、こちら側に食い止めてくれた

のはあおとの真っ直ぐな瞳だった。だから

私は私でいられたのだ。


「私が中学生の時のある日の夜、友達と電話で

喋ってたの。でもね、その次の日その友達

自殺未遂したの。この話をすると皆、

励ましてくれるの。貴方のせいじゃない、

タイミングが悪かっただけ、とか」


ふふっ。と笑ってみどりの耳元に口を

近づける。


「その電話の内容が、本当に()()()()()だったの

かも疑わずに。」



みどりがひゅっと息をのんだ


「さっき話したでしょう?人はイメージを

勝手に作り上げる。みどりちゃんやその友達も

そうよ、私は無害な女と思ったでしょう?

危ういあおとを引き止めている純粋な女だと」


そして、まだその固定概念にとらわれている

信じられないと見開いたその瞳が証拠だ。


「あぁ、タイムリミットだ」






「すみれ!!!」



「あおと!」



焦った様に教室に飛び込んできたあおと。

みどりと話している間にこっそり携帯で状況を

伝えておいたのだ。

私の足から血が流れているのを見て驚いた

様だが、私が元気そうなので重傷では無いと

判断し、ひとまず安心したようだ


「みどり、すみれを傷付けるのは許さないよ」

冷たい声であおとが言い放つ。


その後、あおとから事情を聞いていた先生が

来て、みどりは連れて行かれた。


(あぁ、退屈な1日だった。

でも、あおとの焦る姿が見られたからいいか)



「…すみれ、本当に良かった」


唐突に引き寄せられて抱き締められる

普段は外でこんな事をする人では無いので

表には出さないだけで、内心その動揺していた

のではないのだろうか。




「あおと、ただいま」





━ただいま、愛おしく、狂おしき世界

お読み頂いてありがとうございます。

これにて、完結です。

相当狂ってますね、はい笑

こうゆう物語が大好きです笑笑

因みに私はリアルで三角関係に

巻き込まれ、大変な目にあった事が

あるので、その体験を活かして書いて

おります笑

三角関係のグチャドロは2次元で充分

だと、しみじみと思いました笑笑

ここまで、お付き合い頂き、本当に

ありがとうございました!

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