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狂った世界に気付くまで  作者: flower
3/4

時雨 みどりの葛藤

そこへ、先生のお手伝いを終えたすみれが

放送室へ来た。

いつもの様にニコニコとしていて、私があおとに

隣りに座って至近距離で勉強を教わっているのを

見ても、何とも無さそうな顔をしていた。

「2人共~!遅れてごめんね!先生のお手伝いが

長引いちゃって!」

柔らかい口調ですみれが言う

「お、すみれが来た」あおとがニコッと微笑む

「もぉ~遅いよ!」笑いながら私も言葉を返す

この女と話したくない

あおとを私のものにするのにこの女は邪魔だ

「すみれ、遅かったから罰としてこれ

印刷してきて~笑」おどけたように言ってみせる

あおとともう少し二人でいる為に言っていると

バレないようふざけてる様に見える様に笑顔を

心がけて。

「自分で行くのが面倒だから、適当に理由をつけて

私に押しつけてるだけでしょ笑」

「あ、バレた?笑」

「そりゃ、わかるよ!

はいはい、私も印刷したい資料があったから

ついでに行ってくるよ」

「本当!やった~サンキューすみれ!」

すみれは、人より優しい、だからこそ

気に入らない。こうやって簡単に騙される。

あおとに釣り合うのは私だけなのに。




  ×    ×    ×




それからとゆうもの、毎日の様に

すみれが居ないのを見計らってあおとに

近づいている。不思議なのはあおとが何も

言わない事。明らかに最近私は前と違うのに

何も言わない。本当に何を考えているか

わからない人だと思う。だからこそ脆いのかも

しれない。

そして、すみれもいつも通りなのだ。

もう、なんやかんやで3ヶ月近くこんな事を

しているのに。

流石にここまですれば気付いている筈なのに。

もしかしたら、本当に気付いていないのかもしれない

すみれは優し過ぎるから。

あぁ、本当にイライラする。



   ×    ×     ×



しばらくして、私はすみれへの嫌がらせが

酷くなった。朝、早く登校して下駄箱にカミソリ

の刃を入れたり、上履きの中に画鋲を入れた。

その日は、すみれが部活に来るのが遅かった。

多分、画鋲や、カミソリの件で先生に呼ばれて

いる。

誰かに恨まれてるとかない?なんて

形式上の質問を教師からうけているの

だろう。本当にくだらない。

部活に来たすみれはいつも通り笑顔だった。

ショックを受けている様子も誰かを疑うような

素振りも見られなかった。

毎日私は表面上、笑顔ですみれと接しているので

まさか、私がこんな事しているなんて気付いて

いる訳ない。もし、犯人が私だと知ったらすみれ

はどんな顔をするだろう。

あの笑顔が歪むのだろうか。




クラスはつまらない。

上位グループに所属しているが、周りの人と

どうでもいい話をする意味がわからない。

話を合わせて適当に取り繕って笑うのは疲れる。

早く放課後にならないかと時計を見る回数が増えた

気がする。

最近思ったのだが、あおとは、まさか

私から好意を抱かれているとは思っていないの

ではないのだろうか。とゆうより、

他人に興味がない様に見える。

一応、すみれとは仲良くしていはいる様だが。

どこかフラフラしていて、あおとの笑顔は儚く

脆い。

そこに惹かれた。もしかしたら、私は本当に

あおとを好きになったのかもしれない。

その、あおとが何処かへ行かないように

ちゃんと見失わない様に導いているのがあの女だ。

あんな女があおとを繋ぎ止めているとゆう事実

がイライラする。










そろそろ、決着をつけよう。



私は、放課後に

教室にすみれを呼び出した。

LINEでただ一言

『2人で話がしたいから教室に来て』


放課後、何も知らないすみれが

教室に来た。この教室に他に人は居ない。

隣のクラスで未だに帰っていない女子達が

騒いでいるくらいだ。

「どうしたの?急に」

何も知らないすみれが人懐っこい笑顔を浮かべ

ながら聞いてくる。

「アンタ、ウザいのよね」

「え?……みどり…ちゃん?」

私はポケットからカッターを取り出す。

「!?……みどりちゃん!!」

「騒がないでくれる?」

私はカッターを持って制服のYシャツの

袖を捲り上げカッターをそっと当てる

「私ね、自傷行為とか普通にしてたから

今から自分の腕を切るなんて簡単なの」

なんだか頭が麻痺してきた気がする

だって、私のやっている事はただの脅しなんだから

「…………………」

すみれは怯えた様に黙っている。

「今、ここで私が腕を切って隣のクラスに

すみれに切られたと言って泣きながら飛び込めば

どうなると思う?皆、貴方がやったと思うでしょうね」

「な…なんでこんな事するの?」

すみれの声が震えている、怖いのだろう

カッターで腕を切るって脅すなんて携帯小説では、

あるあるのネタなのだ。問題は3次元で実行する人が

いた、とゆう点だ。特に純粋なすみれには効果が

あったようだ。

すみれは俯いてしまっている。

だが、気にせず話をする。

「単刀直入に言うね、あおとと別れて。

あおとの枷になって繋ぎ止めている貴方は

邪魔なの」

そう言った途端、























「ふふっ、変なの」

そこには、口の端をつり上げた

いつもニコニコしていた時の面影など

何処にも残っていない少女が立っていた。



読んで頂き、ありがとうございます

歪んだ物語が私個人的に大好きです。

登場人物が病んでいるか、狂っているのが

好きです笑

狂っていれば狂っている程好きです笑笑

こんな小説ではありますが、

楽しんで頂けましたか?

次回が気になると思って頂けていたら

嬉しいです。





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