第ニ章 旅は道連れ世は情け
実の仕事がそこそこ忙しく、なかなか書けませんでした(´・ω・`)
それでも何とか月一くらいは更新していきたいと思います。
ユナ達を乗せた馬車は、魔物達に見つからない様に、そこそこの速度で、道無き道である山の木々を分け入っている。
小回りは効きにくくなるが、速度はこちらの方が早い。
結果として多少の遠回りではあるが、差し引きで考えると仕方がない。
魔物達と騎士達の戦闘による騒音があるため、多少馬車がガタガタ音を立てて進んでも、魔物達に発見されなかったのは幸運である。
城壁が視認出来る距離まで近付いたとき、戦場には不釣り合いな、奇妙な匂いが混じっている。
ハルと出会ってから、幾度となく嗅いだ、料理の匂いである。
城壁前を注視する。
遠目にはわからないが、料理をしているのは、匂いからして明白である。
「あきれました…こんなときまで料理ですか?」
「まぁ意味があってのこととは思うけど」
「空腹なの思い出しちゃった…お腹空いたよ…」
三者三様なリアクションを取りながら、今後の動きを相談する。
「まだ魔物の数はかなり多いね」
「このまま突っ込んだら流石に不味いですよね…」
「ハルはどうやってあそこまで行ったんでしょうか?」などなど。
結論としてはハルに合流するとなった。
しかし馬車ごとは流石に向かえない。
近くを見渡すと、小さな洞窟を発見。
そこに馬車を入れ、入り口を木々と草でカモフラージュ。
木々の忍者が飛び回るように、風魔法で飛ぶように移動していく。
ぎりぎりまで馬車で近付いたおかげで、魔力量は十分に温存出来ている。
移動だけに集中するのではなく、飛行型の魔物や、群れから逸れた魔物を駆逐しながらである。
大々的に攻撃しながらだと、ユナ達が襲われる可能性が高い。
上空の魔物からは攻撃を受けやすく、また、見つかり仲間を呼ばれると厄介である。
逸れを狩るだけなら、見つかりにくいし、馬車が見つかり襲われるのも嫌である。
という観点からである。
防衛線を何とか木々の上から越え、騎士達の元へ行く。
「何奴!?」
「怪しい者ではありません!ハルって人が先に来てると思うんですが…」
「ハル殿の知り合いか?失礼致した!拙者は第二騎士隊隊長のサモンと申す!」
「彼はどこに?」
「騎士達の休憩所で、何やらしているようである。」
「そちらへ向っても大丈夫でしょうか?」
「もちろんです!部下に案内點せましょう」
と、ハルの元へ何とか合流を果たした。
「ハル!って、何をしてるんですか?」
「みんなよぉ来たな!怪我ないか?こっちは炊き出しで忙しいねん!無事そうなら手伝ってくれへんかな?」
と、鬼の形相で料理を作っている。
ハルの前には、長蛇の列が出来ていた。
ハルの勢いに押され、何もわからず手伝うハメになるお三方であった。
ハルの食事を食べた騎士達は、回復が早いようで、前線へ再び突撃していく。
結果として、前線から徐々に後退していたはずの騎士達が、前線を押し戻していくのであった。
ユナにモンド姉妹を加えたおかげで、かなり速度アップし、料理を出していくハル。
おかげで休憩所にいた者達は全員戦場へ。
いったん休憩となり、ハル達も漸く食事を食べ始める。
気付くと何故かそこに混ざっていたアリアとロビィとステラの兄妹。
忙し過ぎて、いつ三人が合流していたのか気付いてなかったハルである。
「…何で三人がここに?てか危ないやん?」
「「途中から合流してましたよ?」」
と、みんなに突っ込まれてしまった。
「一息ついたので、何でここに来たのか、簡単に説明させて頂きますね?」と、アリアの言葉であった。