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勇者が死んだ世界を救う方法  作者: くたくたのろく
4章 墓標【後編】
222/226

1-8

おおおお待たせしましたあああああああああ(スライディング土下座)




「お兄ちゃん、おはよ!」

「……おはよう、アイリス」


 ここ数日は特に何もない。ダーシアンがご飯を持ってきたり、アイリスが何度も顔を出しに部屋に来るくらいだった。

 ――時系列は恐らく、アルニとアイリスが浜辺に打ち上げられているのを拾った日から1週間程度。魔力も回復してる。この期間は海を渡るために魔法を使い、魔力欠乏症になったアルニの療養期間だ。


 近いうちにダーシアンが本性を現すはず。


 いまだに反乱軍の手がかりを掴めていないアルニとオズは、反乱軍の手を借りずとも街から出られる方法も一緒に模索している。

 この街ポートデートは海に面している街ではあるが、鎖国のせいで港には小舟一つ見当たらない。街の外には商人を狙う野盗や人身売買の商人が雇った人攫い(スカウト)がいて危険だ。


 アイリスを守りながら逃げるには、魔力量も心許なければ体が小さすぎる。

 オズはねずみになったせいか魔力も使えないようだし。

「はぁ、」思わず溜め息を吐くと、アイリスがこっちを見つめていることに気付いて慌てて誤魔化す。


「アイリス、気分転換に外に出ないか?」

「気分転換……?」訝しげに首を傾げる少女に咄嗟に目を背けて「えっと、嫌ならいいんだ、けど……その、」と言葉が尻すぼんでいく。


 ――――アイリスとどう接していいのか、アルニは分からなかった。


 8年前に唯一の妹を失い、それからは記憶をなくして過ごしてきた。その罪悪感が、喪失感が、そしてこれから起きることへの悲しみとか憤りとか。色んな感情がぐちゃぐちゃだ。

 昔はどんな話をしていたっけ。

 思い出したはずなのに、思い出せない。


「うんっ、私もちょうどお出かけしたかったの!」

「っ」

 嬉しそうに笑顔をあふれさせるアイリスに、つい謝りそうになってしまう。

 ごめん。

 ごめんな、アイリス。

 守ってあげられなくて。


 ―――よく悲しげな顔をしてアルニに謝っていた母さんの気持ちがなんとなく分かった気がした。


「ふんふん♪」

 ご機嫌に鼻唄を奏でながら、しっかりと手を繋いで街の外を歩く。

 気分転換とは言ったが、少しでも何か手がかりがあればと思ったのだが……――間違いだったかもしれない。

 街の人たちは痩せこけた頬と青白い肌をし、口角だけ笑みを貼り付けて、芝居のように生活をしている。彼らは誰もが“隙”を狙っている。陥れて鬱憤を腫らせる相手かどうか、金品や食糧を盗めるか、他に価値や奪えるものはないか。

 枯れた大地は作物を実らせない。海に出て漁も禁止されている。限られた資源はそうやって奪い合うことでしか生き延びる術がないから。


「お兄ちゃん、喉渇いたの」

「……こっち」

 周囲を警戒し人気がない建物の影に連れてくと、魔法で手のひらいっぱいに水を出す。

 当時はただ家族に魔法は人前で使ってはいけないと怒られていたから隠れて使っていたが、ポートデートの環境下だとその教育は正しかったと思える。


「お兄ちゃんは飲まないの?」

「俺はいいよ。それよりもアイリス、お腹は空いたか?」

「うん!」

 ポケットからいくつか種を取り出し、魔法を使う。種は手の中で成長を始め、葉が芽吹き花が咲き、やがて枯れていくと小さな実をつける。

これはベランクァルというどこにでもある雑草の一種だが、水分を多く与えることで実を成す。この実は栄養価も高く保存も利く。旅で見つけたらとりあえず採っとくくらいには価値ある木の実だ。


 それを二人で分け、残った花は焼いて消しておく。

 8年前にはこういった知識もなければ魔法の使い方も適当だった。そのためいつもお腹を空かせてダーシアンから与えられる僅かな食糧を分け合っていた。


「帰るか」

 手がかりを求めて街中をぶらついたが、だんだん日も暮れてきた。暗くなれば人攫いも出てくる。結局得られるものはなかった。さすがに焦燥感が込み上げてくる。この調子で大丈夫なのだろうか。

「お兄ちゃん」

「ん?」

 足を止めたアイリスに腕を引っ張られる。


「どうした? 喉渇いた?」

「ううん、違うの。……あのね、あの………」

 不安そうに言い淀む妹の姿に、自分は馬鹿だ、と思った。8年前は自身も余裕がなくて気付かなかったが、アイリスはずっと不安なのだ。


 両親の死を知ってるわけでも、助けがこないことも知らない彼女は、先の見えない希望と兄を支えにしてる。まだこんなにも小さな子供なのに、迷惑にならないようにと泣くことも我慢して。

「アイリス、大丈夫だ。前にも言っただろ、じいちゃんが助けてくれるって! じいちゃんが来るまで時間がかかるから、それまで俺が守るから」

「でも、」

「じいちゃんが強いのは知ってるだろ?」

「うん」


「俺には精霊がついてる。……母さんも父さんも、きっと無事だから」

「……うん」

「だから大丈夫だ。俺がアイリスを守る。だって『お兄ちゃん』だからな」

「うん……っ」

 ようやく笑顔を見せてくれたアイリスに、安堵するようにつられてアルニも笑う。


 ――アイリスを守れるのは俺しかいない。

 ガ―ウェイが来るのはあの惨劇の翌日。それまでダーシアンや女神教が動かないわけがない。……幸い、アルニはこの後起きることを知っている。ダーシアンは過去通りに動くと言っていたわけだし、先読みから事前に動ければ。


***


―――――――――――――――――

――――――――――


「お、お兄ちゃん」

 薄い毛布にくるまって眠っていたアルニは妹の声に目を覚ます。部屋はまだ暗く、夜明けにはまだ早い時間だ。

 時々悪夢を見て夜泣きすることがある妹を気遣い、今回もそれだろうと思いつつ「どうした?」と体を起こす。寝ぼけ眼を擦っていたアルニはまだ気付かない。


「あ、あの、ね……私、どうすればいいのかな、って」

 震える体、不安げな声。そこでアルニはアイリスの様子がいつもと違うことに気付く。

「アイリス?」妹に目を向け、そこで息を飲む。

 カチャリと重い鉄が音を立てた。


「さっきダーシアンさんが来て、こ、これ、着けてきたの」

 アイリスの白くて細い首を隠すくらい、大きくごつい首枷。重くて苦しいのか、青ざめた彼女は枷を手で少し持ち上げていた。

「い、いやだって、言ったの。でも、ダメだって。お兄ちゃんにも見せてあげてって……」

 ぽろぽろと、我慢していた涙が決壊したようにこぼれる。


「たす、けて……お兄ちゃぁん! こ、こわいよぉ!」

 アルニは思わずアイリスを抱きしめる。まだ頭が回らない。

 ダーシアンさんは恩人だ。海を渡るのに魔力を使い果たして浜辺に打ち上げられていた俺たち兄妹を拾って、面倒まで見てくれて。

 ――なんで急に、こんなこと……?

 なにかの間違いではないのか、なにかの勘違いなのではないのか。


 アルニはふと、部屋の扉に寄りかかりニヤニヤと下卑た笑みを浮かべてこちらを眺めるダーシアンの姿に気付いた。

「ダーシアンさん……? なんで、」

「魔力も回復しただろう? 俺はタダ飯をいつまでも食わせるほど慈善家ではないんだ」

 ダーシアンはゆっくりと近づいてくる。その目はどこまでも冷たく、兄妹を嘲笑うように見下していた。


「明日から君たちには仕事をしてもらうことにした。ちゃんと頑張るんだよ?――でないと、その小さな首がどっかに飛んでいっちゃうかもしれない」

 これが、この男の本性だったのだ。

 そしていつの間にか夜が明け――地獄は始まった。


「アルニ、来い。アイリス、君はお留守番だ」

「お兄ちゃん……」さすがに震えてはいないが、不安そうな声に思わず抱きしめる。

「大丈夫――大丈夫だから。俺がなんとかするから」


 妹を守るのは『お兄ちゃん』だから。

 妹を守れるのは『魔法師()』しかいないから。

 だから、俺がなんとかしなくちゃいけない。


 部屋から出ると、ドアの外から鍵をかけられた。窓一つない密室で、アイリスは軟禁された。

 ダーシアンは無言で家から出て行くのをアルニは小走りで追いかける。今まで優しげな笑みを浮かべていた男は、それが幻だったのかと疑ってしまうほど無表情だった。

 やがてダーシアンが足を止めたのは街の中心にある邸宅だった。少し大きい家は、恐らく町長の家だ。


「ハクガ」

「あ、ダーシアン様……こ、これはこれは……」

 ダーシアンよりも二回りも歳を重ねた老人が出てきた。栄養失調による痩せぎすな骨張った老人は杖を支えにようやく立っているようだった。

 ハクガはアルニを一瞥すると、一瞬同情するように眉を顰めて目を逸らした。


「“例の者”は地下にございます……」

「状態は」

「言われた通り衰弱させております。拘束具もあるので動くことも叶わないでしょう……」

 ダーシアンは腰に提げていた袋を無言でハクガに差し出す。それは水が入った水袋で、ハクガは飛びつくように受け取ると水を飲み始めた。

 噎せながらも勢いよく飲み続けるハクガを呆然と眺めるアルニを急かすように、ダーシアンが手首を掴んで引き摺るように邸宅の中へと進んでいった。


 地下に続く階段を下ると小さな部屋に行き着く。そこには天井に鎖で吊り下げられた、ぐったりと項垂れる女性がいた。虚ろな目がダーシアンを映すと、威嚇する獣のように歯を剥き出しにし唸り声をあげた。


あれ(、、)はハクガの娘だ」

 え、と思わずダーシアンを見上げる。

「俺が町長のハクガを誑かして街を支配しようとしてるとか言ってきてね。煩わしいから処刑することにした」

 ダーシアンは指輪の収納石から小さなハンマーを出現させると、それを彼女の左頬に振りかぶった。

 ゴンッ、と鈍い音と一緒に口から飛び出したどこかの歯と血が舞う。


「――――ぇ」

 アルニは思わず後退り、女がすぐに泣きながら激痛に悶えるように鎖をガチャガチャ鳴らして暴れ始める。声にならない唸り声に、今更ながらアルニは彼女の首の傷に気付いた。彼女はもう、唸ることしか出来ないのだ。

「まるで詐欺師呼ばわりだ、元々街の物資を管理してたのは俺たちグラバーズ国軍物資配給係の仕事だというのに」


 今度は右頬を殴った。再び歯と血が跳ぶ。アルニは咄嗟に目を閉じ耳を塞いだ。それでも女の唸り声も殴ったときの鈍い音も、ダーシアンの声も、防ぐことは出来なかった。

「物資の管理をしてるのは俺だ。俺に従わないなら与える物はない、当然だろう? 謝罪して媚びるならまだしも、この女は政府に抗議した。愚かにも。とっくに政府は解散してるのに」


 ガンッ、ゴンッ、続けざまに響いて聞こえる鈍い音がひどく恐ろしかった。

 恐怖でかちかちと歯が噛み合わずに音を立てる。それすら怖い。

 次第に女の声が小さくなり、やがて聞こえなくなった。


 ――終わった。


 アルニは安堵して目を開ける。目に映る光景に、絶句して。

「俺に逆らうとどうなるか分かったかな?」

 ダーシアンは息絶えた女の服でハンマーに付着した血を拭い、氷のように冷たい視線でアルニを見下ろす。

「食糧も水も俺が提供しなければ君たちは飢え死にするしかない。街を出ても、みんな自分のことだけで精一杯で誰も助けてくれない。魔物や盗賊も多い。この国は鎖国し、他国から助けがくる可能性もない」


 彼は気付いている。

 妹と共に海から流れ着いたアルニは、アルニだけが、家族が助けにくるということを諦めていることに。

 アイリスは俺が守る。口癖のようなその言動が、余裕もなく必死に自身へ言い聞かせているようにも感じられたから。ダーシアンは自分の予想が当たったことに内心ほくそ笑んだ。


 この状況下で親の名前を口にもしない。泣くこともしない。

 幼い少年は考えているのだろう。どうやってたった1人で妹を守り続けながら逃げるかを。


「アルニ、アイリスを守りたいんだろう?」

 簡単なことだ、と小さな手にハンマーを握らせる。

 そして指を鳴らすと、部屋の扉が開く。憔悴した男が大きな麻袋を肩に担いでおり、それを床に放り投げるとダーシアンに会釈だけして逃げるように去ってしまった。

 麻袋には紐で口が縛ってあったが、床に落とされたときに緩んでいたそれが解け、すぐに中身が晒された。


これ(、、)は娘の子供だ」

 アイリスと同じ歳くらいの少女が、量手足を拘束され涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔でこちらを振り返る。

 笑みを浮かべるダーシアン、ハンマーを持たされたアルニの奥でぼこぼこになった母親の亡骸を見て、彼女は「ひぃっ!?」と引き攣った悲鳴を上げる。

「さて、仕事だ。――やり方はさっき見ていただろう?」

 肩に手を置かれ、ダーシアンが少女を指差す。


 ――――殴り殺せ。


 アルニはハンマーと少女を交互に見やり、それからダーシアンへ視線を戻すと小さな声で言った。


「――――ぃ、いや、だ」



――――――――

――――――――――――――


***


 街が寝静まった頃、アルニはアイリスを起こした。

 眠そうに目を擦る少女はどうしたの? と首を傾げるが、アルニはアイリスの細い首を見て小さく安堵した。ずっと警戒してたから、ダーシアンが寝てるときに首枷をつけに来ていないことは分かっていたが、それでも怖かった。


「……お兄ちゃん、手が冷たいの」

「え、そうかな」

「今日はお兄ちゃんが怖い夢見たの? お手々握ってあげるの」

 突然夜中に起こしたことに文句も言わず、緊張で冷たくなった手を温めようとアイリスの小さな手が握られた。


「ありがとう」

「ううん、いつもお兄ちゃんがしてくれるから。そのお返しなの」

「…………アイリス、この家から出ようか」

「え?」


 何度も外出して街の位置関係や隠れられそうな場所は見つけた。魔力も回復したし、ダーシアンが動く前にアイリスを別の場所に匿いたかった。

 水も食糧もなんとかなる。8年前とは違う。

 アイリスは驚いていたが、理由も聞かずにすぐに頷いた。アルニのただならぬ雰囲気に何か感じ取ったのかもしれない。やはりアイリスにはかなわないな、と苦笑する。


 荷物はないし、そのまま妹の手を引いて部屋から出る。問題はダーシアンにバレないように家を抜け出すこと。そして住民にも見つかってはいけない。

(こんなときにレイがいればな……)

 透明にする魔術で姿を消せば簡単だったのだが。無い物ねだりしても仕方ないが。

 まったく、なんで魔法師には魔術が使えないのか。


 ……そういえばバフォメットっていう占星術師は元々魔法師だったんだよな。どうやって魔術を使えるようになったんだろう。

 ぎし、と廊下が音を立てて我に返る。


 息を潜めて廊下の先の暗闇を睨み付ける。


 ――夜に家を抜け出すことを決めたのは、街の住民がいるからだ。さすがに全員がダーシアンに従っているわけではないと思うが、8,9割の人々は支配下にあると考えている。

 日中では目立つ行動はすぐに報告されるだろうし、どこにいても人の目があるからだ。

 しかしダーシアンが家の中にいる。アルニたちのことは監視してるし、逃げようとすればすぐに来ると思った。


「やっぱり来たか」

 暗闇の向こうから、ゆっくりとした余裕のある歩調で近づいてくるのは案の定ダーシアンだった。

 彼は初めて会ったときと変わらず優しげな笑みを携えていたが、その右手にはごつい首枷を持っているのが見えた。


「こんな時間に子供が散歩なんて危ないよ」

「ふん、俺たちが抜け出そうとしてることに気付いて慌てて首輪を取りに行ったのか? そんなに魔法が怖い(・・・・・)のかよ」

 ぴくりとダーシアンの眉尻が動く。図星か。

「お、お兄ちゃん?」

 アイリスからすれば何の話をしてるのか分からないだろう。でも今は静かにしててくれと想いを込めて強く手を握ると、伝わったのかアイリスは口を閉ざした。


「さすがに2回目だ、誰でも気付く。――お前は元々軍人でも剣や魔術を使ってるのを見たことがない。つまり使えないんじゃないか? そして俺の魔力が回復する頃に合わせてアイリスを人質にしようとした。その後は恐怖心を植え付ける。魔法でお前を攻撃するってことも考えられないように。……でも今は違う」


 魔力を放出し精霊を集める。すぐにでも魔法を使うことが出来るように。

 ダーシアンと鉢合わせた場合、魔法で昏倒させる。――やつが魔族でも8年前を再現してるなら魔族の能力を行使できないはずだ。


「アルニ、君は一つ見落としてることがある」

「……なんだよ、負け惜しみか?」


「この国を理解していないことだ」


 ダーシアンが左手を掲げた。すぐに魔法を行使しようと――突然全身から力が抜けて床に倒れる。

「お兄ちゃん!?」慌てるアイリスが視界に映る。そしてその上、アルニとアイリスの頭上にはいつの間に現れたのか、光り輝く魔石が浮いていた。


 魔石に魔力を奪われた……!?

 まさか、どうやってと考えている内にダーシアンが近寄る。

「可哀想に」

 アイリスの二の腕を引っ張り無理やり引き寄せると、その首にあの枷をつけた。

「知らなかったんだね、アルニ。魔石と魔法師の関係を。そしてこの国がどうして鎖国なんてしているのか」

「な、に……言って、」

「オズワルドと一緒にいたから、それくらい知ってると思ったんだけど……そうか。彼は君に何も話していないのか」

「オズ……?」

 ねずみにされたあの青年のことか。ダーシアンはあいつを知ってる……?


「何にせよ君の負けだ。この先の展開は8年前と変わらない」

「っ、くそ……」

 魔力を奪われすぎて急激に強い睡魔に襲われる。まぶたが重い。眠るわけにいかないのに、アイリスを助けないといけないのに……!

「――運命は変わらない。何故なら君は魔法師で――“()”だから」

「お兄ちゃん!」


 アイリスの悲痛な呼び声を最後にアルニは意識を飛ばした。





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