依頼1
先に女性が案内されたであろう小部屋へ移動する。
部屋へ向かう廊下で女性の案内をしてくれたであろう店員がすれ違いざまに俺に声をかけて来た。どうやら旦那が失踪したというらしい。
それを聞いた俺はただの面倒ごとだろうと覚悟し部屋に入り、話を聞くことにした。
「はじめまして、相談屋のソウと言います。すみませんがお名前と、身分証を提示してもらえますか?」
「はじめまして、この街外れに住んでるカスミと言うものです。職業は自営業で定食屋をやっています。」といい身分証を提示して来た
身分証というのはカントリーギルド(国政によってつくらえた謂わばハローワークの様なもの)が発行しているその国の者であるという証である。これには今まで行われた勲章や犯罪経歴が乗っていて他国でも適用される便利な物である
「、、、確認できました。で、ご相談というのはなんでしょうか」
「はい、実は私の旦那が浮気をしていましてどの様にすれば帰って来るのか、、、というのも浮気の事実もまともに出来てなくてどの様に立ち回ればいいのかわからなくて困ってるんです。」
「カスミさんがその旦那さんを浮気と疑う根拠はなんでしょう?」
なにか思い当たる節でもあるのだろうか?
「恋人の糸というのはご存知でしょうか?」
「あの恋人同士でとある魔術式を唱える事でお互いにしか見えない糸が指と指で繋がり、それが繋がり続けている限りお互いの居場所を知ることが出来ると言った物でしたっけ?」
「そうです。それを結んでいる所を見たという人がいらっしゃって、その夜問い詰めてみたんです。そしたら次の朝には夫の部屋はもぬけの殻だったんです。」
「なるほど」
恋人の糸というのはその名の通り良く恋人同士でする儀式があり、それをする事でお互いの場所を知れる便利な儀式だ。だが別に恋人でなくてもいい。闇取引にだってよく使われる。その恋人の糸というのは淡い魔術で3日もすれば見えなくなってしまう。
なので、本来ならば3日に一回繋ぎ直す必要がある。
この話で行くと闇取引がバレた為
闇取引相手と糸を引いていたことがバレてしまい逃げた?
他にも考えられることはあるが一旦確認してから回答した方がいいだろう
「わかりました。回答はまた後ほどさせていただきます。少なくとも御二方の今後に関わる相談です。貴方たちのためになれる回答をさせて貰うために少し調査させていただきますがよろしいですか?」
「主にどの様な事を調べるんでしょうか?」
「まぁそうですね。ここニ週間の動向などでしょうか。色々データに残っているものもあるでしょうし。」
「でーた?」
「所謂、情報というものですよ。あぁ後奥さんにも色々お尋ねすることがあると思います。その時はご協力下さいね」
女性は肯定の意思を示し相談会は御開きとなった