「ガルダ」
「ガルダ」とは、日本の競技かるたから派生したスポーツである。
競技かるたの試合中、追い詰められたある選手が「相手の手を潰せば、もう札を取られないのではないか」と思い立ち、相手が札に手を載せた瞬間に全力で拳を振り下ろして粉砕骨折させ、その後の札を全て取り勝利したことから端を発している。試合後、その選手の「畳の上の格闘技ですから」という言葉は有名である。
やがてこの戦法が有効であると気付かれ始めると、主にボクシングなどの打撃系格闘技が選手にとって必修となり、中には空手の道着でかるたの試合に臨む者も現れた。また、プロのボクシング選手が競技かるたに転向するケースも多く見られるようになった。
しかしこれには問題があり、双方がこの戦法をとった場合、先に手を出した方が負けとなるため、当然試合は膠着してしまう。これを打開するため、日本かるた協会はこれを「ガルダ」という競技として新たに独立させ、新ルールを制定した。
「ガルダ」は選手を二種類に分け、札を取る「取り手」と、手を殴る「壊し手」の二人で勝負を行う。相手の手を破壊すれば「壊し手」の勝利、それを躱し続けて札を取り切れば「取り手」の勝利となる。当然「取り手」の方が高等な技術を必要とされるが、競技かるたの上位選手であれば、培った能力で勝利を収める場合も多かった。
やがて、競技かるたと「ガルダ」の双方で賞金王になる王者や、「怪我をしたくない」という理由で競技かるたのみに参加する選手、逆に「ガルダ」から格闘家に転向するケースなど様々見られ始めた。結果的に「ガルダ」は、競技かるたの選手と格闘家による異種格闘戦という位置づけがなされ、日本指折りの催しとして、各地で熱い戦いを繰り広げている。