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目が覚めたら。

久しぶりの投稿です。

遅くなりすみません。

「本当にごめんなさい。昔の夢を見てて、寝ぼけて、まだ夢の中だと勘違いしちゃってたの。」


夢から覚めて、速攻やらかしました。

いくら寝ぼけていたとはいえ、陽哉君と旦那を見間違えるとは。

あんなチャラ男間違えて本当にごめん。

てか、初めてとかいわないよね?

見た目子供のした事だし、ノーカンにならないかな?


「いえ。大丈夫です。少し驚いただけですから気にしないでください」

いやいや、陽哉君、喋り方おかしいから。

君、私に敬語なんて使ってなかったでしょ?動揺治ってないよ?

って、突っ込んじゃダメだろうな。

私は空気読むいい子ですんで、華麗にスルーします。


「というか、この状況はいったい?

わたし、どうやって部屋に戻ってきたの?」


とりあえず、疑問解消にはしる。

確か、最後に運び込まれた怪我人さん治すのに、ちょっと無茶して意識が遠くなったのは覚えてる。

あのまま、魔力使い切ってぶっ倒れて運ばれたんだろう。

ってのは分かるけど、なんで陽哉君が側にいるんだろう?


「希は、倒れた時、魔力切れ通り越して枯渇してたんだ。このままでは眼が覚めるのにどれくらい時間がかかるか分からないから、外部から魔力を供給してたんだ」


端的に説明してくれる陽哉君の言葉に納得する。

つまり、私同様、魔力量に余裕がある陽哉君や月乃ちゃんがその担当になってたって事かな?

お世話になりました。


「それで、どれくらい寝てたのかな?」

恐る恐る確認してみる。

「2日目の昼だよ」


思っていたより時間が経っていなくて安心する。

良かった一週間とか1ヶ月とか言われなくて………。


「言っとくけど、放っておいたら起きなかった可能性もあったんだ。今度から気をつけて、無茶しないでくれよ」

呆れた様な声に首をすくめる。

心配そうに顰められた眉を見てしまえば、反論の言葉も出て来ない。


「ごめんなさい。ありがとう」

2つの言葉を並べれば、フゥッと大きな吐息と共に眉間のシワが消えた。

「月乃も不安がってたし、体調の確認も必要だし、チョット声をかけてくるよ」


くしゃりと頭を撫でて、陽哉君が部屋の外に出て行くのを私はぼんやりと見送った。

と、いうか、衝撃で動けなかったのだ。


私が弱っている時や落ち込んでいる時、旦那はいつも私の髪を撫でてくれた。

小さい子供にする様な仕草に反発と安堵を同時に感じ、よく、複雑な気分になったものだ。


陽哉君の仕草が、それにそっくりだったのだ。


1つ1つなら偶然と思える。

だけど、陽哉君の仕草や声がふとした瞬間に旦那にかさなる。この、積み重なっていく偶然は、本当に偶然なのかな?


「………うん。訳わかんない。寝る」

混乱してごちゃごちゃになってきた思考回路に嫌気がさして、私は目を閉じた。

寝て、起きたらまた考えよう。


人はそれを現実逃避と呼ぶ、ってね。






そして、再び目覚めたら。

説教の嵐が待ってました。


だって、まさかこんな大事になるとは思わなかったし。

呼びかけてみたら力が使えちゃったし。


言い訳は色々浮かんだけど、みんなの顔色が明らかに悪く、なんだかやつれて見えたのに気づけば、何も言えず。

小さくなって、神妙に説教を受けましたとも。

うぅ。頑張った所だけでも評価してくれても良いのに。

言ったら、火に油を注ぎそうな気がして黙ってたけどさ。



まぁ、ね。

1つの命を救うのに、1つの命をかけてたら+−0で意味ないよね。

しかも、私、魔穴塞ぐ貴重な人材だしね〜。

……分かったから、そろそろ勘弁して。

泣いちゃうぞ〜。


大の大人数人がかりの説教は子供として、そろそろ泣いても許される気がしてきた。

だって、長いし。恐いし。しつこいし。

中身大人じゃん、って?

外見子供だと中身も引きずられるんです。そうなんです。そういう事にしてて下さい。


涙目うるうるしてたら、月乃ちゃんが取りなしてくれた。

天使だ。ここに天使がいる。

思わず抱きついた私は悪くない、と、思う。




「でもね。本当に心配したんだよ?」

「はい。ごめんなさい。月乃ちゃんも魔力分けてくれたんだよね?ありがとう」

ベッドに座ったままのティータイム。

付き合ってくれてる月乃ちゃんに改めてお礼をいえば、ふんわりと笑顔が返ってきた。


「どういたしまして。役に立てたみたいで良かったよ」

笑顔に癒されるなぁ〜。

ほのぼのしながらお茶を飲んでると、陽哉君が合流してきた。

なんか、大人な話し合いがあったらしい。

ゴメンね、本当に大人な私が役立たず化してて……。






で、展開早いなぁって、思うなかれ。

現在馬車に乗って移動中です。

どこにって?

聖剣が封印されてるという古城に向かってデスよ。


私がへばってる2日の間も、魔獣被害は増え続け、どうにもマズイ状況らしく。

とりあえず、行けるところまでは馬車に乗っけてでも先に進もうって事になったそうだ。

本当に切羽詰まってる感が半端無いね。



ちなみに馬車の中には私と月乃ちゃんが乗ってます。

陽哉君は馬に乗れるそうで、騎馬隊の中に組み込まれ、月乃ちゃんも一応乗れるらしいけどお尻痛くなるからってコッチにいる。けど、コレって私に気を使ってんだろうなぁ。


しかし、双子は本当にハイスペックだね。

どんな育ち方したらこうなるんだろう?

え?私が言うなって?



そういえば、今回の護衛をしてくれることになった中隊の隊長さんは、この間助けたひとだったそうで、お礼を言われた。

流石に無くなった片手の再生までは出来なかったみたいで、義手になってたけど。


元々片手剣の使い手だったから戦闘能力的には何の不自由も無いらしく、貴方にもらった命だから、と、名前と剣を捧げられちゃいました。

アリアス=ショーン。平民ながら中隊長を勤めるほど優秀で部下の信頼も厚い人らしい。

今回の負傷は逃げ遅れた子供と母親を庇っての事だったそうだ。


本来剣を捧げる行為は、王や国に対して行う誓いだそうだけど、今回はたっての願いで特別だそう。

映画のワンシーンみたいで、チョットときめいたのは秘密。

旦那一筋ですから。





ガタゴトと馬車は進む。

ゴムのタイヤなんてこの世界にあるはずもなく、ダイレクトに道の凸凹がお尻に伝達されるのが、地味に辛い。

申し訳程度にひいてあるクッションじゃほとんど吸収されないし。

馬に揺られるのとどっちがマシなんだろう?


なんて、のんきに考えてられたのは幸運だったんだと、その時になって気付いた。



ソレは、突然やって来た。

音もなく忍び寄り、気付いた時には囲まれていたんだと思う。

この馬車、窓も小さいから外が上手く見えないんだよね。


最初に気付いたのは、嫌な感じ。

どこかで馴染みのある感覚に首を傾げ、次の瞬間、思い出すと同時に叫んでた。

「何か、悪意あるものが来ます!」


それは、祖父が依頼された魔祓いにこっそりついていった時に感じたものと酷似していたのだ。

私の声に反応して、馬車を護衛していた騎士達がざわりと騒めいた時、何か黒い影が飛来した。


「総員戦闘態勢につけ!飛竜だ!」

アリアスの声にガチャッと剣を構える音が響く。そして、次の瞬間。


キエェェェ〜〜!!


高音の叫び声と共に何かがぶつかり、争う音。

月乃ちゃんが緊張したように体を強張らせた。ジッと馬車の扉を睨みつけている。


耳を澄ませても、何が起こっているのか良くわからない。

何かあった時には、馬車のの外には出ないように言われてる。けど、もどかしい。


それに、外には陽哉君もいる。

恐らく、みんなと共に戦ってるんだと思う。

「月乃ちゃん、出よう」

「……でも、」


「大丈夫。結界張るから、怪我なんてしないよ。力があるんだから、使わなきゃ。守られてるだけなんて、性に合わない」

迷う背中を押すように言葉を重ねる。


「それに、今この瞬間にも仲間がピンチになってるかもしれない。そんなの、後で知ったら絶対後悔するもの!」


「………分かった。いこう!でも、1つだけ約束して。絶対、単独行動しないように。陽哉やみんなも心配だけど、希ちゃんのことだって心配なんだから!」


力つよい声に押されるように頷くと、ニコッと笑われた。

「じゃ、行こう」

大きく息を吸って、吐いて。

バンッと勢い良く馬車の扉を開けると、そこは戦場だった。



飛竜、という声が聞こえたから空から来るものを想定してたら、それだけじゃ無かったらしい。

鋭い牙を持つイノシシの様なもの。毒々しい模様のヘビ。真っ黒な狼?

普通の獣と違うのは、それらが皆、人と変わらぬほど巨大で毒々しい赤い眼をしている事。


幸い、統制は取れていない様でてんでバラバラな攻撃に、さほど苦戦は強いられていない様だ。


だけど、偶に放たれる魔法での攻撃が大変そう。

後、ヤッパリ空からの攻撃が厄介で基本、魔法で撃ち落とすしかない様だけど、プテラノドンの様な姿の魔物はすばしっこくなかなか当たらないのだ。



「月乃ちゃん、あれ弓で射れる?」

「たぶん、いけると思う」

目視して、月乃ちゃんが頷く。

「じゃ、地上の魔物はお任せして上を狙おう」


まだ、敵はコッチには注視していない。

味方も、まさか出てくるとは思ってないのか、誰も気づいていない……あ、陽哉君を発見

。ビックリしてるけど、イノシシ型魔物に突撃されコッチに来る余裕は無さそう。

その間に、2人協力して……っていうか、先に登った月乃ちゃんに引っ張りあげてもらって馬車の屋根に立つ。



先ずは……。

『光の膜、我らを包みて敵の悪意をはじけ。シールド、展開』

囁きと共に私と月乃ちゃんを中心にドーム状に薄く発光する膜が現れる。

声も視界も風すら遮らない。ただ、こちらを害しようとする意志の乗せられた攻撃だけを遮断する光の膜だ。


月乃ちゃんが素早く弓に矢をつがえ狙いを定める。

「闇の力よ、こを覆い隠し敵を射ぬけ。ミッシング-アロー」

矢が黒い闇に包まれたかと思うと、放たれた瞬間消えた。



月乃ちゃんの視線の先、一頭の翼竜が堕ちる。

「よしっ!」

小さくガッツポーズをとり、月乃ちゃんは素早く次の矢をとった。

凄い。本当に隠匿の魔法使える様になったんだ。


突然見えない攻撃が襲って来れば、回避は難しい。

しかも、魔法で攻撃してるのではなく、矢に隠匿の魔法をかけているだけだから使用する魔力は攻撃魔法に比べ微々たるもの。魔法感知もしにくいんだろう。

面白い様に翼竜に当たっていく。

勿論、月乃ちゃんの弓の腕が凄いのが前提だけど。



流石に、こちらの存在に気づいた翼竜から、電撃が飛んでくる。

けれど、光の膜に触れた瞬間、それはあっけなく消えた。

実験なしのぶっつけ本番だったから実は少しドキドキだったけど、なんとかなって良かった。


空からの攻撃がなくなった事で、戦況はかなり有利になった。

攻撃魔法は光には無いため、結界を維持しつつ高みの見物をするしか無い。

横では、月乃ちゃんが今度は地面の敵に目掛けて無双してる。

ちょっと、自分の役立たずな感じが否め無いけど、しょうがない。

コレが終わったら、怪我人さんの治癒に勤しもう。



上から見る限り酷い怪我をしている人もいないみたいで一安心。

急な出発だったのに、優秀な人をつけてくれたんだなぁ。


王様、本当は自ら来たそうだったけど、流石に自分の立場を考えれば自重したみたいで、代わりに近衛をつけようとしてたんだよね。

それも、断ったらしょんぼしてたけど、王様から近衛を離したら駄目でしょ。



「希!馬車の中にいろと言ったのに!」

ボンヤリとしてるうちに戦闘も終息したらしく、陽哉君が駆け寄ってきた。

あれ?怒られるの私だけ?月乃ちゃんは?


「ちゃんと、危険の無い方法かつ、役に立ったんだし、怒んないでよ」

隣から月乃ちゃんがフォローと共に身軽に屋根から飛び降りた。

後に続くか迷っていたら、陽哉君が手を差し伸べてくれたのでありがたくかりる。

けど、今度は馬上の人になっちゃったよ。


こっからはどうやって降りようかな?

迷っていたら、グッと引き寄せられ陽哉君のまえに横座りで安定させられた。

「とりあえず、このままここから少し離れたところで野営する。怪我人の治癒をそこで頼めるか?」


戦闘の名残で地面が抉れてたり、木が焼け焦げてたりする場所じゃ落ち着かないよね。

「了解です。………馬車に戻らなくて良いの?」

そのまま、先導の騎士さんについて動き出す陽哉君に首をかしげる。


「とりあえず、このままで良い。もともと予定してた野営地が直ぐそこらしい」

視線は前に据えたまま、答えが返ってきたけど………少し、お怒り?


チラリと横目で月乃ちゃんを見れば、馬車の御者台に座って両手を合わせられた。

あ、ヤッパリこれはお怒りなのね?そして、私は生贄?月乃ちゃん、ヒドイ。



結局、野営地に着くまで、無言の怒りの波動に晒されたまま移動と相成りました。

本当に近くで良かったよ。










……戦闘シーン、書けません。

難しい。

今回、高みの見物でごまかしちゃいました……が、次こそは。もう少し強い敵を。そして、ちゃんとした描写を!

…………頑張ります。


読んでくださり、ありがとうございました。

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