お布団を干そうと
私は自他共に認めるだらけた人間である。
お菓子を食べ、ゲームをし、面倒くさい事は後回し、他力本願が座右の銘
自分の好きな事を自分の好きな気分でやる。
そんな能天気でマイペースに生きてきた人間である。
今日は我が相棒である、お布団を太陽さんの力を借りて、浄化してもらおう。
お布団を干す事は健康にもいいし、なにより干し終わったお布団は寝心地が最高なのである。
それを想像して気分が高鳴った私は、お布団を持ちベランダに行くためにカーテンを開けると、私は驚きと困惑で固まっていた。
そこにはいつもの、見慣れた景色、都会であらず田舎であらずの中途半端な町並みではなく、見知らぬ自然に囲まれた集落が広がっていた。
私が寝ていた間に町が変わったのだろうか。
だが流石にありえないとこの考えを捨てる。
5年そこらでも町が変わることは滅多にない。
そもそも流石の私にもそんなに寝る事は
事故等の原因が無いと無理である。
ではまだ夢なのか。夢ならまだ説明は出来る。
夢なのだから何があっても不思議ではない。
昔、ある学者が、
「夢は脳が過去の記憶を整理している。」
なんて言っていたが、私はこの考えは少し間違っていると思う。
私が過去に見た夢ではゾンビに襲われたり、空を飛んだりと、現実ではありえない事があるからだ。
でも夢にしては感覚、思考、なにより常にある眠気がある。
夢でもそんな事ありえるのか。
答えは否である。
いくら私でも夢で寝ようとしたことはない。
では何なのか。
異世界、それなら説明ができる。
だが異世界とはいえどんな世界なのか。
よく小説で異世界はファンタジーが描かれる。
この世界もそうなのだろうか。
もしくは恋愛ゲームの中だろうか
最近、その方向でも増えてきている。
とりあえず何を考えても分からない。
分からないというのは今現状において危険である。
だが私はあえてこう行動する。
この世界調べるのは後にして、少し寝よう。
調べるのは別に昼からでも出来るしね。
干すために持ってきたお布団を、敷直して私は目を閉じ意識を落とした。