表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争~日本の歩み~  作者: Venus
対馬海賊船出没事件
7/18

海賊船との接触

西暦2025年 日本標準時3月15日



 最初に異常を感知したのは、いつもよりも厳重な警戒をしていた海上自衛隊レーダーサイトだった。衛星が使えないため、感知できる範囲が狭い。しかしそれでも対馬に近付いている不審船を発見するには十分だった。


 その報告は防衛省を通じ、海上保安庁の知るところとなった。






「船長!対馬防備隊より入電です!。領海に不審船アンノウンが接近中!」

 情報表示端末には対馬周囲の海に不審船が少しずつ近づいてくるのが表示されていた。

「了解だ。海上保安庁巡視船あたご、これより臨検に向かう」

 言ったのは厳つい顔をしている男性。船長の森口だ。

 海上保安庁では海上自衛隊とは違い、艦長とは呼称しない。


 パトロール中だった海上保安庁巡視船『あたご』はすぐに対馬海域に向ってくる不審船アンノウンの方に舵を取った。


 


 一方で、森口は疑問を覚えた。

(船の進む速度があまりにも遅くないか?救助は要請されていないようだが………)




 元々、領海侵犯を警戒していた海上保安庁の巡視船あたごは、すぐに不審船アンノウンに近付いていった。

 そして、不審船アンノウンが領海に侵入していくと同時にその正体が明らかになっていくと同時に、巡視船内では目を見張る者が続出する。当然、森口も自身の眼を疑っていた。


「何だ、あの船は!?」

「どういうことだ?木造船だぞ?」

「進む速度が遅すぎるとは思ったがエンジンもねぇのか?」

「……やべぇ、帆船だ……あんなので進むのか……?」



 森口は驚きを隠すのに努力を要した。

「だまれ!」

 そう叫んで、海の警察官たちに冷静になるよう心の中で呼びかけた。




 森口はすぐに指示した。


『―――――――――こちらは日本国海上保安庁である。貴船には日本国領海侵犯の疑いがある。速やかに領海外へ進路を変更し、日本国領海より退去しなさい』

 拡張された声が辺りに響く。

 穏やかな海の上では、海賊船とその斜め前方に位置していた巡視船が睨み合っている。


 海賊船が前進するにつれ、緊迫する声。

『―――――――――This is Japan Coast Guard. You have a suspicion of the invasion of Japanese territorial sea. Change the course to the out of territorial sea immediately and leave from territorial sea of Japan.』


 日本語の英語の他、中国語でも警告を続ける。

『―――――――――这是日本海上保安厅。你有入侵日本领海的嫌疑。立即改变路线到了领海。从离开日本领海。―――—――――이쪽은 일본 해상 ​​보안청이다. 귀선은 일본 영해 침입 혐의가있다. 즉시 영해 밖으로 진로를 변경하고 일본 영해에서 퇴각하십시오』

 韓国語や手旗信号などでも三回以上警告した。しかし不審船アンノウンは停止しなかったため、威嚇射撃した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ