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プロローグ
外には土砂降りの雨が降っている。
ある塔の一室。模様の描かれた床の上に置かれた赤ん坊と、泣きながら祈る女性が一人。
「……ごめんね………本当に………ごめんね……ごめんね……」
祈りの姿勢のまま、女性は謝り続ける。
赤ん坊は眠っているのか、声一つあげない。
そこに、一人の男性が部屋に入ってくる。
その手に握られているのは…
「それは……人形……?」
「少しでも、この子を守ってあげられたら…と思ってね。」
男性は人形をそっと赤ん坊の横に置き、女性と共に模様から離れる。
女性が何かを呟くと、模様が少しずつ光り始める。
その光と共に、赤ん坊と人形も見えなくなっていき―――――