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古くなったビルが撤去されて、金色の龍神の通り道が復活したんだ。

作者: 健野屋文乃
掲載日:2026/10/13

金色の龍神は、感の良い人には見えるくらいになっていた。

食物連鎖の頂点にいると思っている人にとって、その巨大な金色の龍神の姿は衝撃を与えた。


古くなったビルが撤去されて、金色の龍神の通り道が復活したんだ。

僕は空を飛んでいく金色の龍神を見上げていた。

でも、僕の親友は愚痴った。

「だから何?お小遣いも上がらないし、急にモテるように成ることもなく。

勉強が出来るようになるわけでもなく、リア充に成れる訳じゃない」


親友はそう言いながらも、金色のソースが入った金色龍神バーガーを食べていた。僕もだが。「金色にすりゃー良いのか?」とは思ったけど。


「そうだけど」

「龍神が僕の前に現れて、素敵なアイテムをくれたり、願いを叶えてくれるなんて事はない。何かが変わった事なんて一度もなかった」


親友がなんか失望しているので、僕は僕なりのあらましを話した。


「壊される前のビルのちょうど龍神が通る高さの所に、託児所があった。

小学校に入る前の僕は、その託児所に預けられていた。

窓の外を見ると、金色の龍神が通れなくて困っていた。

僕はその龍神と何度か目が合った。

『通してくれないか?』

と龍神に言われたもんだから、僕はつい

『いいよ』

と返事をしてしまった。もちろん僕にそんな権限はない。

小さな幼稚園児に過ぎない。

でもね、その後、大人たちが騒がしくなって、撤去が決まり撤去された。

龍神が言うには、僕が『いいよ』と言ったのが始まりだったって。

僕が人間の代表だったんだって」


「意味解らない」

「そう世の中は意味が解らない事だらけなんだ」

「そう」


中3になった僕らは、真上を飛ぶ金色の龍神を見上げた。

金色の龍神が僕に気づくなんて事は、なかったけど。


そして人は、金色の龍神を空を飛ぶ大きな鯉ぐらいにしか、思わなくなっていった。


でもね、心を病んでいる人の数は激減したって、専門家のブログに書いてあった。



おしまい


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― 新着の感想 ―
こちら好きです(ᵔᴥᵔ) 金色の龍が困っているの、可愛いです。龍神が通っても普通の暮らしであることも、なんだかリアルでいいですよね(*゜▽゜*) しかもやはり御利益もあるようで˚✧₊⁎ タイトルにも…
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