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結語
世界は壊れ続ける。
それでも、世界は続いていく。
壊れることを恐れず、
壊れたものを捨てず、
壊れたまま抱え続けるための技法を、
私たちはもう一度学び直さなければならない。
沈黙の深さを聞き取り、
痛みの重さを抱え、
時間の厚みを受け止めること。
そのすべては、
文明が自らの重心を取り戻すための、
静かで確かな営みである。
軽さは、世界を動かす。
重さは、世界を支える。
文明とは、
その両方を抱え続けるための構造をつくることだ。
そしてその構造は、
巨大な制度や壮大な理念から始まるのではない。
あなたが今日、
ひとつの違和感を手放さずに抱え続けること。
ひとつの沈黙を尊重し、
ひとつの傷を見捨てず、
ひとつの灯火を守り抜くこと。
文明は、
そのような小さな重さの連なりからしか
再び立ち上がらない。
どうか、あなたの手の中の灯火を絶やさないでほしい。
それが、次の文明の最初の光になる。




