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人類の脅威であるアビスを殲滅するために、僕はアビス王と契約する~信用させて、キミを殺す~  作者: 夜月紅輝
第2章 怠惰の罪、それは愚か者の証

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第60話 シェナルークの降臨、そして「傲慢」と「怠惰」の激突#1

 ライカから放たれた銃の一撃。

 ノアが決死の覚悟で生み出した隙を突くその一撃は、リュドルの肉体に直撃した。

 にもかかわらず、その後に視界に映る光景にライカは息を詰まらせる。


「.......嘘、だろ」


 痺れた声から喉から絞り出したようなライカの声が、波紋のように広がる。

 その光景を同じく見つめるアストレアも目の前の光景に目を疑った。

 それもそのはず、リュドルの肉体が未だ消えず残っているからだ。


 左上半身が大きく欠損し、そこから頭部にかけて削り取られたようなリュドルの肉体が立ち尽くす。

 つまり、本来なら核に向かって一直線に駆け抜けるはずの弾丸が、外部からの干渉により無理やり軌道を斜め上に曲げられたということだ。


 その結果が示すのは、リュドルの核破壊には今一歩届かなかったということ。

 それが、ライカとアストレアに突きつけられた現実だ。


 そんなあまりにも残酷な結末に、ついにライカもその場に崩れ落ちた。

 地面にぺたんと女の子座りし、受け入れがたい現実に口をぽかんと開け、固まる。

 少し遠くにいるアストレアも指一本動かせる状況ではなく、悔しさに顔を歪ませた。


――ゴーン♪


 そして、戦闘終了の合図を告げるように、リュドルの背中が鐘の音を告げる。

 四回目の鐘が響き、その音を聞いた二人はスッと抵抗も無く眠りに落ちた。

 まるで初めから戦闘など何も無かったように、穏やかな表情で寝息を立てて。


「本当に死ぬかと思った」


 口元まで再生し、そこでリュドルがようやくホッと安堵の息とともに呟く。

 それから完全に再生しきると、右手で首を掴んでいるノアに視線を向けた。


 散々手こずらされた弟であるが、さすがに鐘の音で寝てしまったようだ。

 いや、寝てもらわなければ困る。

 次の鐘を聞いてしまえば、死んでしまうのだから。


「にしても、本当に面倒だった.....」


 実際、先の攻防は本気の本気で死を覚悟した一瞬だった。

 後少し<超重力圧縮(グラビトン)>を上向きにかけるのが遅ければ、今頃核は破壊されてただろう。


 それぐらいの怒涛の連続攻撃であり、今も昔もここまで肝を冷やされたことはない。

 一体どこから作戦だったか、それはわからない。

 だが、どうやってあの一連に繋がったかは想像がつく。


「まず前提として、自分があまり戦闘を得意としていないことが見抜かれていたなぁ。

 どういう動きがキッカケでそう勘づかれたのかは定かじゃないが、そうとしか判断できない作戦であったことは確か」


 それを踏まえて考えると、あの結果に至る作戦の始まり。

 いや、作戦立案のキッカケはやはりあの一撃だろう。


「ノアが氷のショットガンで攻撃した時、その時の印象を逆手に取られた」


 誇張でも何でもなく、今まで自分が死を実感する戦いなど一度も無かった。

 そもそも、ここまで自分の戦いで耐えられたのが初めであり、どうすればいいのかわからなかったという方が正しいか。


 だからこそ、自分の存在を殺し得る脅威に直面し、自分の意識はそれに囚われた。

 そしてその印象を利用して、ノアは作戦を実行した。


「恐らく、ノアが持っていた二つの銃は一つに統合できるし、分けて使うことも出来るのだろう。

 でなければ、ノアが持っていたショットガンが二口から一口になっていた理由に説明がつかない」


 最初、ノアが二口のショットガンで攻撃してきた時は、それで自分を仕留めるつもりだったのだろう。

 しかし、その攻撃は失敗に終わり、逆に自分に警戒されるものとなった。


 ノア達からすれば、あの一撃こそが自分を倒すための切り札であり、絶対に当てなければ一撃。

 それがわかったからこそ、その一撃さえ気を付けていれば、自分は死なないと考える。


 実際、そう考えていたし、ノアがショットガンを抱えて突っ込んできた時は、いくらノアの仲間達から妨害されようとノアの攻撃を優先して防ごうと考えていた。


 しかし、それ自体がノアの作戦だったのだ。

 自分が黄色髪の少女と水色髪の少女から一撃を貰うキッカケになった時のように、再びノアは自分を囮にした。


 その結果が黄色髪の少女が握っていた銃の一撃だ。

 あれを回避できたのは奇跡と言っていい。

 正直、自分で自分を本気で褒めてあげたいほど。

 いや、褒めるのであれば、最後まで生き足掻いたことか。


「何百年と生きてきたオイラが、まさかここまで生に執着する日が来ようとは。

 めんどくさがりなオイラから考えれば、実におかしな話だ......疲れたぁ」


 アビスである肉体に、疲労感というもの存在しない。

 それでも、その言葉が出たのはクセであるが、本当に精神的に抱えた疲労によるかもしれない。


 ともあれ、この場で戦えるものは全員、鐘の音によって眠りについた。

 つまり、これ以上の戦闘は無く、自分は最良の弟妹を手に入れたという最高の結果に至ったわけで。


「あ、忘れないうちに悪辣天輪の効果を切っておかなければ。

 うっかり殺してしまったでは、さすがのオイラでもかなり落ち込むだろうし――」


「――おい、愚鈍(ノロマ)。いつまで我の首を掴んでいる?」


「は?」


 意識を背中に向け、<悪辣天輪>の効果を切った直後、無理解の声が聞こえた。

 その声に導かれるままに視線を動かせば、右手の先にいるノアの顔――紅い双眸と目が合う。


 瞬間、魂が抜けるような衝撃を感じた。

 胸部から感じる圧力に体が吹き飛び、地面の上を跳ねていく。

 あまりに一瞬の出来事に、思考は一瞬真っ白に染まった。


 そのまま遅れて思考に意識が追い付くと、転がる地面から立て直すリュドル。

 なんとか片膝立ちになり、違和感を感じる右腕に視線を向けると、


「なっ......!?」


 ノアの首を握っていた右腕は、肩から引き千切れていた。

 つまり、先の衝撃によって右腕が欠損したということだが、一体何がどうして。


 原因を探るように胸部を見れば、黒色の鎧にくっきりと足跡がついていた。

 鋼鉄をも遥かに凌ぐ強度であり、よっぽどのことでは壊れない鎧が、だ。


(何も.......見えなかった)


 それどこか、結果を見るまで何もわからなかった。

 いや、正直、結果を見た後で頭がごちゃついて整理が追い付かない。

 ただハッキリしてるのは、ノアが起きてるという結果のみ。


 再び襲い来る無理解の波に、リュドルは眉根を寄せる。

 レベル4の鐘の音は、絶対に常人には起きていられない領域だ。

 一度眠りにつけば、ほぼどんなことが起きても起きることはない。

 それこそ、自分が干渉して眠りを取り除いてでもしなければ。


 にもかかわらず、ノアはその常識の埒外にいる。

 というか、先ほど確実に眠った所を見たのに、どうしてあの状況から起きていられるのか。

 その答えを得ようと、リュドルが正面に目線を向けた時、緑の双眸が大きく開かれた。


「実に不愉快だ。まさかアレほど大見得切っておきながら、この体たらくとは」


 いつの間にか吹き飛ばされた視線の十数メートル先、そこには平然と立つノアの姿がった。

 不快感を顔に表したノアは、首もとにあったリュドルの腕を投げ捨てると、そのまま手で首にできた火傷の跡に触れ、


「それに、我の肉体にこのようなに傷をつけるとは。

 ハァ、あの小僧に少しでも期待した我が愚かだったか?

 いや、期待などはそもそもしていないか。ただの享楽の一つだ」


 ノア、否、違う。アレはノアの姿をした何かだ。

 その何かがノアの肉体を操り、そうブツクサと苦言を吐いている。


 それを示すように、ノアの額には藍色で逆さ天使のような模様が浮かび上がり、両目には赤いティアーズラインが伸びていた。


 あんな顔の模様は、先ほどのノアに出ていなかった。

 つまり、何者かが自分の弟の肉体で悪さしているということ。

 それは兄として実に由々しき事態だ。早急に解決しなければいけない問題。


 その意識で思考をロックすると、「面倒」という言葉も飲み込み、リュドルは立ち上がる。

 そして、目の前で体のあらゆる傷を治癒させている何者かに問いかけた。


「誰だ......お前は?」


 ゆらゆらと立ち上がりながら、リュドルは睨みつけて尋ねた。

 その質問に対し、ノアらしき人物はリュドルを一瞥し、それから全快した手へと視線を戻す。

 そして手の感触を確かめた後、舐めたように両手をポケットに突っ込むと、


「貴様とこうして顔を合わせるのは一体何百年ぶりだろうな。

 しかし、我は貴様を覚えているというのに、貴様は我を覚えていないとは。

 それは傲慢が過ぎるぞ、愚鈍――それは我の領分だ」


「――っ!?」


 瞬間、魂が殴られたような衝撃が、リュドルの全身に響き渡る。

 喉が、手が、瞳が、魂が小刻みに震え始め、止まらない。

 正常に動き始めた思考が、目の前の存在に対して理解することを拒んでいるのだ。


 しかし、それでも理解した。

 どうして、ノア達についていた手の模様に不快感を感じていたのか。

 ノアの攻撃が自分に届く度、妙な嫌悪感が沸き上がっていたのか。


 そうだ、そうだった、自分は心底このガキが嫌いだったことを思い出した。

 加えて、先ほどの言葉からもハッキリしている。

 そう、コイツの名は――


「『傲慢』の.....シェナルーク=スペルビア!」


「様をつけろ、愚鈍。貴様に呼び捨てにされる筋合いなどない」


 瞬間、リュドルの肉体に重圧が降り注ぐ。

 思わず魂が跪いてしまいそうになる強烈な威圧に、肉体が僅かにかがんだ。

 自分とは違い重力魔法を行使したわけじゃないのに、言葉一つでこれだ。

 相変わらず、こいつだけ性能がわけわからない。

 しかし、もっとわからないのは――、


「シェナルーク、どうしてお前が生きている? お前は死んだんじゃなかったのか?」


 自分も詳しく知っているわけではないが、弟妹達から十六年前の話は聞いた。

 十六年前、新都市トルネラへと進行した『傲慢』のアビス王は、当時の最高戦力をかき集めた特魔隊によって倒されたと。


 であれば、目の前の存在は、自分を『傲慢』のアビス王と名乗る偽物か。

 いや、それはない。少なくとも、自分の魂が目の前が本物であると理解している。

 それに、目の前のがシェナルークであれば、色々辻褄がつくのだ。


「我があの程度で死ぬか。我は我だ。それ以上でも以下でもない」


「......なるほど、どうりでオイラの侵食領域が効きずらいわけだ。

 普通なら魔力を消費すればするほど、侵食領域はかかりやすくなる。

 にもかかわらず、オイラと戦ってきた連中は誰一人のその症状を犯さなかった」


 侵食領域、それは相手の体を犯す呪いの効果と言い換えてもいい。

 故に、その効果は人間に限らず、アビスひいてはアビス王にも届く。


 もっとも、アビス王同士に限っては、膨大な魔力量によって打ち消されるためほぼ関係ないと言っていいが。

 だたそんな中でも、『傲慢』のアビス王だけが例外だ。


「お前の仕業だな、シェナルーク」


「如何にも。それは我が侵食領域『不遜』の効果だ。

 我の侵食領域は、相手に傲慢の感情を増幅させる代わりに、防御力の大幅な向上とあらゆる状態異常や精神干渉を阻害する」


 アビス王が振りまく侵食領域は、ほぼ間違いなく人間にとって害と言っていい。

 その一方で、侵食領域にかかったものは一つの祝福が与えられる。


 それが侵食領域「不遜」であれば、「防御力の大幅な向上とあらゆる状態異常や精神干渉の阻害」だ。

 つまり、その効果でノア達は今までリュドルの侵食領域「不精」によるやる気や活力の減退、怠惰の増幅を打ち消していた。


 ちなみに、侵食領域「不精」の効果は、寝たり休憩したりしている間の回復力が増幅するというものだ。

 肉体の侵食値次第で回復量に差があるが、ノア達が数日で全快出来たのはその影響によるもの。

 とはいえ――、


「その回答じゃまだ腑に落ちないな。

 仮に、ノアが肉体を動かしていた時からその中にいたとして、どうしてオイラの睡魔は効いた?

 お前の侵食領域であれば、睡魔が無効化されるはずだ」


「それはあの小僧が未熟ものだからだ。

 彼奴は我の魔力を借りておきながら、まるで使いこなせておらん。

 だから本来、『無効』効果のはずが『耐性』に留まってしまった。それだけにすぎん」


「いつからお前はノアの体に入っている?」


「それを聞いてどうする? 今の貴様には至極関係ない話のはずだ」


 シェナルークからの理路整然とした言葉に、リュドルは一度口を閉じる。

 確かに、自分からすれば、ノアの肉体にシェナルークがいようと関係ない。

 ましてや、自ら問題を増やそうなどと、『怠惰』である自分がする行動じゃない。


 ただし、それも前までの自分ならの話だ。

 あいにく、ノアは自分が自分の弟にすべき最高の逸材だと認めてしまった。

 ましてや、弟にするためにこれまで苦労してノアを活かしたまま無力化したのだ。


 そんな弟を、兄である自分がみすみす見捨てろというのか。

 そんなものは兄でも何でもない。ただのクソ野郎だ。

 自分が兄であるならば、弟は何が何でも助ける。それが兄ってもんだ。


――ザザッ


 瞬間、脳内に僅かなノイズが走った。

 一瞬、見えたのは見知らぬ弟妹らしき二人組の姿。

 しかし、それも泡沫のように弾け、あっという間に記憶から消えていく。


(なんだったんだ、今のは? いや、そんなことは今はどうでもいい)


 頭に残る雑念を振り払うと、リュドルは目の前のことだけに集中する。

 今考えるべきことは、どうやってあのクソガキからノアを取り戻すかだけだ。

 相手が同じアビス王であれば、簡単にはいかない。それでもやるしかない。


「シェナルーク......ノアはオイラの弟だ。返してもらうぞ」


「......なるほど、それが貴様の()()か。

 相変わらず、甘いことだ。が、まぁいいだろう。我は寛容だからな。

 それに、我にも聞きたいことがある。それまでの戯れなら付き合ってやろう」


「お前が傲慢なこと言ったとしてもクソ生意気なだけなんだよ!」


 感情を激発させ、リュドルが地面を蹴る。

 爆発的な踏み込みは、一瞬にしてその場を砕き、粉塵に変えた。

 そんな推進力を生みだしたリュドルが一歩でシェナルークに肉薄し、二本の右腕を振り被った。


 そんなリュドルの攻撃モーションに対し、シェナルークは一切動かない。

 反応できてないのか、それともする必要もないのか。

 拳を動かすが、依然薄ら笑いを浮かべるだけでやはり動かない。


(何を考えてる、シェナルーク!)


 シェナルークの一挙手一投足に即座に反応できるように意識を向けながら、リュドルは引き続き攻撃を続ける。


 残り三十センチ――動かない。

 残り十五センチ――まだ動かない。

 残り十センチ――微塵も動く気配がない。

 残り五センチ――一体いつになったら動く。

 残り三センチ――いや、これは反応できていないのでは。

 残り一センチ――もはや避けられまい――


「――ぉ」


 拳が当たると確信した直後、目の前が真っ暗になった。

 何を言っているかと思うが、自分でも何を言っているのかわからない。


 しかし、それがありのままの事実であり、遅れて魂の核が理解する――上半身が爆ぜたのだと。

 腹部から感じ衝撃に肉体絵が耐え切れず、砕け散り、肉片がバラバラになったのだと。


 空を駆け上がる緑色の核、つまりリュドルの心臓が生身一つになっている。

 そこから黒い液体のようなものをドロドロと生み出すと、やがて肉体を形成し、完全再生。


 それから真下を見て、リュドルはようやく全ての状況を理解すると同時に、理解し難い現実への理解すら求められることになった。


(アイツ......蹴ったのか!?)


 眼下に見えるシェナルークの姿、まるでI字バランスでもするかのように綺麗に右足が上がっている。

 そう、リュドルが拳を当てるあの刹那で足を振り上げたのだ。いや、意味わからない。


 どう考えても避けれる距離感では無かった、防げる距離感では無かった。

 それでも、体に防御結界を張っていたとかならまだ理解できる。


 それどころかあのタイミングで反撃.......いやいや、それはさすがにあり得ない。

 そう思いたいが、シェナルークの位置が全く動いていないことが全てを物語ってる。


「さすが『怠惰』と言ったところだな。遅すぎて眠くなる」


「ほざけ――旋風刃」


 シェナルークの煽りに、リュドルが額に青筋を浮かべて返答する。

 それから真下に両手を向けると、自身の周囲からいくつもの円形のノコギリを作り出す。


 空気を斬り刻みながら高速回転させるそれを、いくつもシェナルークに向けて投下。

 仮に鋼鉄の人体があろうとも一刀両断する刃が弾幕となってシェナルークを襲った。


 そんな死の斬雨の中からまるでアイススケートでもするように、するりと粉塵を纏わせシェナルークが飛び出す。


 その後も、追撃するように<旋風刃>を出すが、まるで風の刃の方から避けているように当たらない。

 少なからず、ノア達に対して手加減して張った一発とはわけが違う。

 本気の威力で、本気の弾速を持つ刃が掠りもしないのはさすがにおかしい。


「絶対に何かしてるはずだ!」


 距離を取ったシェナルークを追いかけ、リュドルは空中に風の足場を作って蹴る。

 すぐさま標的の頭上を取ると、そのまま急降下し、両手を握りしめたハンマーを叩きつけた。


 周囲十メートルは軽く凹ませ、地面を隆起させる威力であったが、異常な反応速度で躱される。

 しかし、そこまでは想定内だ。だから、今度は絶対に逃げられないようにするまで。


引愚空圧(イングラム)


 咄嗟に左副腕を伸ばし、そこから引力の力場を形成。

 対象を視線の先にいるシェナルークに設定すると、掌に吸いつけるように引き寄せる。

 すると、シェナルークは避けもせずその掌に吸い付いた。

 これでもう逃げきれない。そして、ここから自分も加速して殴れば、今度こそ――


「どうした? 手品が味気ないぞ」


 右副腕の拳がシェナルークの顔面を殴り飛ばす瞬間だった。

 まるで宝石のように純粋で透き通った紅い双眸が、リュドルの両目を射抜き――世界がブレた。

読んでくださりありがとうございます(*‘∀‘)


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