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第25話 調査開始、そしてアビゲイルの襲撃#2

 正面、距離二百メートルほど先から見える一機の人型武装兵器(アウトランダ)

 悪路を走るというよりは、ローラースケートのように滑り、特魔隊へと迫る。


 その速度は一般的な車か、それよりも少し早いというぐらいで、その走行音に引き寄せられたアビス達が集まってくる。


「総員に告ぐ。この周辺に、ドッグタグを持った傭兵の死体がある可能性が高い。

 また、生き残った傭兵がアビス化した場合もな。

 俺とクルーエルを除くS級は三部隊に別れ、散策。

 残りのA級はその場で待機だ。行動開始!」


「「「「「了解!」」」」」


 マークベルトの指示に、S級隊員達があらかじめ組み分けを決めていたかのように一切相談せず三部隊に分かれた。


 そして、号令とともに、彼らは一斉にその場を離れていく。

 一方で、マークベルトは振り返って、ノアを含めたA級隊員達を見た。


「A級隊員のお前達をここで消費するのは早い、力を温存しておけ。

 ここからの戦いは激しさがより一層増すからな、そん時にお前達の力を当てにする。

 だから、ここは.....クルーエル、頼めるか?」


「そうね。燃費の悪いあなたもむやみに魔力を消費できないしね。任せて」


 マークベルトの方を見て、クルーエルは頷いた。

 視線が襲いかかる大軍に向くと、彼女はゆっくりと歩き始める。

 そんな彼女と、彼女越しに突撃してくるアビスの集団を見て、ノアは口を開いた。


「数は軽く百体ぐらいいそうだ。

 しかも、その一体一体の強さがかなりの強さを持っている。

 マークベルトさんと同じ代表だから心配はしてないけど......本当に手伝わなくていいのかな?」


「安心して。何も問題ないわ。むしろ、邪魔になると思うから」


 マークベルトの指示があるとはいえ、憂慮の念が浮かぶノアに隣からアストレアが答えた。

 そんな傍らにいる彼女をチラッと見れば、口角が上がっている。

 これから見せるであろう姉の活躍を思い浮かべ、誇らしく感じているのだろうか。


「ありがとう、カナ。隊員位置座標を把握。

 並びに、アビスの位置及び規模を把握。

 なら、このぐらいでいいかしら―――雪園」

 

 ノアが観察していると、オペレーターから情報を受けたクルーエルが動き出した。

 武器も出さず、左手をサッと軽く払うと、手のひらから太陽光に照らされキラキラした粉雪を舞い散らせる。


 直後、地面に落ちた粉雪が氷結し、瞬く間に扇状に路面を支配した。

 陽光で煌びやかな一瞬の銀世界、いや、これは――


(氷の花園......)


 目の前の光景を見て、ノアは内心でそう思った。

 そこに広がるのは氷の地面に咲く、たくさんの半透明な花。


 荒廃的な光景を背景に広がる氷の花園、なんとも前衛的な絵画を見ているような気分だ。

 もっとも、その美術的価値観を見出せる光景の割には、効果はだいぶ凶悪のようだが。


「グギャアアア、アア......ア」


 氷の花園に足を踏み入れたアビスが、一斉に足元から凍り付く。

 その氷は下半身、胴体、首、そして頭と、あっという間にカチコチにしてしまった。


 それだけではない、生み出された花が茎を伸ばし、食虫植物が捕食するかの如く対象に絡みついて、これまた凍らせていく。

 これまた前衛的なアビスによる氷の彫刻の出来上がりだ。


―――ギィイイイイイ!


 そんな中、人型武装兵器(アウトランダ)が氷の束縛を振り切って、勢いを殺さず猛然とクルーエルに突撃する。

 凍ったアビスがそれに轢かれ、バラバラに砕け、周囲に飛び散った。


「ギュイイイィィィン!」


 エンジンをふかせ、人型武装兵器(アウトランダ)が右手を構える。

 瞬間、手の甲からいくつもの小さな砲筒が現れる。

 さながら、ミサイルランチャーのような装甲部品だ。


 ババババババッと人型武装兵器(アウトランダ)が一斉にミサイルを撃ち出す。

 空中を飛ぶ殺意の火薬が白い煙を出しながら、クルーエルに迫った。


 どのくらいの威力があるのか定かではないが、対アビス用の武器である以上、当たれば間違いなく致命傷になることは予想がつく。


「蒼薔薇」


 明らかな危機が迫る中、心までも凍てつかせたように冷静なクルーエルは動かない。

 静謐な瞳で標的を見つめ、その場で右手を差し出したまま――指をパチンと鳴らす。


 それだけ。たったそれだけで、向かってくるミサイルに薔薇のような半透明な花が咲き、そのまま前進を凍らせる。


 凍ったミサイルがガコンと音を立てて地面に落ちるが、氷の膜が張られた影響で爆発せずに地面の上を転がった。

 それが全て、同時にして、一瞬で。


 最初は何が起こったかわからなかったノアだが、よく見れば空中がキラキラと輝いている。

 まるで小さな何かが光を反射してるように見えて、


「空中に氷の粉末が散布されてるの」


 目を凝らして見るノアの横からアストレアが解説してくれた。

 なんだかしゃべりたそうにしているので、このまま拝聴させていただこう。


「氷の粉末って?」


「さっきの<雪園>ってあったでしょ?

 アレはアビスの捕縛や凍死を狙ったものでもあるけど、もう一つがあの人型武装兵器(アウトランダ)の対策でもあるの。

 氷の花を生み出した際に、空中に氷の花粉をバラまき、飛んできたミサイルに触れた氷を収束させることで氷漬けにしたの」


 ということらしい。

 となると、今の一度の動作にクルーエルは三つの布石を打ったということになる。


 これが現青のパレスの代表にして、水氷最強のクルーエル=イーマルシャークの実力か。

 アストレアが自慢に思うのも納得の戦闘能力だ。

 しかし、クルーエルの戦闘はまだ終わっていない。


「ギュイイイィィィン!」


 遠距離攻撃が不発に終われば、すぐさま人型武装兵器(アウトランダ)が左手を軽く振り抜いた。


 瞬間、左手首付近から刃渡り二メートルほどのブレードが出現する。

 どうやら直接近づいてクルーエルを仕留める狙いに変えたようだ。


「あら、頑張るわね。でも、ここで終わりよ――白線」


 相手を讃えるような言葉は冷たく、クルーエルは変わらず向けた右手の人差し指を向ける。

 そしてその指先に魔力を集中させると、水を高圧縮させた水圧レーザーを撃ち出した。


 聞いたことがある、凄まじい圧力で放たれた水は鉄すら簡単に両断すると。

 そして、その聞いただけの知識の検証が目の前で行われようとしていた。


 大気を穿つような飛沫が荒廃した建物が立ち並ぶ通りを駆け抜ける。

 液体にして死の刺突が、一瞬にして人型武装兵器(アウトランダ)に肉薄。


 そして、分厚い装甲で覆われた胴体を貫通した。

 瞬間、切断性能を持った水が、クルーエルの指先一つで上に向かって傾く。


 鳩尾付近から真っ直ぐ頭頂部にかけて裁断され、直後、当たった箇所から機械の体がバキッと凍り付いた。

 人型武装兵器(アウトランダ)の上半身に白い線が生まれる。


 胸部か、はたまた頭部か、なんにせよ肉体を制御する機関が壊れた影響で、巨大ながらくたがしばらく切断された状態で滑り、やがて失速の後に地面へ前のめりに倒れた。

 これまた一瞬の出来事であった。


「......すごい」


「でしょ?」


 目の前の光景にただただ脱帽するノアの呟けば、すぐさまアストレアが反応した。

 普段表情筋に乏しい彼女の口角が上がる。

 なんとも珍しいドヤ顔がそこにあった。


「よし、これで安全確保できたな。

 それじゃ、三部隊が帰ってくるまでここで待機だ。

 アビスに関しては相棒(オペレーター)の情報を聞いて、適宜倒してくれ」


「「「「「了解」」」」」


 それから数分後、ちまちまとやってくるアビスをノア達が倒していると、三部隊が帰って来た。

 その三部隊から報告を受けたマークベルトは、すぐさま全体に声をかける。


「全体注目。たった今、一つ目の作戦目標が完了した。

 続いて二つ目の作戦目標に向けて、このまま先へ進む。

 だが、ここからはいつ死んでもおかしくない。

 加えて、瘴気の濃度も今以上に増すだろう。

 現状で少しでも隊長に違和感があれば報告してくれ」


 その時、一人の女性隊員が手を挙げた。


「隊長、わずかですが先程の行動中から体のだるさを感じます。

 疲労による可能性もありますが、念のため侵食値を調べてもよろしいでしょうか?」


「あぁ、構わない。すぐにやってくれ」


 マークベルトから許可をもらった女性がすぐさま専属オペレーターに状況を報告。

 それから、彼女は自身のチョーカーに手を当てると、魔力を流し始めた。


「......マークベルト隊長、並びにクルーエル副隊長。

 お二人にオペレーターから今の診断データを転送してもらいます。

 ご確認の上、判断をお願いします」


「わかった。送ってくれ」


 部下からデータを貰い、二人はすぐさまチョーカーから空中に映像を映し出した。

 空中に映し出される半透明の画面はノアにも見えるが、さすがに鏡映しになっていてはどんな情報かはわからない。

 もっとも、見ていいものかも怪しかったので、それとなく視線を逸らしていたが。


「見た目以上に侵食値が高いな」


「イエローゾーン一歩手前......いえ、このまま行けばすぐに心身に影響が出るわ」


 提出された結果に対し、マークベルトとクルーエルが眉をひそめた。

 先も言ったが二人が何を見ているか、ノアにはわからない。


 しかし、表情から良くない状況であることはわかる。

 と、その時、隊長と副隊長が目配せして頷き合った。


「.......念のためだ、今すぐ全員侵食値を調べてくれ」


「そして、データを全てこちらへ提出して。

 その後の指示はこちらで出すわ」


 鬼気迫る二人の指示しに従うように、ノアは侵食値を調べた。

 そのデータをオルぺナに二人へ転送してもらい、その後の結果を待つ。

 それから数分後、マークベルトが口を開き、


「......今から名前を挙げる者は、これ以上の行動は断念してここで待機だ。

 アイゼン、オマル、アルテウス、それから―――」


 隊員達の名前を挙げていくマークベルト。

 そして、彼が全ての名前を挙げ終えた時、ノアは僅かに口を開け、眉をひそめた。


 名前が挙げられた隊員は、A級とS級含めて八人。

 マークベルトは具体的に言わなかったが、侵食値を調べたという時点で察することは可能だ。


 つまり、その八人は侵食領域に侵され待機を余儀なくされた隊員達の数だ。

 その彼らはただここにいるだけで侵された。


(これが侵食領域......)


 映像で見ただけの症状、そして今経験するこの状況に、ノアはゾワリと背筋を震わせた。

 今の名前を挙げられた八人に、目立った変化は見られない。


 しかし、マークベルトさん曰く、「ほぼイエローゾーン」であるらしい。

 それはこのまま時間が経過すれば、映像にいた傭兵達のようになるということだ。


「侵食領域において、軽度であれば領域外に出て自然治癒で治せる。

 だが逆に言えば、それしか確立された治療法がなく、仮に治療法があるとすれば、それは根源を断つ以外にないだろう」


 全体に侵食領域の深刻さを向けて伝え、マークベルトは名前を挙げた八人へ視線を移す。


「よって、お前達を死なせないためにも、俺達が帰ってくるまで待機していてくれ。

 もちろん、ここよりも瘴気の薄い場所で、だ」


「「「「「......承知しました」」」」」


 マークベルトの指示により、選ばれた八人の隊員は元の道を帰っていく。

 隊員の丸い背中が、少しずつ小さくなる。


 そんな後ろ姿を、ノアはただ黙って眺めることしかできなかった。

 その姿を同じく見つめるマークベルト、しかし変わらぬ意思の強い瞳を向け、


「お前達、これが現実だ。

 たとえS級だろうと、侵食領域は容赦なく人間を侵していく。

 魔力である程度防げるとは言ったが、耐性諸々で個人差が出る。

 それがこの結果だ。そして、ここからより侵食は激しくなる。

 調子が悪くなったらすぐに言え」


 全体に注意喚起をすると、マークベルトは部隊に背を向け先を進み始めた。

 全体がマークベルトに続く最後尾を、ノアも黙ってついて行く。


(瘴気に色がついている......)


 周囲を見ていると、視界が色づき始めたことに気付くノア。

 中心部に近づいているせいか、緑色をしたドライアイスのような煙が足元に充満している。

 それに合わせて、アビスもより強化された個体が現れるようになった。


 しかし幸い、戦闘に関しては未だに問題ない。

 さすが部隊は精鋭で固められているために、難なくアビスを倒している。

 とはいえ、やはり侵食領域だけは対処しようがないが。


「ここがアヤベ区か。

 見たところ、瘴気が充満しているだけで何もないな。

 アビスの姿は確認できるが......さすがにアビス王はいないか。

 ま、会いたくねぇし、いいんだけどさ。せめて居場所は把握したいよな」


 空中に浮かべた地図を見て、小言を呟くマークベルト。

 その時、クリーエルが彼に近づき、何かを伝えた。

 その会話でマークベルトが頷き、全体に指示を出し始める。


「全体に告げる。今からここで十分だけ休憩を取る。

 その際、今一度侵食値を確かめておけ。

 もし基準値以上であれば、どんな状態であれこの場を速やかに離れろ。

 俺もクルーエルも仲間を殺したくはないからな」


 マークベルトの指示で、隊員は各々休憩へと移った。

 周囲を見ながらノアも近くの瓦礫に腰を掛ける。

 座った瞬間、疲れがどっと溢れ出た。

 まるで鉛を巻いているみたいに、体が重い。


(戦闘自体は大したことはしていない。

 なのに、この疲労感......思ったより気を張ってるみたいだな)


 そう自己分析するノアであるが、かといって何か出来るわけでもなし。

 出来ることとすれば、この短時間で出来る限り体を休めること。

 いや、待て。もしかしたらこの症状って――、


「......違った」


 オルぺナに侵食値を調べてもらうようにお願いすると、すぐに結果が返って来た。

 送られてきたデータを確認してみれば、特に異常なしの基準値。

 どうやら本当にただの疲労であるらしい。


「隣いいかな?」


 その時、一人の男性隊員が話しかけてきた。

 どこからどう見てもヤギであるが、目は理知的で優しい目つきをしている。

 加えて、かける声も穏やかだ。

 ノアの横に座ると、男は変わらず気さくに話しかける。


「やぁ、初めまして噂の新人(ルーキー)君。話すのは初めましてだよね。

 僕の名前はユートリー=アスバル。ユートリーで構わないよ」


「ユートリー先輩ですね。初めまして、ノア=フォーレリアです」


「知ってるよー、君のことは。なんせ試合見てたし。

 いや~、まさかあのアストレア嬢に勝っちゃうなんてね」


「勝った、ですか......」


 ユートリーの言葉に、ノアは目線を下げた。

 確かに、あの試合は結果から見れば勝ったかもしれない。

 しかし、あれがフェアな戦いでないことは知っている。

 フェアであったらどうなっていたか。


「あれ? 随分と浮かない顔じゃん」


「あ、いえ、その......」


 ノアの微妙な受け答えに、ユートリーが首を傾げる。

 とりあえず苦笑いだけしておくが、この反応は良くなかったとすぐに自省した。

 ユートリーの反応は悪く無い。むしろ、観客からすれば正常と言える。

 だから、これはあくまで自分の問題で、


「......あの試合、正直僕は心からは喜べないんです。

 アストレアはハンデを貰い、それに対して僕は勝っただけ。

 傲慢かもしれませんが、その結果は互いにフェアの状態で得たかった」


 しかし、嘘をつくのは憚られ、気が付けばノアは本音を吐露していた。

 そんな言葉にユートリーは笑うことなく聞いてくれる。

 ヤギ頭のせいで若干何を考えてるか感情面での捉えずらさはあるが。


 とはいえ、これだけで済ませるのは、アストレアの先輩に失礼だ。

 なので――、


「だから、また機会があったなら、今度はフェアで戦って勝つつもりです」


 瞳に炎を宿らせ、ノアは熱い心で宣言してみせた。

 瞬間、ユートリーは片手で両目を覆い、そっと顔を上げる。


「かぁ~眩しい! 眩しくて目が開けられない! これが若さってやつかー?

 ったく、僕は最近三十路超えたばっかで、年々若さを失ってるってのに。

 その若さが羨ましいよ。くっ、いつの間にこんな年食ったんだ......」


「ユートリーさんはまだまだ若いと思いますけど.....」


「バカ言っちゃいけねぇ。いいかい?

 僕の持論だが、人間ってのは二十五歳超えたら一気に来るんだよ。

 そりゃもう一気に。ぎっくり腰を味わった時は『あっ、もうそんな体になったのか』って思ったね」


 その時のことを思い出しているのか、ユートリーは遠い目をしている。

 本当に辛かったんだろうな、と横から見るノアが思うほどには。

 いや、それ以上に、ヤギ頭のせいで年齢がわかりずらいが。


 瞬間、ユートリーがノアへサッと顔を向ける。

 その仕草に、ノアはビクッと体を震わせた。

 驚くノアをよそに、ユートリーは口を開き、


「だから、ノア君も若さエネルギーがあるうちに、やりたいことはやっておいた方がいいよ。

 これ、ちょっと長く生きる人生の先輩からのアドバイス。

 ま、そうじゃなくても、僕達は常に死神と仲良しこよしだからね」


 そう言って、立ち上がり、ユートリーは腰に両手を当てて胸を大きく逸らした。

 一つ大きく息を吐くと、彼はノアに向けて手を差し出す。


「ありがとうございます」


 そう言って、ノアが手を取ろうとしたその時――緊急通信が入る。


『ノアさん、ライカちゃん、気を付けて! 高魔力のアビス反応が――』


―――ビュンッ


「っ!?」


 刹那、目を瞑りたくなるような強い風が吹き抜けた。

 あまりの突然の出来事で、オルぺナの言葉を最後まで聞けなかったノア。

 とはいえ、異常事態なのは確か。

 だから、近くにいるユートリーに声をかける――


「先輩、大丈夫......です、か......」


 正面を見たノアの声がだんだん尻すぼみになる。

 同時に、頭に赤い雨が降り注いだ。

 鉄分を含んだ雫が、瞬く間に顔を真っ赤に染める。

 手を伸ばし立ち尽くすユートリー――彼の首が無かった。

読んでくださりありがとうございます(*‘∀‘)


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