第10話 魔技、そしてライカの上司#2
―――翌日
その日は日曜日であり、本来なら学校は休みだ。
しかし、本部付属の学校――教育機関バビロンの校舎は大学のような施設であり、休日でも一般開放されている。
それを利用したノアは、当たり前のように室内特訓場に来ていた。
ウォーミングアップを済ませると、軽く手首を動かして柔軟体操。
それから、足を肩幅に開き、腕を軽く曲げて体の内側にある魔力を意識――早速魔力を発露させた。
体にゾワリと波打つ感覚を感じ、それが湧き水のようにイメージすることで、体表に魔力が纏わりつく。
黒い瞳が高潔に輝く紅色に変わる。
やはりというべきか、魔力はなんなく操作することができた。
つまり、ライカに魔力が使えるかどうか尋ねられた時、普通に魔力は扱えたということだ。
あの時から邪魔が入っていたのかと思うと腹が立つ反面、これからも大いに借りるので怒るにも怒れないという複雑な気持ち。
胸の内側にザワザワとしたしこりが残るも、こればっかりは飲み込むしかないだろう。
気持ちを切り替えるように頭を振って、脳内の雑念を振り払う。
そして、いざ魔技を試そう......と思った矢先、一つの問題に気づいた。
「あ、これって一人じゃできなくね......?」
ノアがやろうとしていることは、初陣戦での動きのトレース。
巨大なアビスを倒す際に、ライカとやったことを試そうとしているのだ。
しかし、それには少なくとも、彼女の代わりになる人物が必要である。
なぜならあの時は、彼女の魔力を借りて魔技を発動させたのだから。
「困ったなぁ......せめて一人いれば」
そう呟きつつ、周囲をぐるりと見渡す。
都合よく誰か来てくれないかなと思ったり思わなかったり、願ったり願わなかったり。
別に相手なら誰でもいいかもしれない。
いや、そういう部分も含めて検証するとなると、むしろ別の方がいいのか。
出来るなら、最初は第一目撃者であるライカの感想を求めたいところだが。
「......仕方ない、ライカが来るまで他のことしてようか」
そう、呟いて魔力を解いたその時――、
「ほぅ、見ない顔だな。もしかして、君が噂の新人か?
困っているなら俺が力をかしてやろう」
「本当ですか!.......ん?」
背後からかけられた声に、ノアは振り返る。
そこには快活そうな大人の男性がいた。
髪色はこげ茶で短髪。
瞳の色は茶色で、あごにわずかなヒゲを生やしている。
身長は百八十センチぐらいありそうだ。
そして、体格からでもわかる鍛え上げられた体。
体に張り付くような黒いインナーの上に、足元まである長く白いコートを羽織っている。
雰囲気は正しくベテランであり、されど人が良さそうな、話しかけやすそうな感じだ。
極端な例を言えば、人懐っこい大型犬というべきか。
そんな人物によって、ノアの問題は解決した――が、同時にとある疑問が浮かんだ。
(あれ?.....この人、一体いつの間に背後に?)
そう思ったのは、ノアが向いていた方向が関係している。
というのも、頭を悩ませていた時、顔は入り口の方を向いていたのだ。
加えて、その時に入り口のドアはキッチリ閉めていた。
他にここへ入る手段があるとすれば、リングを囲む観客席からしかない。
そこにはいくつか通路があるため、そこから出入りは可能である。
とはいえ、さきほども人を探し視線を巡らせ、人がいなかったのは確かめている。
(全く音も気配をしなかった。
それこそ、背後から声をかけられるまで気づかないなんて。
もしかして、そういう魔技なのだろうか)
そんなことを考えるノアに、白コートの男は唇を尖らせ、
「おいおい、もう少し驚いてくれたっていいだろ。びっくりさせた甲斐がないぜ」
「いや、十分にビックリしましたけど、同時にこの状況に興味も湧いちゃって......」
趣向の話であるが、ノアは解けるかどうかは抜きにしろミステリーや謎解きというのが好きだ。
そういう意味では、今の状況は実の趣向を刺激する。
とりあえず、一番の見立ては気配立ち辺りの魔技と見るが。
一方で、ノアの発言に「ハハ、変な奴だな」と短く返答すると、白コートの男は自分の胸に親指を向け、
「俺はマークベルト=ルーカス。呼び方は何でもいい。
んでちなみに、ライカの直属の上司で、同時にお前さんの上司にもなる人物だ」
その言葉に、ノアは目を剥いた。
随分と気安い先輩だと思っていれば、ライカの上司とは。
いや、ライカの魔技は無属性であり、彼女の見解では自分も無属性。
つまり、ライカの上司であるということは、自分の上司である可能性も高い。
となれば、今の態度も改めなければなるまい。せめて挨拶せねば。
「あ、初めまして、四月から入隊したノア=フォーレリアです。
まだ右も左もわからないことも多いですが、これからよろしくお願いします!」
体を緊張させ、背筋を伸ばして頭を下げる。
別にマークベルトに限った話ではなく、どの上司に対しても礼儀正しくあるべきなのだが、直属の上司になるかもと思えば、緊張にも拍車がかかるというもの。
「ハハハ、律儀だな。もうちっと砕けた感じでいいんだぜ?
ライカなんて気に入らないことがあれば,、平然と蹴ってくるしな」
「ライカ......」
思わぬところで聞く幼馴染の悪行に、ノアは苦笑いを浮かべる。
まぁ、悪態をつくとなると、ライカ専門家としてはある程度気の置けない仲と見なせるが。
「ところで、こんな休日に何してんだ?
さっき『せめて一人いれば』とかなんとか言ってたが」
マークベルトが興味深そうに聞いてくるので、ノアは事情を話した。
即ち、自分の魔技を確かめたいので、協力者を探していると。
その内容に、マークベルは腕を組むと、
「なるほど。んで、その時の状況を再現しようと」
「はい。なので、もう一人いれば助かるのですが......もしよろしければ力を貸してくれませんか?」
「あぁ、もちろんいいぜ。何をすればいいんだ?」
「魔力を少しください」
「魔力を......?」
そう言った途端、マークベルトは首を傾げた。
まるで予想外の発言を聞いたかのような反応に、ノアも同じく首を傾げる。
「あれ、何か変な事でも言いました?」
「まぁ、そうだな。魔力ってのは、本来誰かに譲渡とかは出来ねぇんだ。
自然回復するか、特別な液体......ゲームで言えば、ポーションとかの道具を使って回復するもんなんだ。
だから、その言葉が出ること自体に驚いてな」
「そうなんですか」
そう返事をしたものの、当時の状況を思い返せば、ライカは普通に魔力を渡してくれた。
さすがに、ライカの上司に当たる人の言葉が間違ってるとは思わないが。
「でも、ライカに提案した時、普通にくれましたよ?」
「それはアイツだからだろ。
だって、アイツはお前さんにゾッ......ごほん、なんでもない。
そん時に、アイツは何か言いかけてなかったか?」
マークベルトにそう言われ、ノアは腕を組んだ。
目を瞑って、まぶたの裏に改めて当時の状況を思い浮かべる。
今度はちゃんと時系列をそって鮮明に映像を浮かべた。
とはいえ、無我夢中でノイズが酷く、
「言いかけて......たかもしれません。
正直、あの時の記憶はぼんやりとしか思い出せませんが」
「つまり、アイツ自身も出来ないことはわかってたのさ。
だが、幼馴染の君のことを信じて『出来る』と思って行動したんじゃないか?」
「かもしれませんね」
つまり、あの時の戦いは、単純なライカの協力だけでは勝てなかった。
長年積み重ね、一時は離れ離れになったが、それでも互いに忘れない信用があったからこそ勝てたというわけだ。
(そう考えると、ほぼライカのおかげかな。また改めてお礼をしておこ)
そう思い、ノアは微笑んだ。
そんな彼を見つつ、マークベルトは脱線した話題を軌道修正し、
「話を戻すぞ。それで俺はお前さんに魔力を貸せばいいんだな?
具体的には何をすればいいんだ?」
「マークベルトさんは、僕に手を出して魔力をくれればいいです」
「くれるっつっても今までやったこと無いしな」
「あの時のライカもたぶん同じ感じでしたから、僕の方で引き取る形かもしれません。
後は当時の状況を再現するとなると、武器が必要ですね」
「武器は何を使っていた?」
「マグナムです。それと魔力を合わせて銃の形が変形してたので、できればえーっと......アビスリング? でしたっけ。
それがあると、再現ができると思うんですが」
「あぁ、まだ入ったばかりで支給されてないのか。今度取り寄せておくよ。
んじゃ、俺が今つけてるアビスリングを貸してやる。これで試してみろ」
「ありがとうございます」
マークベルトから銀色の輪っかを受け取ると、ノアはそれを右手に通す。
そして魔力を流した瞬間、それは形を変えた。
なけなしのお小遣いで買った思い出のモデルガン――愛銃「トカチノフEP-6000」だ。
「それが君の武器か。イカすじゃん」
「ありがとうございます。では、魔力を貰いますね。
あ、一つ持ってもらっていいですか?」
ノアの武器は二丁拳銃だ。
一つをマークベルトに持ってもらい、空いた手で彼の手を握った。
同時に、体に魔力を巡らせる。
その時、正面から「紅い瞳......」と呟き声が聞こえたような気がしたが、一旦それは無視して――、
「いきます」
マークベルトから魔力を少しだけ貰う。
繋がる手がじんわりと温かくなり、その熱を持っている銃に流し込む。
瞬間、銃は瞬く間に形を変え、白を身に纏う聖なるという言葉が似合いそうな武器となった。
「おぉ、武器の形が変わった......これはまた面白い」
「ライカの時と同じデザインみたいですね。
それじゃ、その銃に弾を込めて――」
銃身に魔力を込めて、ノアは内部に弾丸を生成した。
握る手からシリンダーに弾丸がセットされるのがわかる。
まるで体の一部のように使い方を教わらずとも動かし方がわかるように。
「――っ!」
その直後、マークベルトは目を見開き、短く息を吸った。
驚きという感情じゃ足りない、驚愕とまで言うべき表情が浮かぶ。
それから、素早くノアが持つ銃に手を置いて、マークベルトは銃口を下に向けた。
「おっと、それは間違ってもここで撃とうとするなよ?
まず間違いなくめちゃくちゃになる未来がわかる」
「あ、はい......ここは射撃場じゃないんで撃ちませんけど」
「射撃場でもダメだ。撃つならアビスか開けた場所での障害物。いいな?」
マークベルトが諭すように、されど強い語調で言い伏せてくる。
その圧には、コクコクと頷くことしかできないノア。
怒ってる感じでは無い、それ以上に焦りが見える。
(なんか結構ヤバな感じかな?
まぁ、あの王様の魔力で出来たものだしな。
とりあえず、元に戻すか......ん?)
シェナルークの力は規格外だ。だからこそ、使い方は慎重にならなければいけない。
そんなことを思い、ノアは武器を解除しようとする――が、なぜかリング状に戻らない。
「あれ、戻らない。どうしましょう、これ......」
「もしかして、撃たないと元に戻らない感じか?
スーッ......わかった。ちょっとそれを貸してくれ」
緊迫とした空気を維持するマークベルトに、言われた通りノアは銃を渡した。
すると、彼は「んじゃ、ちょっくら行ってくる」と言って、その場に立ち尽くす。
「?」
しかし、特に移動するわけでもない。動かない。
そして途端に、刹那だけマークベルトの動きがブレた.....気がした。
直後、「ダハーッ」と大きく息を吐き、マークベルトが猫背になる。
まるで大きな仕事を終えたような様子で、袖で額を拭った。
「いやぁ~、ヤベェ威力だった。大砲ってレベルじゃねぇぞ」
「え、マークベルトさんはその場に立ってただけじゃ?
......あ、でも、手に持ってるのはアビスリングだ。
ってことは、銃を消費したってことで......あれ?」
「ま、俺の魔技のお披露目は追々ってことで。
それよりも、他人から魔力を貰うことで武器を変形させる魔技か.....」
サラッと流され若干の消化不良になりながらも、ノアは腕を組み、片手を顎に当てる。
それから、「そうですね」と返事をしながら、結果からの考察を始めた。
「他にもわかったことがあります。
マークベルトさんから貰った魔力がライカと同じでした。
そして、同じ魔力での武器の変化に違いは見られませんでした。
それを考えると、武器の変化はライカに限った話ではなくなり、全て共通変形か属性ごとに変わるのか。
う~む、まだまだ明らかにしておきべき情報はありそうですね」
唇に手を当て、ノアは薄く笑みを浮かべながら呟いた。
自分の魔技であるため、早急な解決が望ましいが、いやはや謎は胸が躍る。
子供っぽいかもしれないが、童心が実に刺激されるのだ。
そんな彼を見て、マークベルトは大きく頷く。
「そうだな。だが、それよりもっと大事なことがある」
「大事なこと?」
「それは――魔技の名前付けだ!」
マークベルトの大声が訓練場に響き渡る。
その迫力は、ノアの耳に「だ、だ、だ.......」とこだまして聞こえるほどだ。
そして数秒後、再起動した思考回路がノアに口を開かせた。
「え、えーっと......どういうことです?」
「ほらほら、ゲームとかでもよくあるだろ? 必殺技ってやつ。
それをお前さんの魔技にもつけなきゃカッコつかないだろ?
それに、”言霊”って言葉があるように、名前をつけることで技は存在を得て強くなる。
そういう意味でも、名づけは大事だ。何より、説明する時が一番楽!」
「最後に本音が出てる気がしますけど.......そうですね。
僕の魔技は、他者から魔力を得て、その魔力を銃に流し込むことで力に変える」
腕を組み、ノアはそう呟く。
すると、マークベルトも同じく腕を組んで考え始め、
「つまり、お前さんが魔技を使うには、絶対に誰かが居なきゃいけないわけだ。
誰かが必要.....捉え方を変えれば、誰かがいることでお前さんは強くなれる。
となると、お前さんは『他者との繋がりが非常に大切』になるわけだ」
「そうですね。協力してくれる誰かがいなければ、僕は魔技を使えないわけですし」
「他者との繋がり......友好関係を結ぶ......縁を結ぶ。
ふむ、そうだな......『交わる縁』ってのはどうだ?
最高に中二臭くて、それでいてカッコいい良い名前だろ」
「中二臭いかどうかはともかく、カッコいい名前ではあると思います。
『交わる縁』か.....それはなんだかいいですね。良い響きです」
「だろ? 俺はこう見えて名づけセンスはあるんだよ。
だから、ライカのやつも『超強化』ってつけたんだけど、本人は『ダセェ』の一言で一蹴しやがってな」
「それはまぁ、ライカは女の子ですし.......てか、実際ダサい」
「随分とお楽しみみてぇじゃねぇか、クソ上司」
ノアがボソッと呟いたその時、二人の会話に聞き馴染みのある声が割り込んできた。
その声の方向に、ノアとマークベルトが振り向く。
そこには眉間にしわを寄せたライカがいた。
入り口から差し込む逆行をバックに、腕組みして仁王立ちする姿はいっそ神々しい。
しかし、その神々しさには怒気が孕んでおり、ズカズカと近づいたライカはマークベルトに詰め寄る。
「さてさて、クソ上司さんよぉ。
昨日、人を呼びつけておいて、呼んだ当人がいねぇってのはどういうことだ?
加えて、小難しい会議にアタシを出席させやがって」
「そ、それは......で、でも、なんかの初回説明っぽい感じだっただろ?
それでこうして早く帰って来れてるわけで......だから、代わりに出てくれて助かたなぁと」
「助かったなぁ、じゃねぇよ! こちとら普通に巻き込まれとんじゃ!
せっかくノアが自分の魔技を見つけたって言ったから、一番に歴史の目撃者になりたかったのによぉ。
にもかかわらず、こんなムサイおっさんに奪われるなんて......」
拳を震わせ、ライカは眉間のしわを深めながら小言を吐いた。
そんな後輩に対し、マークベルトはビビり散らかし、挙句ノアの背後に隠れる。
「ら、ライカ......仮にも上司なんだから......」
ケンカする二人(一方的だが)を見て、苦笑いしながら仲裁に入るノア。
その直後、マークベルトはひょこっと顔を出し、後輩の言葉に便乗した。
「そ、そうだぞ! 仮じゃなくてマジの上司だけどな。
悪かったって。お前さんは前から暇さえあれば、幼馴染がどうしてるか気にしてたしな。
それを考えれば、仕事が増えるのは、幼馴染とイチャイチャする時間が減って――」
「クソ上司ィィィィ!! テメェを今ここで殺す!!」
「やばいよぉ! ライカが一瞬にして怒りをピークに!
幼馴染としてどうにか止めてあげてよぉ!」
「助けを求めるぐらいだったら、なんで油に火を注ぐんですか......」
だんだんと二人の距離感が見えてきたところで、ノアは仕方なさそうにライカに近づいた。
そして怒れる幼馴染に、優しく声をかけていく。
「ライカ、落ち着いて」
「でもだって、あのクソ上司がぁ! 戦争を始めたのはアイツだぞ!」
「そうだね。でも、ここでライカが一歩引いて大人の対応を見せようか。
そうすることで、どちらが大人か格の違いを見せつけてやろうよ。
だから、ケンカはここで終わり。いいね?」
「.....うん」
ノアはライカの頭を優しく撫でる。
その光景は、さながら小さな息子をなだめる母親のようであった。
もっとも、端から見れば、立場が逆じゃないかとツッコまれそうだが。
そんなやり取りを見ていたマークベルトが、ライカが落ち着いたのを見計らい、
「ノアって優しい顔つきしてる割りに言うのな。ビックリしたぞ」
「そりゃ、この場合で味方するならライカですし。
それに、ライカは約束を守ったのに、マークベルトさんは破ったわけですよね?
それは年上としてさすがにどうかと......」
「スゲーグサグサ刺してくるじゃん。泣きそう。
んで、何も言い返せないのが何よりダメージに来る」
「自業自得ですね」
そう言って、ノアはライカを宥め始める。
幼馴染が落ち着いてきたところで、ノアは空気を変える意味合いで話題を変えた。
「もし少しでも反省してるなら、マークベルトさんの魔技を教えてくださいよ。
実はさっきからだいぶ気になってるんですよ」
「でも、見当はついてるって顔をしてるな。
ま、確かに、今回はライカに仕事を丸投げした責任もあるしな。
それになにより、上司としての威厳を取り戻すためにもいっちょ見せてやりますか」
そう言って、マークベルトは入り口の方へ歩き出した。
そんな彼の行動を見て、ノアは首を傾げる。
「どこかへ行くんですか?」
「実践だ、実戦。せっかくだしお前さんの実力も見せてくれよ」
読んでくださりありがとうございます(*‘∀‘)
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