表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集:きょうの風

泥酔

作者: 歌川 詩季

 そんな夜もあるのでしょう。

 明日(あした)まで残したくない かたまりを流し込むために

 明日(あした)まで残るほど強い酒を飲み干した


 苦虫(にがむし)をいくら()み殺したところで

 (うま)(さかな)にはならねえし

 ぬかるみに足をとられたように悪酔いはまわるけど

 砂みたいに乾いちまうよりましだから


 眠りに落ちるまで うつつを()くすまで

 酒(びた)しの夜にふやけて(いた)む傷もある

 眠りに落ちるまで うつつを()くすまで

 酒(びた)しの夜にふやけりゃ流せる涙もある



 明日(あした)まで響かせまいと(うず)くのを押し殺すうちに

 明日(あした)まで響くほどでかいツケはうまれてる


 苦瓜(にがうり)をひとつ つまみあげたくらいで

 腹の足しにさえならねえし

 泥舟を()ぎ出していくように(さかづき)を傾けろ

 石みたいにかたく冷たけりゃひび割れて


 眠りに落ちるまで うつつを()くすまで

 酒(びた)りの夜に(おぼ)れりゃ()える傷もある

 眠りに落ちるまで うつつを()くすまで

 酒(びた)りの夜に(おぼ)れりゃ(まぎ)れる涙もある

 まっっったく、飲めませんけどね。



挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌川 詩季の作品
新着投稿順
総合ポイントの高い順


f5ioijtfgyibj1b45ww17btab1jv_32d_dw_6y_1xi0.png
制作:冬野ほたる先生

挿絵(By みてみん) 制作:あき伽耶先生
― 新着の感想 ―
[良い点] 味わい深い言の葉ですね~♪(^人^) しみじみと酒が飲みたくなる気持ちになりました。 好い作品を魅せていただきまして、 どうもありがとうございます(*^^*)♪ [一言] 今日は飲みます…
[良い点] お酒を飲みたくなる詩ですね。 私も泥酔する前に眠気が来てしまうので、酒浸りになるというほどには飲めませんが…。
[良い点]  そのことでは泣けないから。  別の理由にすり替える。  そうして流した涙でも、少しは沈む気持ちも流してくれますかね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ