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異世界マンションの管理人  作者: ゆざめ
52/58

みんなでお泊まりに行こう②

「確かに俺もそう思う。

 でも、今はどうでもいい!

 早速旅行カバンの準備だ〜!」


 俺は天高く手を突き上げた。


「我も準備するのである! イム!」


「はい、スラお姉様!」


 スラとイムはエレベーターに乗り込み、自分の部屋に戻っていってしまった。


「個性的な人たちですね……」


 キュレルは少し驚いているようだ。

 そんなリアクションをしているが、キュレルもかなり個性的だと思うんだけどな……。


「とりあえずみんな行く気みたいだし、二日後に出発ってことで」


「二人には私から伝えておきますね」


「お、ヴェントスよろしくな」


「は〜い」


 俺たちは解散し、各々旅行カバンの準備を始めた。

 結局あまり触れられなかったキュレルは、俺の部屋に来ていた。


「それでさ……結局私は行ってもいいのかな?」


「いいんじゃないの、別に」


 部屋の角で体育座りをし、天井を見つめるキュレル。

 その顔はどこか寂しそうな顔をしていた。

 そんなか彼女は口を開いた。


「私には仲良い友達、一人もいないんだよね」


「え……?」


 キュレルから出たとは思えない言葉に、俺は驚いた。

 テンションが高く、よく喋るタイプの彼女に友達がいないなんて事があるのだろうか。

 キュレルは続けてこう言った。


「女神様に拾われてなかったら、私は今頃堕天使になっていたかもしれない。

 あのお方には、本当に感謝しかない」


 俺は堕天使になる理由を知らない。

 だが、女神様はやはり寛大で寛容な人であることはよく分かった。


「なぁキュレル、服買いに行くか?」


「いい、要らない。

 服なら、たくさん天界に置いてあるから」


「あ、そう」


 気まずい……。

 こんな時、女の子にはどのように接すればいいんだろうか。

 全くわからない。

キュレルは視線を下げたあと、下を向いたまま動かなくなってしまった。


「とりあえず、キュレルはこのカバン使って。

 このカバンはおそらく妹が使ってたやつだと思う」


「ありがとう……」


 とにかくテンションの低いキュレルを部屋に残し、俺は食事の間に向かった。

 なにかこの状況を解決とまでは行かなくとも、緩和する方法は無いのだろうか。

 俺はコップに入れたオレンジジュースを飲みながら、必死に考えていた。

 そんな時エレベーターが開き、誰かが食事の間にやってきたようだ。

 誰かを頼るのが一番いいのかもな……。

 足音がだんだん近づいてくる。

 眠そうにあくびをしながらやってきたのは、キースだった。


「ふわぁ〜……あ、夢だ! 何してるの?」


 キースは俺が座っているすぐ横に椅子を移動させ、隣に座った。


「この前紹介したキュレルって天使がいただろ?」


「うん」


「過去になにかあったのか、突然病んでしまっただけなのかわからないけど、テンションが低くてさ。

 せっかく泊まりに行くんだったら、どうにかしてあげたいなって思って」


「ふ〜ん、なるほどね」


 それから、キースも一緒になって考えてくれた。

 目の前に置いてあるオレンジジュースが入ったコップを躊躇なく飲みながら。

 それ一応俺のやつなんですけど……まぁいいや。


「思いついた」


「え、本当か!」


「うん。夢のためにって思ったらすぐに思いついた」


「キース頼む、教えてくれ」


「なにかプレゼントしてあげるのがいいと思う」


「俺が?」


「うん」


「キュレルに?」


「うん」


「確かにな……誰かからプレゼントを貰ったとなれば、なにか変わるかもしれない。

 キース、まじでナイスアイデアだ!」


「そんな事ないよ……照れる……」


「じゃあ俺行ってくるわ」


 そう言って俺は部屋を飛び出した。

 一方部屋に残されたキースは……。


「これって夢がキュレルにプレゼントするってこと……?

 へぇ……私にはくれないのに、夢はそういうことするんだ」


 あなたのアイデアですよ、キースさん。

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