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「変な勇者パーティに出会った」


―数日後―


今日は村の飲食店でご飯を食べていた。


ちなみに、今日は街で評判のパスタ屋さんに来ている。


転生前のイタリアンレストランに近い雰囲気だが、この世界にイタリアという国はないため、あくまで近いだけで、味付けとかは普通に違う。


しかし、結構美味しいんだよなあ。


まあ、この村の飲食店はどこも美味しいんだけど。


前の世界みたいなガツンと来るラーメン屋とか券売機で買うタイプの定食屋みたいなものはないが、この村には美味しいパスタのお店や、パン屋さんとかスープのお店とか、いろいろある。


世界観に合っている雰囲気の良いお店はそれなりにある。


別の村にはほかの食べ物もあったりするのかな。

いつか、遠出してみたいな。


なんてことを考えていたら、隣の座席に座っていた見慣れない勇者パーティの会話が聞こえてきた。


「おい、何をモタモタ食べてるんだ」


あれば、見た感じ勇者だろうか?怖そうだ


「あんたー、もっと早く食べなさいよー」


あれは…魔法使いだろうか?怖そうだ。


「情けないな。そんなことでは次の戦いに負けてしまうぞ」


あれは…武闘家か何かか?なかなかに体格が良い。


しかし、先程からほかのメンバーからいろいろ小言を言われている女の子は…なんだろう。


なかなか華奢だ。魔法使いの女の子は肉付きが良い印象だが、あの女の子は結構細身に見える。


スレンダー体型で、まるでモデルのような雰囲気だ。


好みの感じだなあ、かわいらしい。


モタモタ食べていることに文句言われてるってことは、食べるのがちょっと遅い子なのかな?


いや、待て。


そのほかの3人のテーブルをちらっと見た。


料理のボリュームがやけに多い。


昼限定の大盛りを頼んでいるな?


分かったぞ…この3人はよく食べる人種だ。


そして、あの子は恐らく普通の量を食べたかったはずだ。


並盛でお腹いっぱいになる子なんだろう。


なぜ、4人全員で大盛りを注文したんだろうか。


あー…多分こうだろう。


15分くらい前の店内は少し客が混んでいたから、おそらくその時に来店したんじゃないだろうか。


客が混んでいたから、パーティ全員同じ料理にした。


その配慮は素晴らしいが、あの女の子は彼らほどよく食べるタイプではないみたいだ。


あの子のお腹にも気遣ってやれよ…!


「おいどうした!まだ残っているじゃないか!」


勇者があの子の料理皿に指を指している。


「も、もうお腹いっぱいだよ…」


最初はたまに見かけるメンバーいじめをした後に追い出そうとしている最悪な勇者パーティだと思ったけど。


違うな。


アレは大食いグループに入ってしまったかわいそうな子という構図だな…


なんか、面白い勇者グループだな…


箱推しの素質があるかもしれない。


なんて思っていると…


「すまない」


勇者の男性がこちらに話しかけてきた。


横から見てもイケメンだったが、正面から見るともっとイケメンだ。めちゃくちゃ凛々しい。


「え、な、なにがですか」


予想外の展開だったので声が上ずってしまったかもしれない。大丈夫か?変に思われなかったかな?


「先程からこちらを気にしている様子だったのでな」


あ、バレてたみたい。さすが勇者…なのかね?


「もしかして、ウチらの声うるさかった?」


魔法使いの女の子が申し訳なさそうに言ってきた。


「あ、いやいやそんなこと。

美味しそうに食べるからその料理気になっちゃって」


いじめじゃないかと確かめてましたなんてこと言えるわけないので、ちょっと無理のある嘘をついておく。


いや、そんなに嘘ではない。

勇者パーティが食べてたメニューが気になってたのは事実だから。


今度来た時に食べてみよう。


「ああ、そういうことだったのか」


イケメン勇者は俺に白い歯を見せて笑った。


同じ男でも思わずかっこいい…と思った。


「キミ、いい趣味してんねー。

これ、ウチらのお気に入りなんだー!

濃厚なタレに麺が絡んでとっても美味しいの」


魔法使いの女の子はお気に入りらしいが、

量の多さに苦戦しているかわい子ちゃんはそうでもなさそうだぞ。


「いいですねー、次来たらそれ頼んでみますよ」


俺が割と人見知りなのはもうバレているかもしれないが、比較的自然な会話を意識したつもりだ。


そうこうしていると、例の女の子が無事完食したらしく、お腹をポンポンと叩いていた。


「お、お腹いっぱいです」


「全く、ようやく食べたか!さあ、行くぞ」


勇者たちは俺に手を振り、店員に代金を支払い店を後にした。


珍しいタイプの勇者パーティだった。


メンバーみんなが気さくで話しやすい雰囲気。


また、あの子にも会えたらいいな。

面白かったかな?面白かったなら嬉しいです。


小話でもします。

作中で変な勇者パーティさんたちが食べていた大盛りのパスタのイメージは油そばです。


イメージとしては醤油とかオイスターソースとかを混ぜ合わせたタレがね、麺に絡んでね、超美味い感じのパスタという謎の麺類です。


美味しい油そばを食べたくなりました。


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