Diary.13
#25
漫才の頂上決戦が遂にやってきた。いよいよ決勝だ。予想通り、二人は決勝のなかの最終決戦に残った。絶対に残るとは思っていたけど、嬉しかった。さらにブレイクする予感しかない。出ることは当たり前ではないけど、実力があれば、当然のことか。
出ることは当たり前じゃないと、トイレで燻っているお尻の関係者にも伝えたいものだ。そういうことだ。漫才頂上決戦の結果は三位だった。三位はスゴいことだ。私が、ボケを一切、口にしないことよりもスゴいことだ。ボケは口にするが、お尻関係のことを一言も言わないということと、同じくらいのスゴさだろう。
オジサンには、すぐにオファーの電話が殺到したみたいだ。もちろん、少女にもたくさんのオファーがあったらしい。もちろん、お知り合いからも、たくさんの連絡が来たらしい。もちろん、お知り合いという言葉から、お尻という二文字は、私の頭に浮かんで来ている。でも、それに触れすぎないのが、プロの神様というものだ。
私は神様だから、人間とは違う書き方になってしまうことを許してほしい。本当に許してほしい。唯一無二の視点から、書き切ってしまうことを、本当に許してほしい。私にしか、書けないものを書くのが、私の役目だから。本当に本当に、本当に許してほしい。
#26
オジサンに、作家や連載の仕事がたくさん来た。人生ってすごく忙しい。仕事が徐々に増えるものもいれば、崖を登るように、急激に増えるものもいる。本当に分からない。どうだろうか、いま私は、急激に上手さをさらけ出してみたのだが。急だ、という例えに、崖を使うという、素晴らしいテクニックを見せつけたのだが、どうだろうか。
脚本などの執筆が増えて、さらにさらに忙しくなったオジサン。私は、そんなオジサンが心配であり、誇らしくも感じていた。誰もが憧れを持つような、素晴らしい人へと、オジサンは成長した。そんなオジサンとの結婚を、少女はずっと考えていた。
少女は指輪を買って、逆プロポーズをした。そこから、ポンポンポポンポンポンポポンと、二人の人生は進みをはやめていった。結婚が成立して、妊娠も発覚した。二人でいるという視点で見れば、幸せしかなかった。でも、オジサンは、ひとりでの活動に不安を感じていた。ひとりでは、何も出来ないと思い込んでいたから。
長い間、私はボケずにここまで語ってきた。だから、このまま真面目に、ボケないで、お尻関係のことは口に出さず、突き進んでいこう。問題ない程度にね、と思っているところだ。あっ、『突き進んでいこう。問題ない程度にね』のなかに【こうもん】と読める箇所が、ひとつあるではないか。申し訳ない。本当に申し訳ない。