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2-27 BIRTHDAY

 夏休みも終盤。宇佐美の実家でもあるにじます亭に俺たちは集まっている。

 一体何の用で集まっているのかというと


「それじゃ、いくよ?せーの」

「お誕生日おめでとう」×5

「ありがとう(ございます)」×3


 今日は8月生まれの夏音と涼葉と織田さんの誕生日会というわけだ。


「しかし、3人も8月生まれなんて偶然だな」

「そうだね、しかもみんな今週なんでしょ?」


 と俺の言葉に反応する夏音。


 聞くところによると、夏音は17日、織田さんは19日が誕生日らしい。ちなみに涼葉は23日が誕生日なので見事に1週間に収まっている。


「さーて、早くケーキ食べよ。あたし切るね」


 今回の誕生会を企画したみかんが率先して仕切っている。でもお前は主役じゃないぞ、わかってるのか?


「もう、主役は夏音ちゃん達ですよ?」


 すみれ、ナイス指摘だ。俺の思ったことを代弁してくれてありがとな。

 だがしかし、みかんはそんなのお構い無しにケーキを均等に切り分け俺たちの皿に配っていく。


 どうしてだろう、切り方的に均等に8等分されてるはずなのに、みかんのケーキが大きく見える。


「涼葉、苺要らないなら貰おうか?」


 涼葉は丁寧に苺を皿の上に避けてケーキを食べていたので、わかってはいながらも、一応聞いてみると、涼葉は俺から皿を遠退けて


「ダメダメ。最後まで楽しみにとってあるんだから」

「冗談だよ。涼葉が最後に食べるタイプなの知ってるし」

「だったら最初から言わないでよ」


 と不満は言ってるものの涼葉はなんだか嬉しそうな顔でケーキを再び食べ始めた。俺が涼葉のことよく見ててケーキの食べ方知ってたのが嬉しいのだろうな。まったく、可愛い奴め。


「はい、夏音。これみんなで選んだプレゼント」


 と、みかんが夏音に正方形のラッピング袋を手渡す。


「ありがとう。開けていい?」

「もちろん」


 お決まりの言葉のあとに夏音は包みを開く。


「えーと、これはハンカチ?」

「そ、毎年恒例だもんね。柄は祐太くんチョイスだよ」


 俺が選んだのはピンク地に青薔薇の刺繍が施されたもの。まあ、俺が選んだというより、「これなんかどうだ?」と適当に手に取ったものがみかんに採用されただけなんだけど。


「そうなんだ。祐太くんありがとね大切に使うよ」

「おう」


 まあ、夏音が嬉しそうだからいいか。


「姫香にはこれ」


 と愛莉が大きめの紙袋を手渡す。


「ありがとうございます。これは本ですか?よく私が読書好きって知ってましたね」


 紙袋を覗き込みながら疑問に思った織田さんにすみれが


「姫香さん、前に図書室で勉強してたときに興味深そうに本を眺めていたのでもしかしてと思いまして。さすがに好みのジャンルまではわからなかったのでいろいろなジャンルからオススメを選ばさせていただきました」


 さすがは図書委員だ。

 袋の中から1冊の本を取り出した織田さんは「これ読みたいと思ってたんです」と喜んでいる。


「で、涼葉にはこれだ」


 俺は平べったい箱を手渡した。

 涼葉は夏音と違い、なにも言わずに包みを開く。


「これは?」


 畳まれている状態なのでわからないかもしれないな。


「エプロンだよ。いつも料理つくってもらってるし。今涼葉の使ってるやつって結構前に母さんから貰ったやつだろ?」

「そうだけど」

「思い入れがあるのかも知れないけど、いつまでも古いもの使うわけにもいかないかなって思って」

「あ、ありがと。祐兄にしてはいいセンスじゃん」


 そう言って貰えると嬉しいもんだな。



 ちなみに、プレゼントのエプロンにはたまたま、本当にたまたま青薔薇の刺繍が施されており、家に帰ったあとに涼葉に「プレゼントのデザイン使い回すのはどうなの?」と、かなり本気の不満を貰ったのはまた別のお話。

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