2-22 バーベキュー
「ほれ、肉焼けたぞ」
「ありがとー」
「あ、それ私が狙ってたやつ」
肉に釣られ、海で遊んでいた皆はバーベキューコンロの周りに集り、肉が焼ける度に肉の争奪戦が行われていた。肉だけじゃなくて野菜も食べようね?
「はぁ。美味しかったぁ」
「食後の運動でもしますか?」
「食後と言えばあれですか?」
「はい、皆さんが遊んでいる間に天野さんといろいろ準備していますよ」
まあ、食後のデザートということで
「スイカ割り、誰がやるんだ?」
「はいはーい!あたしやるー」
まあ、みかんが1番やりたがりそうだなとは思ってた。
「じゃあ、これ。目隠しと棒」
スイカとみかんをそれぞれセッティングして、いよいよスタート。
「みかんちゃん右右」
「みかんさーん行きすぎだよ。もう少し左」
「その調子です。そのまままっすぐ」
「外さないでくださいよ」
なんて声援、指示が飛ぶなか、みかんは確実にスイカの元へ近づいていく。
「なあなあ裕太さん?」
「なんだね宇佐美さん?」
「俺たちはなんでスイカの隣に埋められているのでしょう」
「それはみかんがテストで1位をとったからでしょうかね。女王様の命令はなかなかに恐ろしいことで」
もうわかると思うが、みかんから見てスイカの右に俺が、左に宇佐美が首から下を埋められた状態である。
普通にやっても面白くないからってことでこんなことを提案してきた。
みかんのこの案に対して……
夏音は「えぇと、裕太くんたちを殴ったりはしないよね?大丈夫だよね?」
涼葉は「おー、面白そうだね」
織田さんは「私たちがしっかり誘導すれば大丈夫ですよね?」
すみれは「まあ、良いでしょう。でも失敗したら責任とってもらいますよ」
涼葉以外は止めろよ、乗り気じゃないなら。
もちろん女王様の命令に拒否権は無く俺たちは無抵抗に埋められた。
でも、ひとつわかったことがある。
砂の中って意外と気持ちいい。
そして、全く動けない。ヤバイ。みかん頼むから俺の方を向かないで。
「んー、この辺かな?」
「いーよー。そのままおもいっきり叩いて」
「そりゃっ」
みかんの一撃は……
パッカーーンと綺麗にスイカを2つに割った。
「おー、すごい。みかんちゃんすごいよ」
「まぁね」
「ふん、私でもこれくらいできますけどね」
「じゃあ食べましょうか」
「そうだねぇ、それじゃあ」
「いただきまーす」×5
あのぉ。みなさーん。先に俺たちを掘り起こしてくれませんか?