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2-15 勝負の結果は

「嘘……だろ……」


 翌日、俺はテストの結果が張り出された掲示板を見て思わず言葉を漏らした。

 俺の5教科の合計点は482点。得意な数学は100点だった。それなのに……


「やったーあたしの勝ちだねー何お願いしようかなぁ」


 正直、かなり手応えはあった。みかんって、こんなに勉強できたのかよ……


 みかんの合計点は492点。落とした8点は英語のスペルミス数ヵ所。他は全て満点。完全に俺の完敗だ。


「裕太くんも凄いよ。学年で2番目だもん」


 夏音のフォローがありがたい。そうだよ俺2位なんだよなぁ……


 ちなみに夏音は勉強の甲斐あって合計点は396点。150人中23位なのでまずまずだろう。少なくとも俺の教えは要らなかった気がする。

 で、宇佐美はというと……


「なぁ、宇佐美。お前テスト勝負、自信ありそうにしてなかったか?」

「まーな。そうでもしないと裕太をその気に出来ないと思って」


 まあ、結論から言うと宇佐美の合計点は176点。順位は134番目。本人曰く赤点科目は無かったからセーフだそうだ。

 まあ、宇佐美がいいならいいか。


「で、みかん。何でも言うこと聞くとやらは何すればいいんだ?」


 本当は知ってるけどわざとらしく聞いてみる。


「そうだねぇ、じゃあ、あたしと夏音の水着選びなんてどうかな」

「えっ……みかんちゃん?!」


 あれ、夏音には言ってなかったのか。


「ちなみに拒否権は無いよっ。夏音もあたしに負けてるし」


 権力者って怖いね……

 夏音は観念したのか特に反論は無さげ。まあ、本音は嬉しいんだろうね。


「しょうがないな。で、宇佐美は?」

「うーん、迅くんは次回のテスト勉強かな。せめて平均点はとらないとダメだよ」


 宇佐美が勉強することはみかんにとってなんのメリットも無いが……っていうか、男1人で女性の水着選びとか落ち着かないから一緒に居て欲しかった。


「ん?そんなことでいいのか?」


 あっ、こいつ絶対やらないな。そうみんなが思ったであろう。一瞬、場が凍りついたような気がした。


 おっと、いけない。みかんに例の件を頼まないと。


「え、えーと。みかんに相談があるんだが」

「ん、なんだね?」


 少し偉そうにしてるのがちょっとイラッと……なんてしてませんよ。お願いする立場ですもんね。


「……涼葉も新しい水着買いたいって言ってたから一緒に連れていっても……」


 良いか?と聞く前にみかんが俺のそばに駆け寄り


「え、ほんと?!ちょー嬉しい。もちろん大歓迎。てか連れてこい!!」


 目をキラキラさせながらお願い?……命令?された。

 こいつはどんだけ涼葉のこと気に入ったんだよ……

 俺は「はいはい」と返事をして距離を詰めていたみかんを押し返した。



 家に帰り、涼葉に水着の件を報告。

 すると、涼葉は嬉しそうに「わかった」と答えた。

 普段、俺の前では素直に喜ばない涼葉だが、よほど嬉しいのか今回は素直だ。

 涼葉も相当みかんたちのことが気に入ったらしい。



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