2-14 いざ勝負
昼過ぎ、涼葉の料理を食べ終えたみかんたちは俺の家をあとにした。
帰り際には「夏休み楽しみにしてるよ」と言っていたが、その前にテストがあるやろが……
「賑やかで楽しかったね」
「俺はもう少し静かに暮らしたいけどな」
涼葉はみんなが泊まりに来て嬉しそうだな。まあ正直、俺も悪い気はしなかった。
と、また俺のスマホに着信が……最近はよく来るようになったな……(ほとんどみかんからの厄介事だけど)
そう思い、チャットを確認するとやはりみかんからの着信だった。えーと内容は……
『テスト勝負の景品なんだけど、先に宣言するね』
そういえば何か思い付いたようなそぶりだったな。どんなことであれ唐突に言われるよりかはマシなのでありがたいが、俺に言うってことはまた俺絡みだろこれ。
『景品はあたしと夏音の水着を裕太くんに選んで貰いまーす』
うん。なんとなくそんな気はしてた。まあ、俺は基本的に暇だし買い物に付き合うくらい別に構わないから『それくらいなら普通に付き合うけど?』とチャットで返事をしようとしたところで……
(いや、待てよ?)
俺は打ち込んでいたその文字を消した。
なんとなく、みかんのペースにのせられて買い物に付き合うのはシャクだった。
そこで俺は涼葉に訊ねる。
「なあ、涼葉」
「なに?」
「涼葉も夏休み、海行くよな?」
「そのつもりだけど」
「水着は?」
「うーん、中学生になってから買ってないね。サイズも小さいから新しく買わないとだね」
「みかんと夏音の水着選びに俺も付いていかなきゃいけないみたいなんだけど涼葉も来るか?」
俺がみかんからのチャットを見てから涼葉に訊ねたので、なんとなく涼葉は状況を察してくれたのか、どうして俺が買い物に付き合うことになったのかは聞かずに「私も付いていっていいの?」と聞き返してきた。
「俺としては一緒にいてくれた方が助かる」
「ほんと?やった。じゃあ行く」
これで決まりだ。俺が勝負に勝って「涼葉の水着選びに付き合って欲しい」とか言っておけばみかんたちも満足だろう。
なので、返信は……
『俺に勝てたらな』
まあ、勝っても負けても結果は変わらないんだけどね。
どうせなら勝ちたいじゃん?
そして、テスト当日。
テストは全部で5教科。現代文、数学Ⅰ、英語、化学、歴史。
まずは現代文。有名な小説を元にした問題が多数。他にも漢字の読み書きや、四字熟語、ことわざなんかの問題もある。
なんのために俺が図書館での勉強中に本を読んでいたと思う?このために小説を読んで作者の伝えたいことを読み取る練習をしていたのさ(嘘です……俺が読んでいたのはライトノベルです……テスト関係ないです)
まあ、冗談はこの辺にしておいて。
実際のところこの小説は授業で扱っていたものなので特に問題はないな。はい次!!
次は数学。二次関数の問題だな。グラフを書く問題とかは時間をとられそうだ。とはいえ、そこまで複雑な関数の問題はなかった。これなら数学の問題に頭をクルクルさせていた夏音も問題なく解けてそう。
そして、英語。筆記とリスニングの問題だ。リスニングの声が少し聞き取りづらかった点以外は問題ないだろう。
化学は、イオン結合など。基本的に化学式を覚えているかどうかの問題。テスト前にチラッと周期表を眺めておけば大丈夫。
最後、歴史。鎌倉時代から。校外学習で鎌倉へ行った俺たちがそこで何を学んだのか、そんな意図が問題から受け取れる。
テストの後、HRが終わると、みかんは夏音とすぐに教室を出ていってしまった。
なんだよ、テストの手応えでも聞こうとしたのに。
まあ、結果発表は明日の楽しみにしておこう。




