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魔族の拠点に出発します

「…ゴンペイ…ハンマー…」

「おう、いつもの愛用だからな。雑魚なら潰せる。だが、今回は相手が未知数というし…無理かもしれないが。」

“諦めない。重要”

「というより伯爵令嬢たちは平気なのか?未知のダンジョンだぞ。学校で見ている限り、エナだってシャロル様に勝てる雰囲気はなかったし、サクラ様だって剣の腕は真ん中より下じゃないか。」

「…学校…確かに…実践…別…」

「そうなのですの?それは期待できますわ!私とエナさんとどちらが強いか競争ですわ。…少し待ってくださいまし。私といい、エナさんといい学校では誰も本気を出していないのですの?!ということはアマミさんがもっととんでも無い火力の持ち主ということになってしまいますわ!あれ以上は人間レベルではありませんわ!」

“そんなに強いの?”

「ああ、サクラ様達はその日休んでいたが…学校一帯が爆発に巻き込まれた時に半径10m級の強固結界を展開したからな。しかも無詠唱でだ。あれがなければ俺ら全員死んでたな。元はと言えば、シャロル様が悪いのかもしれないが。」

「何が何でも私のせいにしないでくださいまし!」

『なんだそれは?エナもそんなことできるのか?』

 …無理だと思う。実際を見ていないからわからないけど。ただ、エナって結界は元々張れないからわからないわ。ただ、エナだって何かしら呪文は唱えるわよ。無詠唱なんて論外。

『今度機会があれば連れてこい。』

 嫌。あの性格をどう扱えっていうのよ!


「…立ち話…終わり…向かう…」

「あれか。今日は向こうで泊まって、明日から本格的ってか?」

「…そう…情報収集…宿…実施…現地…仲良く…」

「わかりましたわ。未知数の領域に乗り込むのであれば情報収集は必須ですわ!」

『さて、何が出てくるか。初っ端触手プレイは無しだぞ?』

 変なフラグを立てないでくれないかしら。私とシャロルは女なんだし、エナだってアンドロイドとはいえ身体の作りは女の子よ。

「…集まる…エナ…捕まる…」

「捕まればいいのか?あー女子の体に触れるのには抵抗が…」

「…何処でも…可…なんなら…胸も可…男子…性格調査中…欲見たす…ご自由に…」

「いけませんわ!!今、アマミさんより爆弾発言いたしましたわ!」

“捕まって。移動するにはエナに触れる必要がある”

「わ、わかった。服でも良いか?」

“それは平気”

「…つまらない…心拍変動数…調べたかった…行く…詠唱…開始…」


「うにゃ?ここは何処だ?」

「…到着…」

「ここが魔族の住処ですの?」

「…違う…住処…森…抜ける…案内…ここ…言われた…」

『恐らく街の真ん中にいきなり出現したら魔族が驚いて襲いかねないと思ったんだろうな。研究者の案内人は。』

 そうね。まあ、行きましょうか。


「この森は何か襲ってきたりしないのですの?」

「…不明…」

「む、無責任すぎるだろ!魔族の土地だぜ?きっと、魔物がいたらそれもめっちゃ強いとかねえよな!」

「…検討する…」

“念の為、戦う準備した方が良い?”

『お前は準備するなよ?お前が剣を抜けは魔人になる。その間の破壊力は知っているよな?』

 わかってるわよ。ダンジョンに入ってシャロル達じゃ無理とわかったら参戦するわ。

「…リミッター解除…」

「今、エナさん全体が一瞬赤く光りましたわ。まさか、アマミさんと同じですの?!」

“アマミも光るの?”

「そういや、前の爆発事件の時も光ってたな。あん時は青だっけか?エナとは違って、身体の模様だけが眩しいぐらい光っていたが。」

『そいつもアンドロイドとか言ったりしないよな?』

 流石に、それは無いんじゃない?そんなアンドロイドが沢山いたらおかしいでしょ。

『ロボットだから量産できるだろ。』

 あー確かに。聞いてみる?


“アマミってロボットだったりする?”

「ロボットですの?そんなことはありませんわ!アマミさんと箒に乗った時体に捕まりますが、ロボットのような硬さはありませんでしたわ!というより、どうしてロボットだとお思いになられたのですか?」

『そういえば、そいつは空飛べるんだったな。誰かを乗せる度に誰かに掴まれるのか。大変そうだな。』

“気にしないで”

「アマミさんは魔女を名乗っていますわ。本当かどうかはわかりませんわ。」


 確かに、エナはアンドロイドだから体に触れると硬いし体温もロボットよね。

『それはそうだろ。ただ、見かけは服で上手く誤魔化して人間と大差ないあたり作ったやつは相当の技術力だと考えられるがな。』

 そうね。


「…これで…対処可能…行く…」

「何か変わったのか?」

“見てればそのうちわかる。行こう”

「わかりましたわ。」


「…研究者…曰…あの門…魔族城下街…入口…」

「なんか色々騒がしそうだな。なんかあったのか?」

「…研究者…前…近傍…通っただけ…入る…ないらしい…」

『おいおい、安全って言っていたがそれは話したとかじゃなくって関わらなかったという意味かよ。大丈夫か?まあ、万一があれば全員皆殺しにすれば良いだけだから構わんが。』

 だから、物騒な発言やめてくれない。戦うのは私でしょ。伯爵令嬢はそんなことはしません。

「…聞く…鉄則…」

「そうだな。あれじゃあ俺らも城下町だっけか、に入れないからな。」

「…聞く…」

「エナさん一人では心配ですわ。エナさん寄りによってロッドを持ってくることを忘れていますわ。」

「わ、わかったわかった。行けば良いんだろ行けば。」

『エナは普段ロッドなんて持っていたか?』

 持っていないわ。素が強いから武器なくても平気。ただ、学校では魔力抑制のためリミッターつけているし、学校側でロッドを借りているだけよ。武器を持っていない学生のために貸し出してくれるのはありがたいわね。

『そういえばお前も借りていたな。』

 私は元々冒険者なんかごめんよ。絶対買わないから!

『我を使えば良いではないか。』

 は?学校で貴方を鞘から引き抜いたら皆殺しになっちゃうじゃない!大体、学生内での授業や特訓で本物の剣とか使うのは禁止よ!そりゃ魔術師みたいに、本物じゃないと魔法が放てないとかなれば別だけど。私は貸し出される木刀で十分。弱くて十分だから!


「というより皆でいけば良いだろう?行くぞ?」

「わかりましたわ。もう少し頼り甲斐が欲しいですわ。」

「う、うるさいな。」

『まあ何か起きると面倒だからな。』


 貴方、たまに紛れ込んでくるけど貴方の声も聞こえないわよ?

『お前も人のこと言えないがな。おっと、我は魔人剣だったな。』

 うるさい!誰のせいでこうなったと思っているの!

 職場のパワハラ上司に殺されそうです。

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