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少しはまともな手段を考えて欲しいのですが

「マジかよ。」

「…魔族が住む土地は危険ではありませんの?」

「そこは平気だ。事前に調査してある。魔族も所詮は我々と同じ文化を持っている。すれ違った瞬間に攻撃されることはないから安心してくれたまえ。」

「そこへはどの様に向かいますの。ここら辺に魔族が住む街など聞いたことがありませんわ。」

「この転送アイテムを使うのよ。昔、とある魔法使いと仲が良かった主人のご先祖様が譲り受けたそうよ。仕様はいたってシンプルで持ち主が今まで行ったことのある場所へ転送してくれるの。

 今回は、私達の研究員の一人に魔族の首都までエナを一度案内してもらってその後即帰還。それでエナは魔族の首都に行ったことになるから、エナの案内でこの転送アイテムを使い皆さんを魔族の土地へ連れて行ってもらうの。」

「予め諸注意だが、その転送アイテムを使うにはそこんそこらの魔術師程度の魔力では全然足りん。そこで、案内役の研究員には莫大の魔力が含まれた魔法石を持たせて媒介してもらう。使用回数は2回分。研究員の往復だけだ。」

「ちょっと待ってくださいまし?では私達はどの様に向かいますの?私達にはその様な膨大な魔力はありませんわ?」

「それはエナがいるから大丈夫だ。他に何かなければエナには先に行ってもらうぞ?」

「ど、どういうことかわかりませんわ?!」

“気にしないで。エナに任せて”

「…わ、わかりましたわ。」

「…行ってくる…」


「みんな行ったな。」

「サクラ様?どういうことですの?エナさんは転送アイテムを使える程魔力があるということですの?」

“お楽しみ”


「…戻ってきた…」

“お帰り”

『もう向かうのか?』

 うん。どうせ、1日は無理だろうから少し向こうで過ごすことになると思う。

『野宿か?新米にとっていきなりはキツ過ぎるだろう?』

 いつもお父様とお母様が支援金出してくれるじゃん。だから、今日は向こうで宿か何か探して、戦略を立てて明日現地に乗り込みにする予定。

『ほう。珍しく考えているんだな。』

 何よ。いつも考えているわよ!

『いつもはアンドロイドしかいないから何も気にしていなかったはずだが?』

 だって、エナロボットじゃん!寝ないじゃん!深夜中監視だって出来るし。

『全く、燃料切れだけは注意しろよ?』

 今まで、そんなこと見たことないけどね。お父様曰く空気中の魔力を自動収集しているらしいって言っていたし。しかも、普通にご飯も食べれるからどういう構造になっているのか全くわからないわ。


「…サクラ様…どうかした…」

“作戦考え中。紙に書くから意見があれば言って”

「わかりましたわ。」

「魔族か。不安で仕方ないが…。」

『襲ってきたら皆殺しにすれば問題ないだろう?』

 そんな物騒なことはしません!


「ということは、今から向かいますの?」

“その予定だけど平気?”

「しばらく帰ってこれねえ感じか?」

「…間違い…ない…」

「一度家に帰って確認する必要がありますわ。」

「俺もだな。」

“じゃあ、2時間後集合で平気?”

「わかりましたわ。許可を頂いてきますわ。」

「帰りはどれくらいなんだ?あまりかかると休日だけじゃ終わらねえぜ?」

「…基本…日曜…帰宅…」

“難しそうなら帰るから大丈夫”

「わかりましたわ。では一度席を外しますわ。」


『おい、本当にあいつら連れて行くのか?今までの経験上戦力にならんぞ?それにお前の両親の依頼のことだ。どうせラスボスは魔人かそれに準ずる何かだ。我の力でも100%安全などないぞ?』

 わかっているけど、特にシャロルが行きたそうだったし。もしかしたらそんな強くないかも。

『お前、自分の経験を棚にあげるつもりか?』

「…サクラ様…悩んでる…平気…?」

“大丈夫。気にしないで”


「許可もらってきたぞ。」

“早い”

「俺の家はそんな離れていないからな。シャロル様の方が大変じゃないか?子爵令嬢ってこともあるし、王都から大分離れているだろ?」

『ここのモーレン伯爵は王都からそんな離れていないよな。』

 位が高いからね。勿論それだけじゃないはずだけど。ただ、シャロルの実家は結構遠いわよ。ただ、噂だと魔法技術をうまく利用して毎日王都に通っているみたいだわ。行ったことないから詳しくはわからないけど。


「お待たせしましたわ。準備も整えてきましたわ。」

「なんだ?いつも持っているロッドとは違うじゃねえか。」

「当然ですわ!普段は学校生活に合わせて威力を落としていますわ。本番となっては…特に未知の領域となっては話が違いますわ。」

「つまりシャロル様は普段は本気を出していなかったということか?」

「当たり前ですわ。現状、私の本気で耐えれるのはアマミさんだけですわ。」

『武器によって威力が変わるのか?』

 それは変わると思う。とりわけ、シャロルの場合家が魔法研究施設みたいなものよ。状況に合わせて色々武器を持っているんじゃないかしら。

『ということは、今回の依頼でも期待が出来るということか?』

 それはわからないけど。今は彼女を信じましょう。

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