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両親との決裂だけは避けたい所だけど

“橋下ろした。行く”

「やはり、サクラ様が剣を引き抜くとめっちゃ怖えな。」

 止めて。そういうふうに言われると傷つくわ。既に剣は閉まっているけど。

「というより、魔人になった時定期的に笑みを浮かべるのだけは止めてくれ。その方がよっぽど怖いぜ?」

 あら?そうだったかしら?

『魔人としての本性だな。いわゆるサイコパス的なものだ。殺すことに快感を覚える。』

 私はサイコパスじゃないわよ。

『お前がどのように思うにしろ、魔人の特性はそれだ。魔人化するというのはそういうことだ。』

 ねえ、まるで私が好きで魔人になってその副作用的な話になっていない?私魔人に成りたかった訳じゃないからね?

“検討はする。ただ、魔人化上で私はそこまで自身を制御出来ない”

「そうですの?」

「…サクラ様…奇跡の魔人…大抵…自我…死ぬ…暴れるだけ…自我…残ってる…凄い事…崇拝…必須…」

 いやいや。崇拝なんてしなくていいから。結局魔人として殺していることには変わりないから。

「へえ。よくわからねえが、魔人になるのも大変なんだな。」

 その感想はどういうこと?なっちゃダメよ?


「…一方通行…続く…」

『分かれ道があったらあったで面倒臭いんだがな。』

 確かに。二手に別れるには戦力不足ね。

『戦力不足かどうかは分からんがな。お前とエナが別れれば早くないか?』

 私に戦えというの?

『エナを拾うまでは戦ってただろ?』

 嫌よ!気づいたら服が血まみれなのよ?私は伯爵令嬢よ?お嬢様よ?何でそんなグロテスクな格好で街中を歩かなくちゃいけないのよ。

『初回のダンジョンは脱出後そんなんだったな。両親にも心配されてたな。』

 その後からは着替えを持って行っていたけど、エナが戦うようになってからそんなこともなくなって…今じゃあ、着替えなんて持ってきていないんだから。


「また、よくわかんねえ音が聞こえ始めたな。」

 迂回して戻ってきているのかしら?

『まあ、そういうことだよな。であるならばそろそろ戦闘の準備と言ったところか?』

「サクラ様?あの音の持ち主は強力な魔物なのでしょうか?」

“分からない。魔人という概念も入れて置いた方が良い。両親の目的がそれだから”

「分かりましたわ。しかし、そこまでして魔人を求める理由が私には分かりませんわ。」

“あまり考えない方が良い”

『我もそれが気になるな。魔人を研究して何になる?魔人軍団でも作るつもりか?』

 私が魔人である以上そんなことはしないと思うけど…ことわざに、生まれたての赤ん坊に何が出来る、みたいな物があるじゃない?そんな感じでまだ具体的な理由はないんじゃないかしら。

『まあ、何でも構わんが。ただ、お前は魔人であり両親が魔人研究をしている以上、いつか必ずお前を研究対象にする時は来るぞ?』

 お父様、お母様が?

『あくまで可能性だがな。我は魔人剣。人間の思考回路はよく分からんが、お前を娘としてみるか魔人としてみるかで対応は変わるだろうからな。』

 わかったわ。頭の片隅にでも入れておくわ。


「…止まる…何かいる…」

「また雑魚敵か?何ならとっとと駆除するぜ?」

「ゴンペイさんより私の方が素早く対処出来ますわ!」

「う、うるせえ!相性が悪いんだ、文句あるか!」

『団体はさっき一度会っただけで現状は少数ばっかりだったからな。却って相手が雑魚すぎて何も面白くなかったが。』

 それは貴方目線よ。エナも参戦していなかったけど、結構あの二人疲弊しているわよ?

『まあその分主要戦力のお前らが健全なのは良いことだな。魔人の素を残せる程の魔人となると相当強いだろう。少なくとも、あの二人では健全でも1分もたん。であるならば、本戦に備えてお前達を奥地まで無傷で辿り着かせるのが奴らの任務というものだろう。』

 言ってることは分かるけど、私のチームメンバーをただの戦闘兵器みたいな扱いにするのは止めてくれないかしら。ロボットじゃないのよ?

『おかしいな。アンドロイドがいたはずだが?』

 エナはエナよ。ロボットだけど、エナよ!

『うーむ。我にはサクラ踏まえ人間の考えが一部理解出来ん。』


「…解析履歴…新種…サクラ様…判定…望む…」

 私に言われても困るんだけど。

『霧か?黒い靄があるな。突っ切れば早そうだが。』

 毒ガスなら死ぬわよ?

“私も分からない”

 あれも魔人だったりする?

『ないな。魔人は人間に魔人の素が組み込まれた状態だ。要は形がどうあれ物体が残る。霧化するものはありえない。』

“魔人ではないみたい”

「とはいえ一方通行だしな。迂回出来ないだろ?」

「私が何とかして見せますわ!」

『何する気だ?』

 まあ、気長に詠唱を聞いていましょう?急ぐ必要もないんだし。

『急がないと脱出方法を検討することも考慮し平日までに学校に帰れないがな。』

 余計なことは思い出させないでよ!前も、遅れて学校数日休むことになっちゃったんだから!


 ブオオ…!


「…風魔法…霧…払う…目的…?」

 無難に考えるとそうなるわね。

『うむ。やはりあやつの魔法は他の学生と比較しても明らかにずば抜けているな。』

 そうね。エナがリミッター解除しない限りクラス内で最も魔法が得意だし。

『アマミというものがいたようだが?』

 彼女は攻撃魔法が打てないのよ?論外じゃないかしら。

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