004▼分冊4▼殺人に至るメカニズム◆『ロリコン(児童性愛)』の定義とは?
004▼分冊4▼殺人に至るメカニズム◆解体シタイ◆具体的殺人論説
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――ボーイミーツガール。出会いは全ての始まり
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(委託サイト、一発やる会の管理地などで、有償公開)完結済み。
『小説家になろう』で毎週きりが良いところを連載形式で公開予定です。
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◆補足
けもみみシリーズと世界観がリンクしています。
前なのか、後なのか、今なのか。
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◆◆◆場所:『帰宅帰りの制服(同期)であふれる松長駅』……語り手:『セミロング』
「はぁ……。これからどうしよぅ。なんとなくここまで来たけど、もう、どうしよう。『お金がないってのは首がないのと同じ』だょ、ホントに。『腹ペコで腹ペコ』でたまらない。こんなことなら――」
《やるんじゃなかった》と、肩を縮ませながらに、セミロング姿の女のコが、駅の階段付近の花壇の段差に座ってる。
と言っても、それは、『帰宅帰りを狙うタクシー』の窓に映った私だったりするんだょ?
そんな私なんて、いるのかいないのか関係なしに世界は動いてる。
隣の高校生が、《おい、昨日のテレビ見た?》、《あぁ、あの芸人がバカやってるやつ?》、《そうそう。あれあれ。そんなの関係ねぇ!》、《はまりすぎだろ》、《そんなの関係ねぇ!》って具合に、何やらお祭りみたいなノリで踊ってる。
すごくうらやましいかもしれなぃ。
いや、別にバカなことができる大胆さがうらやましいんじゃなくって、はしゃげる体力ってのがうらやましい。私なんて、ちょっと歩いただけで息切れするぐらいに体力なかったはずだし。
あぅ。ダメだダメだょ。
こんな『マイナス思考』の『ヨワヨワ』な心境になってちゃダメだょ。『ショートヘア(都市伝説好きのお姉ちゃん)』みたいに、明るく陽気な『プラス思考』を見習わないとダメだょね。
「でも、これからどうしよう。お金もないし。行く場所もないし」
だって、私は……。
「へい、そこの姉ちゃん、ちょっとオレたちとお茶しない?」
なんか、かなり『古い(レトロ)』なセリフを聞いたけど、きっと『ラジオ』かなんかだょね。
今時、そんな言い回しでするナンパとかは、なぃなぃ。
「えっ? 無視~? シカト~? それってヒドくない?」
うん。なんかアレです。
すっごく、『ちゃらちゃら』したカンジの大学生が私をナンパしてくれちゃってるょ……。
思わず、『……』って返しちゃうぐらいの心境です。
「えっ、わ、わたしに言ってるんですか? いや、私はその、なんていうか……」
「あはは。『カワイイ子猫ちゃん』だ。君さ、今ヒマ? もしそうならオレたちと」
いや、ちょっとホントになんだろう。
こんな経験は、今までなかったから、どうしたらぃぃか、ちょっと私は……。
「おいおい、オマエ何やってんだよ、そんな高校生なんかナンパして。もしかして『ロリコン』?」
「いや、可愛くね? ほらっ、どっかのテレビとかに出てたようなぐらいに可愛いくね? なんか今時じゃないっぽさが、逆にイイっていうか」
「いやいや、それはないない。もし、こんな『美少女』好きなら、それは『ロリコン』だっての。それより、金持ってそうな『薬科のお姉ちゃん』捕まえようぜ」
《あぁ、それもそうだな。そのほうが色々と楽しめそうだ》と、最初のナンパしてきた男。
《だろ。上手くいけば、『玉の輿』だぜ? そういうこったから、さっさと行こうぜ》と、ナンパ男の友だちらしい男が、車に乗って、どこかへ。
「……なんだったんだろう」
うん、今でも心臓が『ドキドキ』いってる。
いきなり過ぎて、さっぱりついてけなかったけど、これがナンパってヤツなのかな……。
初めてだから、よくわかんないょ。
「そういえば、ここって……」
よくよく見れば、あちこちで『ケータイ』いじりながらに、男の人とか女の人とかが集まっては消えていく。『カップルっぽい人』とか、『今、初めてあったんです』、って人もいるけど、同じく意気投合して消えていく。
なんだか、ここは、私がいるような雰囲気の場所じゃないみたぃ……。
なんというか、ここは『恋の発展場』のような気がしちゃう。――ちょっと、ここは、私に合わなぃ。
《場所を変えよう》と、私は歩き出す。
背中に、『わいわい』盛り上がってる彼らの声を聞きながら、歩き出す。
「でも、これからどこにいこう……」
そんなことを考えながら歩いていた。
――そして、気付けば、彼らの声がしなくなっていた。
◆◆◆場所:『真夜中の牛乳看板のコンビニで』……語り手:『やさ男』
「いや、ありえねぇ。マジでありえねぇ。協力は、するといった。うん、『協力は』と言った。そしたら、『いつも通りにしてくれ』と言われた。うん、間違いなく言われた。――だけど、写真を見たり、『文献を見せられて』、『死体の検証』なんて、俺はいつもやってねぇよ! あの後、帰れると思ったのに、ホントに帰れると思ったのに。『白眼鏡』が、どこかに電話したと思った瞬間、突然、FAXから山のような『写真の群れ』が現れた! ついでに、パソコンのプリンターからも『写真の洪水』で、もう『写真の海』に飲まれたって感じだぜ。いつもあんな死体写真ばっか見てたら、『死体愛好家』になっちまう。誰か『労働基準法』に則って、『労働現場を改善』してください。いや、給料もらってないんで、『労働』じゃないんだけど。えっ、これって『奴隷従事(ただ働き)』ですか?」
とまぁ、事件の現場をまとめさせられました。
何件あったかなんて、十個以上からは数えてない。日本人だけじゃなくって、黄色人、白人や黒人の写真もあったような気もするけど、あんまり覚えてない。
だって、そんなこといちいち気にしてたら、終わるわけないっての。
――ただ『写真を見て答えるだけの機械』になるしかなかったぜ。
そういえば、なぜか、『例のバラバラ殺人事件』の写真があったのは気になった。
だから、聞いてみた。
すると、『白眼鏡』教授は仰った。
《あぁ。知人に情報に詳しい輩がいるので、調べてもらった。業界では【歩く騒怨】と呼ばれている》と、『白眼鏡(先生)』は、平然と教えてくれた。
《なんです、その『騒がしい怨霊』みたいな危なそうなヤツは?》と、僕がツッコんだ。
《なに、彼女は携帯から伸びた右耳のイヤホンマイクで『ユーロビート』を聴きながら、別の携帯から伸びた左耳のイヤホンマイクで『各国のニュース』を多言語で聞きながら、首にかけた『DJ並み』に『巨大なヘッドホン』で『世界中の電波』を受信しているようなヤツだ》と、『白眼鏡(先生)』は、丁寧に説明してくれた。
――うん、間違いない。
『白眼鏡』並に『おかしいジャンル』の人だと、僕は悟りました。
「……もう、毎日、あんなことをやってるなんて『フツー』じゃないです。『人が人を殺す』以上に『人が何かを研究する』ってことのほうが、ずっと不思議です。『フツー』の俺から考えると、アレは異常。……頭が沸いてるとしか思えません」
まぁ、研究者ってのは、ちょっとおかしいぐらいがちょうどいいのかもしれない。『相対性理論』や『発明王』なんて、フツーの人が見たら変人にしか見えなかったし。
「『気付いてるか、気付いてないか』の違いってヤツなのかね? 俺にはよくわかんないけど。つうか、そんなことより、今、何時だよ!」
ケータイの電池は切れてます。理由は、『十九号館(心理学科)』が圏外と知らずに電波出しまくったせいです。
『無料巡回バス』の終電も行きました。理由は、『学校の図書館』の時計では、二十三時を過ぎてたからです。
『白眼鏡』は帰ると思いきや、《お前のおかげで、はかどった。今日中にまとめたい》とか、仰います。
「つまり、徒歩で、家まで帰れってことだよな。蝠山大学から松長駅まで一時間かかるってのに……」
もちろん、一緒に残るって選択肢もある。
だけど、年頃の男と年頃の『超絶美人教授(ドS女王様)』が一緒に夜を過ごすのは……。
絶対悪い噂になりそう。――というか、あの『噂好きのバカ(ショートヘア)』が都市伝説にしそうだ。
とまぁ、ぼやきながら、独りで演説しながら歩いてれば、『千里の道も一歩から』で、いつかは目的地につくものです。
「何故、蝠山大学は、『蝠山』って名前なのに、蝠山市から、電車で十分も離れた松長駅から、さらに徒歩一時間も離れた山の中に建っているのか? それは『東京ディズニーランド』が東京でなく、千葉にあるような理由かもしれない。――つまり、『語呂の良さ』と、『ネームバリュー』と『土地の安さ』が決め手なのだろう」
って結論を出したら、目の前には、駅から五分ぐらいのコンビニがありました。
「もう、晩飯作るのめんどいんで、買って帰ろう。そうしようってワケです」
店の外に一人の女子高生がいた。
制服姿で『紺色のプリーツスカート』に『黒色のシザーバック』をつけた『女子高生』が『逢い引き』か、『ナンパ待ち』か、ずっと座り込んでます。
――ちょっと昔に流行った『地ベタリアン』ってヤツかもしれません。とりあえず、どんなコかなと、チラ見しながら素通りしときます。
で、今、僕は、コンビニで立ち読み中。
『ジャンプ』とか『マガジン』とか『サンデー』とか『チャンピオン』を読んでるわけで。
いや、学生の街って、こういった売れ筋商品は、『いつきても売ってるから助かるよなー』、とか思ってみたり。
散々読んで、散々笑って、散々楽しんで。
――気付けば、時計は日が変わって、午前一時近いです。
「ありがとうございました」
と、『コンビニの兄ちゃん(学生?)』が『営業スマイル』で、『レシート越し』にお釣りをくれました。夜分遅くまで、御疲れ様です。『お客さん(僕)』がいない間、店の奥でゆっくり寝ててください。
「さてと、帰って寝るか。今日は疲れたぜ」
と、一人ゴチりながらに家に向かおうとしたら、女子高生がまだいます。
さっき見かけた女子高生が、座ってます。まだ、座ってます。暖かくなったとはいえ、夜は冷え込むのに、その『短いスカート』は寒いんじゃね?
何故か、無性に気になった。何故だろう? いや、もちろんスカートの長さじゃないです。
コンビニの壁に座り込んで、膝に顔を埋めてる。その表情は、セミロングの髪に隠れて見えません。とまぁ、そんな、じっとしている少女が気になったんです。
一向に動く気配がない。全くない。日焼け一つない白肌の少女が気になったんです。
「なぁ、だいじょぶか?」
とか、僕が聞いてます。
止めとけばいいのに、関わらなければいいのに、何故か聞いてます。人ってたまにワケがわからない時ってありますよね?
《……》と『セミロング』が沈黙で返します。というか、これってシカトってヤツじゃないですか?
そこで止めとけばいいのに、ワケがわからないときは、ワケのわからない行動を取っちゃうもので。
「なぁ、君、大丈夫か? どこか具合が悪いのか? なぁ……?」
と、女子高生の肩をゆすっている自分がいます。正直、『痴漢よ、助けて!』って叫ばれたらどうしようとか思ってる自分がいるわけで……。なんだか疲れてるみたいです。内面描写がやけに丁寧な自分がいると、判断しちゃいます。
そんな僕に、彼女は答えてくれました。
「……。どさっ」
セリフじゃなくって、倒れました。
『どさって』って『擬音語』、つうか、『効果音』を立てて、倒れましたよ!
おいおい、おいおい。ちょっと、これは、やばいんじゃね? いきなり倒れるって何、何、何だ? どっか悪いのか? 発作ってヤツなのか? 救急車を、警察を、いや、消防署だっけ? とにかく、誰かに電話しないと、助けを呼ばないと! って、ケータイの電池切れてるの忘れてたし! おぅ、どうすりゃいいんだ。なんかさっきまでの『低血圧』から、いっきに、『高血圧』になっちまって、俺の心境描写(感情表現)が、ついてこないっての!
「おい、しっかりしろ! なぁ、おいってば!」
とりあえず、駆け寄って、脈と呼吸の確認をだな。
あまり揺らすと、『脳卒中』とか『心筋梗塞』だとマズ過ぎるんで、慎重に。
握ると折れそうな細い首筋に、手を当てながら、口元に耳を近づけながらに、慎重に。ちょっと、冷静になると、《この体勢って、ますます不審者じゃね?》と冷静に自己分析してる自分がいたりする。
「ん……んっ」
と、声がしました。女子高生らしい、ちょっと切なげで、言葉足らずのような、『くぐもった』声で……。
――彼女は、囁きました。
僕の耳に向かって、囁きました。
「――お、おなか空いた。……って、か、顔、近いょ!」
「って、腹ペコで、行き倒れかよっ!」
盛大にツッコんどいた。
盛大に驚かれた分も含めて、ツッコんじまった!
つうか、心配して、損したじゃないか。一瞬、死んでるかって本気で心配した。
この俺の純粋さ(良心)を返せ。めっちゃ、いろんな意味で、『ドキドキ』してたんだからな……。
もし、目撃者とか特に警察がいたら、俺ってば、超、怪しまれるんですが!
今、話題の『バラバラ殺人犯』とかに間違われたらどうするんだよ!
まぁ、結果的には、そんなことなかったんで、万事OKだったんだけど。
――この腹ペコなお姫様をどうすりゃいいんだ?
《お腹が空いて、マジ死にそうです》ってカンジで、『セミロング』が『くぅーん』って泣きそうな『アイフルの宣伝のチワワ(雨の中震える野良猫)』みたいに『助けて欲しそうな視線』を送ってくるんだが……。
とりあえず、ツッコんどく。
「なに、この『安っぽい恋愛劇(ギャルゲー展開)』!」
そんなよくあるコンビニ風景。
よくあるのか、わからねぇけどな。何か、今日はついてない。
いや、日が変わったから二日連続ついてねぇぜ、まったく。
◆◆◆場所:『トイレと風呂が一緒の密室で』……語り手:『セミロング』
「ふぅー。いいお湯だ。久しぶりのお風呂だょ。最近のお風呂は、トイレも一緒になってるんだね? これが、ウワサに聞く『ユニットバス』ってヤツなのかな。初めて見たょ」
そんな具合に、目を輝かせているセミロングのコが、決め細やかで、つやのある自慢の髪の毛を、シャワーで洗いながら、ほんのり成熟した白いふくらみや、窪みに、『シャンプー泡』を流している。
といっても、それは、浴室の鏡に映った私だったりするんだょね。
――いろんな意味で感動だ。
久しぶりに人と一緒に食べたご飯はおいしかった。運動の後のご飯もおいしいけど、それ以上においしかった。久しぶりに入れたお風呂も、すごく気持ちよくて、新鮮だ。
「……いい人そうな人だったな」
どうしようもなくって、途方にくれてる私を助けてくれた。
自分で言うのもなんだけど、夜中にうろついてる、身元不明で、『怪しい女のコ』を助けるのって、フツーじゃできない気がするょ。いくら、そのコが、自分の立場を主張したって、それは嘘かもしれなぃのに。実際は、物取りだったり、強盗だったり、殺人鬼だったりしたら、どうするんだろう――。
「いい人だけど、お人好しってのかもしれない……」
いやいや。そんなこと言ったら、バチが当たっちゃぅ。
あそこで助けてもらえなかったら、きっと飢え死にしてたに違いない。そしたら、カラスにつつかれたり、野良犬にかじられたりして、痛そうだ。
うん、めっちゃ痛そうだ。小指を角にぶつけても痛いのに、そんな目に遭ったら、痛いじゃすまいないかも。
あれ? 死んでたら、そんなことも考えられないのに、何いってるんだろ、私。
感動しすぎて、ちょっと、思考回路がついてきてないのかもしれない。とりあえず、はっきりと言えること。
「やっぱり、生きているって素晴らしい。それだけで、ステキなことなんだょ」
うん。そうに違いない。
今の私だから言えること。元気になった私だから言えること。
まぁ、あんなことがあったからこそ、言えるんだけど……。
「でも、これからどうしよぅ。どうしたらいいんだろぅ……」
わからなぃ。
何度考えてもわからなぃ。
もう何回数えたかは、百回超えたあたりで考えるのを止めた。
「なんとかなるのかな……」
自信なさげに、身体を縮めて、私は呟く。
――同じく、鏡に映った『セミロング』が辛そうで、心配そうで、どうしようもない顔で、私を見てた。
「私の居場所ってどこにあるんだろぅ?」
私を見つめる『セミロング』は、何も答えない。
ただただ、悲痛そうな笑顔を向けてくれるだけ。
◆◆◆場所:『風呂上り(シャンプー香る)の六畳間』……語り手:『やさ男』
「いや、これからどうするよ? 腹ペコそうだったんで、一緒に飯食べて、『当たり障りなく(適当)』に会話して。疲れてそうだったんで風呂貸してやって、ついでに俺もその後風呂に入ったわけなんだが、これからどうする? なんか会話が途切れちまったぜ。つうか、時計を見れば、いい時間。これなんて『丑三つ刻』ってヤツだ。『良いコ』も『悪いコ』も『元気なコ』も、俺みたいなお兄さんも寝る時間だぜ? これから何かやろうって雰囲気だけど、男としてそれはやっちゃいけない気がする。だって、相手は――」
と、心の中で絶叫しながら、目の前のセミロングの女のコを見る。
……どうみても『女子高生』です。ありがとうございました。
といっても、俺の服を貸してます。『パーカー』貸してます。『スカート(プリーツ)』はさすがに持ってませんし、足の長さは合わないので妥協してもらってます。もちろん、洗濯してたヤツですよ。
いやっ、『変な下心』なんてないですって! さすがに風呂上りで、制服着っぱなしってのも、どこかの『風俗』みたいなんで、俺の服を貸したんです。
《ちょっと、大きいかも》って具合に、手をちょこっと出してる姿が何とも……。
いやいやいやいやいや、断じて否!
俺には、そんな『幼女趣味』とか『幼女嗜好』とか『幼女萌え(オタク)』な趣味は持ってない!
つうか、『大学生が女子高生に恋する』ことは犯罪なのか? 年齢的に考えても、大体五歳ぐらいしか離れてないのに、これは異常なことなのか? 社会に出たら、三十歳の上司が二十歳の新人社員と結婚するとか、ざらじゃねぇかよ。酷いときなんて、五十歳と二十歳なんて、『歳の差カップル』なんてのもあったりするし、歴史上では、第二次世界大戦のドイツ空軍の『撃墜王』なんて、十五歳年下で、当時五歳の女の子と入籍してるじゃねぇか!
つまり、『恋愛や情欲ってのは年齢の問題ではない』ってことになる。
――では、逆に考えてみよう。もし、同じ二十歳の年齢のカップルがいたとしても、一方がどう見えても小学生にしか見えない容姿での恋愛に関しても『児童性愛』と呼ばれる異常な恋愛になるのだろうか?
それがただの『童顔』な場合もあるし、『身体的疾患』や『心的疾患』によって、成長が十分に行われていない場合もある。
しかし、二人の間にある『恋慕感情』は『正常なカップル』の間で営まれる関係と全く同じものであり、異常とは言いがたい。
つまり、『恋愛や情欲ってのは見た目の問題ではない』ってことになり、『背理法』でも『ロリコン』という存在を定義することなど、やはり、できないというわけで。
「……ねぇ、『やさ男(兄ちゃん)』? さっきから『ブツブツ』言ってるけど、大丈夫?」
うぉっ、お兄ちゃんって言われた!
可愛らしい、舌足らずな妹ボイスで、心配された!
――だ、ダメだ。そんな潤んだ瞳で、俺を見ちゃいけません!
女子高生とこんな状況になって、無駄に『ドキドキ』し過ぎて、『俺はロリコンじゃない』ってのを必死に『自己弁護』してるのに、『一人っ子の男が言われたいことNo1』といっても過言じゃない言葉と状況は反則だぜ。
つうか、理性が持たん! マジで、一線超えちまったっらどうするんだ! 俺って人として最低ジャン。――まぁ、そんな『下半身直結』のヤツは腐るほどいるから、こんな『援助交際』とか、『出会い系』とか『美人局』とか『エイズ感染拡大』とかあるんだが……。
って、また何か俺の頭が、暴走気味で、哲学始めちゃってるぜ。『小学校で性教育』をするのはありだけど、『避妊具』の使い方を教えるのはどうかと思うよ。『刑法四十一条』じゃ、『十四歳未満は責任能力がない責任無能力者』ってされてるんだぜ。つまり、『小学生が性行為』に及んだとしても、法律では処罰が控えられるってことで、これって、ある意味『やりたい放題』の状況で、かなりヤバくね? つうか、俺の『一人称』って僕じゃなかったっけ? もう、俺で固定なんですか? はい、こんなカンジに、心中穏やかじゃないです!
「で、なんでまた家出したんだ?」
えぇ、穏やかじゃないのは、これが理由なんです。
なぜならば、『腹ペコ女子高生』は、『家出少女』に進化したんです。
もう、これって『不思議な恋愛展開(ギャルゲー展開)』を通り越して、『超展開』って状況です、マジで。
「そ、それは……、家に帰れないっていぅか、その……」
と、『セミロング』は言い淀むばかりです。
なにやら話せない事情があるみたいです。
まぁ、家出ってのは、フツー、人には言えそうにない理由があるのが、フツーな話で。
「あぁ、わかった。わかった。もう、言わなくていいって。このまま、無理に聞いてたら、『誘導尋問やってる検察官』みたいだぜ。それに、時間も時間で……、もう三時時過ぎてるし! さっさと寝るぞ。疲れてんだろ?」
《あっ、うん……。そぅだけど》と、『セミロング』がまた言い淀んでます。
「あぁ、ないない。心配しなくても、襲わねぇよ。俺は、誰彼構わずやるのような『発情した猿』とは、違うっての。『セミロング』は、そっちのベッドで寝てくれ。俺はこっちの、隅っこに丸まって寝るんで」
「いや、そうじゃなくって。『やさ男(お兄ちゃん)』は、それでいいの?」
何がいいのか、わかりません。
エロいことしか思いつきませんが、アレですね。
これは『反語的』に考えればいいんですね。女子高生は、『漢語』を習う年頃ですもんね。――わかります。
「あぁ、わかった。そんなに俺が信用ないんなら、俺は、風呂場で寝る! 俺が出れないように、ドアの前に、テレビか机か冷蔵でも置いて、『学内闘争』に出てくるような頑丈な『バリケード』でも作ってくれ!」
《……じゃあ、ベッドを借りるね》と、『セミロング』が、『ほんと、ごめんね』って、感じに布団に潜る。
「じゃ、そういうことで、お休み。電気消すぞ?」
どうやら納得してくれたらしいし、風呂場に監禁されずに済んだらしい。
内心、ちょっと一息。
そんな俺に、『セミロング』が一言。
「おやすみ。『やさ男(お兄ちゃん)』」
『それで、最後』とばかりに、部屋は黒へと染まる。
ただ、『寝息だけ』がする静寂へと変わる。
――まぁ、俺は『興奮しすぎて』、寝れないんだけどね。
◆◆◆場所:『昼食後(昼下がり)の教室移動(腹ごなし)』……語り手:『やさ男』
「いや、そこは、やれよ。男なら、やれ。徹底的に、『相手が参りました』って言うぐらいに、やらなくてどうする。相手が納得しようと納得しないとか、そんなん関係なしに、ただただ、ひたすら、やれ。やった後で、納得させろ。行動で見せ付けた後に屈服させろ。そんなことだから、『甲斐性なし』って言われるんだよ。優柔不断ここに極まりってかい?」
《だから、日本の外交はダメなんだ!》と、『ショートヘア』が、腕を『ぐるぐる』させながら、主張しながら、歩いてる。
頼む! お願いだから、誰かにぶつからないうちに止めろって。
――おいおい、今、通行人に『ラリアット』気味だったぞ……。
それに、今、僕はすっごく眠いんだ。
結局、昨日、あれから一睡も寝れなかったし。も、もちろん、『ヘンな想像ばっかで寝れなかった』ってワケじゃなくってだな。
それに、ちゃんと、家を出るとき、『セミロング』には、自分の家に帰るように鍵も渡してから学校に来たわけでだな……。
まぁ、とりあえず、アレだ。
「危ないから、『歩きながらの選挙活動(演説)』は止めなさい。それと、お前、絶対、心理学科より、政治方面専攻したほうがよかったよな? 無駄にヘンなところに気付いたり、物事の矛盾を指摘するのとか上手いし。特に『帝王学』とか『宗教の教祖様』とか似合ってそう」
「いやいや、『やさ男』のツッコミ技術には、負けるよ。私の『華麗な正論』を、『悪魔の代弁者』っぽい『皮肉』で、『風刺』にしてくれちゃう。もう、まさに天敵! 『ハブとマングース』ってカンジで!」
おい。
――どっちが『ハブ』で『マングース』か教えてくれ。
僕は、かなり、毎回、一方的にコイツにやられてる気がするんだけど……。
『観察者が違えば、認識も違う』ってものかもしれない。
《それは、そうと》と、『ショートヘア』が何かを『電球マーク』を出したように、閃いた。
「昨日、電話したのに、なんで出なかったの? ずっと、電源切れてたじゃん? もしかして、誰かといたの? なに、彼女かなんか?」
すっごく嬉しそうな、勘ぐるような、楽しむような目で、見てるぞ、コイツ。
なぜか、『白眼鏡』が思い浮かぶ。――うん、それはない。むしろ、勘弁。美人だけど。
ついでに、『セミロング』が思い浮かぶ。――うん、それもない。むしろ、あっちゃいけない気がする。
「いや、ただ電池が切れてた。そんだけだ。別に何もやましいことなんてしてねぇよ」
そう。電池が切れてたのも本当。
それに、やましいことをしてないのも本当だ。
うん、僕は、『清廉潔白』な『聖人君主』だぜ。ほら、あんなに『輝かしい太陽』に向かって、笑顔を返せるぐらいに心は澄みわたってる。
「へぇー。だったらいいんだけどな。いや、むしろ、残念だ。もし、万が一、『神の悪戯』か『宝くじの1等前後賞が当たる』ぐらいの奇跡で、『やさ男』に彼女が出来てたなら、『盆と正月』と『クリスマスにバレンタイン』が『ゴールデンウイークに一緒に来た』ってぐらいに盛大に祝福してあげたのに。――そう、『盟友』として」
あれ? 俺たちの中って、天敵じゃなかったっけ?
つうか、盟友じゃなくって、盟友って、どっかの『中国マフィア』かよ。――具体的に言えば、『蒼天の拳』に出てきそうな『仁義厚き義侠たち』だけど。
「まぁ、そういったワケで、別に何もねぇよ」
「ふーん、そうなんだ。何もないよねー、何も」
と、相変わらず『ショートヘア』は、嬉しそう。何、まさか、僕の心中を察してくれてたのか?
そう、そうだぜ。僕は実は――。
「『ロリコン』なんだよね? いや、もっと具体的に言っちゃうよ。『女子高生好き(変態)』さん☆」
――今、なんて言った!
この『年がら年中(春全開)のお花畑』は、なんて言った。
全国の『女子高校生好きな(青春真っ盛りな)連中』全てを、敵に回したぜ、コイツは!
「つうか、俺は『幼女萌え(ロリコン)』じゃねぇって! 勝手に決めてんじゃネェ! 人聞きが悪いじゃねぇか。それにいつ、どこで、誰が、どんな風にそんなことを『暴露宣言』してたんだよ!」
「えぇ~、ウワサで聞いたんだよ。都市伝説とまでは行かないけど」
あぁ。そんなの都市伝説になってたら困る!
『大学生は女子高生に性欲を持て余す』ってのがあったら、色んな意味で、怪奇過ぎ。
「というか、どこでそんなウワサ聞いてくるんだよ! 毎回毎回、ニュースでもやってないような、新聞にも書いてないような、世界の誰も知らないようなことを、何でお前は知ってんだよ!」
「えっ、みんな言ってない? 『例のバラバラ殺人』は、昨日は特に進展ないし、ある『やさ男』は、『女子高生』と部屋から出てくるし。そんなのみんな知ってることだよ」
イヤ過ぎる。
そんなこと、みんなが知ってたら、イヤ過ぎるってレベルじゃない。
――お前の情報は、『主婦ネットワーク』を超えるというのか!
「なわけねぇだろ! そんなの初めて知ったぞ。それに、みんなって言うけど、俺は知らなかったじゃねぇかよ」
「えっ、だって、『やさ男』は『甲斐性なし』だから、『みんな』の中に入ってるワケないじゃない。最初から、『はみご』だし」
何その、よくわからない方言は。
僕は、『他県(外部)』から来たんで、『蝠山』の方言には疎いぜ?
「つまり、『仲間じゃない』ってことだよ」
うわっ、酷っ!
聞き返してないのに、あえて補足してきやがった。
――俺たちって『盟友』じゃなかったのかよ。
「まぁ、疑いたきゃ、好きなだけ疑ってくれ。どうせ、いくら口で言っても疑うんだろ? 俺は、別にやましいことしてねぇし、何も痛むところはないぜ? ほら、好きなだけ言ってこい。全部、『右から左』へ受け流してやるぜ?」
《むむ、『やさ男』のクセに生意気な……》と、『ショートヘア』が、『難攻不落の城攻め』をする『軍師(孔明)の如く』に真剣な表情で、戦術を練り始めた。
まぁ、そんなことしても『無駄無駄無駄』だぜ。だって、今回は、僕に落ち度は何もない。
――この万全の『鉄壁の布陣』を落とせるモノがいるだろうか? いや、いるはずがない。
女子高生が習ってそうな、漢語の反語的表現で、断言してやる。
もしあるっていうなら、この僕の絶対優位を崩すような、言葉を言ってみろ!
「……お兄ちゃん」
うわっ、コイツ……。なんて、声出してやがる!
俺は、『お兄ちゃん』って呼ばれて、萌えるような、『属性嗜好(妹萌え)』なんてねぇぞ。
――この、『ショートヘア』め、女子高生繋がりで、俺を陥れるという策略か。
だが、そうは問屋が卸さないぜ。
「お前なんかにそんなこと言われて喜ぶと思ってるのか! つうか、キモイ!」
よし、言ってやった。
言ってやったぜ。
その『お兄ちゃん』なんて言ってる、マヌケ面を指差して、『ビシッ』って言ってやったぜ!
「いきなり、ヒドいよ。『やさ男(お兄ちゃん)』……。昨日は、あんなに『やさしくしてくれた』のに」
「えぇい、まだ言うか。コイツ、いい加減にしつこいぞ! そのやや長めな髪の毛を揺らしてんじゃ……」
あれ、『ショートヘア』より、髪の毛長くね?
なんか長くね? 大事なことなんで二回言いました。
「へぇー。女子高生に、『お兄ちゃん』って呼ばせるヤツだったんだ、アンタ……」
《ハッ、私の予想の斜め上を、虚数方面に飛んでいきやがった》と、『ショートヘア』が、『半目』で、はき捨てました。
「じゃあ、もしかして、こっちは……」
《キモイって言われた……。しつこいって言われた……》と、『セミロング』が『世界が終わる』とばかりに、俯き気味で、なんか泣きそ――。
「盛大に歯を食いしばれッ、クソ野郎!」
ってカンジの『声を聞いた』と思ったときは、手遅れです。
盛大に吹っ飛びました。『昇竜拳』ってやつですか?
――アゴが痛いです。
それに、思えば、『ショートヘア』の声だったような気がします。地面に『ゴロゴロ』と転がる僕に、『ショートヘア(彼女)』は言いました。
「――『乙女』泣かしとんじゃねぇ。その愚息、踏み砕く」
なんか、トンでもないこと言ってますよ、この人。
めっちゃ、男前なコト言ってくれてますよ、白昼堂々、みんな見てるところで。
――もう、『バカ騒ぎ(てんやわんや)』です。
……もう、『痴話喧嘩』になってます。
冒頭の、この街の異様な雰囲気は、どこいったんですか?
「――おい、『バラバラ殺人』ってのは、どこいった?」
「ハッ、そんな『人が人を殺す』なんて、『三文芝居』なんかよりものぅ、『ピュアな乙女(生きた純情)』のほうが重要じゃろうが!」
断言しました。
断言されました。えぇ、はっきりと、断言されました。
――それも『方言(広島弁)』。
「『人が人を好きになる』ってことのほうが、『永遠の命題』じゃろうに!」
追撃しました。
追撃されました。えぇ、激しく追撃してきました。
――むしろ、『備後弁』?
しかも、言葉で、追撃するだけでなく、倒れてる僕に対して、『弱きを助け強気をくじく』、『漢の中の漢』が――。
――そこで、ボクの意識は、途絶えた。
◆◆◆場所:『とある図書館見学(戦争)で』……語り手:『ショートヘア』
「おいおい。なんだ、そんなことだったんだね。いやいや、心配して損しちゃったよ。『ウソ・大げさ・紛らわしい』のは、やっぱダメだよ。絶対ダメダメ、『ダメ。ゼッタイ』。おかげで、変な誤解しちゃって、あやうく、『日本公共広告機構(AC)』に電話しちゃうところだったよ。いや、むしろ、『警察』に電話しちゃうところだったよ。ここに、『女の敵(変態)がいます』って!」
毎度ながらに、『ショートヘア』が、盛大にノリノリで、詰ってます。
――といっても、図書館のガラス扉に映った私なんだけど。
「僕は、悪口を言われて喜ぶような、『被虐性淫乱症(マゾっ気)』なんて持ってません」
と、『やさ男』が、『不満爆発!』って、自己主張してきてるけど、まぁ、面白いので、ほっとく。
何があったか知らないけど、このまま、いじり倒してやる。
どんなことがあろうと乙女を泣かせたことには、変わらん。報いを受ければいいのだ!
「『やさ男(お兄ちゃん)』は、困ってる私に『やさしくしてくれた』だけだょ」
《だから、別に変なコトされてないから大丈夫だょ?》と、『セミロング』が『フォロー』を入れてくる。
――ふっ、お嬢ちゃん。そのセリフは『場面』を選ばないと、修羅場を生むぜ?
あぁ……。それにしても、この女子高生は、ホント、とびっきりの笑顔で笑うな。
マジで、最近テレビで、よく見たことあるような可愛さだ。私が男ならほっとかないね!
「――まぁ、それはそうと。スゴい、偶然だね。『セミロング』。この前、『マック』で会ったときぶりじゃない? 世の中って狭いよね。『友達の友達は友達(敵の敵は味方)だった』ってのが、しょっちゅうだよ」
「……うん。私もびっくりだょ。『やさ男(お兄ちゃん)』が言ってた『都市伝説好き』って、『ショートヘア』だったんだね」
あれ? なぜ、私は『お姉ちゃん』じゃなくって、名前で呼ばれるんだ……。
はぁ……。こんなカワイイ妹に、一度、『お姉ちゃん』って言われてみたかったもんだよ。
それこそ、双子の『ロングヘア姉妹』の『以心伝心な熱愛』っぷりとまではいかなくとも『姉妹愛』とか『姉妹の友情』ってのをやりたかった。
フツー、『一人っ子』って、そんなこと思っちゃったりするよね?
「なに、お前らって、知り合いだったのか?」
《うちのコが、不良になるんで近づかないで!》ってカンジに『やさ男』が復活してきやがった。
「何か悪いことでもあるの? そりゃ、私たちはお互いの『秘密(都市伝説の改変)』を共有し合う仲だけどさ」
あれ? 『やさ男』、今、ものすごく変な顔しなかった?
――なんというか、やらしい。
あぁ、『秘密』って単語に反応したのか……。
――なんという小学生並の『ド低脳野郎(大馬鹿野郎)』だ。
「まぁ、せっかく会えたんだし、授業後、三人でどっか行かない? ご飯食べに行ったり、『都市伝説(積もる話)』でも話したりしてさ」
「おー、いいな、それ。『ショートヘア(バカ)』のクセに、中々(なかなか)、いいこと言うじゃねぇか」
今、こいつ。私の名前に『バカ』って読み仮名つけやがったな。
「うるさいっての。別に減るもんじゃないし、みんなで楽しんだほうがいいんだよ。私たちの再会を祝してパーッと!」
「えっと、ホントに私も混ざってもいいのかな? 迷惑じゃなぃ……?」
「いいの、いいの。『セミロング』と私のためにやるんだし。『やさ男』は、ほっときゃいいんだよ。もし、迷惑だって思うんならこなきゃいいんだし」
《なっ、誰が迷惑だ、この野郎!》とか、『やさ男』が何か言ってるけど、バカの言葉は私にはわかりません。こりゃ、『通訳』が必要だね。
「それに、その制服って、『冥王台』のでしょ? 『オープンキャンパス』じゃないのに、学校見学なんて、勉強熱心なお利口さんには、お姉ちゃん、サービスしてあげるって。うん、いろいろ教えてあ・げ・る♪」
《誰が、お姉ちゃんだ。どちらかというと、鬼……》とか言いかけた『やさ男』が突然、腹を抱えて、うずくまります。
――きっと、日ごろの行いが悪いから、サッカー部の『流れ蹴り』でも入ったんじゃないかな。
「とまぁ、そんなところで、私たちは授業行くんで。『図書館』で、時間潰しておいてくれないかな?」
「うん、わかったょ。二人とも勉強頑張ってね」
うん、お姉ちゃん、午後の授業、寝ずに頑張っちゃう。ノートもしっかり取っちゃうよ!
――マジ、可愛いぜ、この妹。
マジ、『お持ち帰りぃー♪』って叫んで連れて行きたいね。なんか、認めたくないけど、少し『やさ男』の気持ちがわかったような気がする。やっぱ、『か弱い』ってのと、『儚げ』ってのは、守りたくなるモンだ。
――これが、『オタク(職人)』たちが言う、『萌え』ってヤツなのかもしれない。
そう、結論し、私は授業へ向かう。
地面に転がってる『やさ男』を、ほっといて。
Presented by 一発やる会
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