Let's go アキバーー!!
俺は今…秋葉原に来ていた
理由は六鹿が昔から好きなアニメのイベントがあり、それの付き添いとして呼ばれたのだ。
『なぜ俺なのだ…』
『アンタ…私がここにいる理由わかる?』
六鹿は腕を組みながらタイムマシン研究所(仮)の床を何度も何度も強く踏む
『そんなの俺とタイムマシンを造──』
『勝手に私も造りたいからここに居るみたいな言い方しないで!』
『じゃあなぜだ』
『私はね。アニメを知っているアンタに騙されてこんな所にいるんだよ!忘れるなこの科学オタク!』
その後は六鹿からの言葉の攻撃を二時間耐えた後首を猫のように掴まれアニメオタクの聖地である
ここ秋葉原に連れてこられたのだ。
「なあ六鹿」
「なによ」
「なぜ俺なのだ」
「アンタ、基本外に出ないでしょ?だからいいかなって。あとは今日のイベントではカップルじゃないと買えないペアグッズがあるから一番カップルに見えると思ったのはアンタだけだったてことよ」
「そうか…」
六鹿の言葉に納得してしまう俺が居る…
「カップルということはもしかして…」
「腕を組んで列に並ぶのがルールらしい…」
俺と六鹿はお互いの顔を見合わせて同じタイミングでため息を大きく吐いた。俺としては…いや男としては嬉しくないというと嘘になるが六鹿が嫌なのではないか?という謎のジェントルメンな俺が俺に語りかける。
『六鹿は嫌がってるのではないか?』
「しかし…俺は来たくて来たんじゃ…」
『お前も男なら女性に恥をかかせてはいけない』
心の中だけにいるジェントルメン御村と今、六鹿と共にイベント会場に向かっているリアル御村は対峙した
そしてリアル御村とジェントルメン御村はドローで終わった。
なぜなら…俺は六鹿とはぐれたからだった
俺は六鹿を探して縦横無尽に駆けた。
人混みを避け彼女のGPSを起動し彼女を探す
「なぜあの筋肉女はスマホを研究所の机に置いていくんだ!連絡もとれない、場所もわからないどうやって探せというのだ!」
スマホをポケットの中に入れ、彼女の来ていた服などを見かけるとわざわざ追いかけては顔を確認しすぐにまた彼女を探すを繰り返していると何かにぶつかった。
「アタシの腕が逝ったあああ!!」
「すまない、大丈夫か?」
ぶつかった相手は筋肉女…ではなく六鹿だった。
両手に持っていたであろうアニメグッズや本が床に散らばる
「御村ァァァ!!今すぐ一緒に拾えええ!」
「はっ!お任せ下さい!」
俺と六鹿は急いで本やアニメグッズを袋に入れていく。その時に何回か手が触れ合ったが俺は入れるのに必死でそんなのを気にしていられなかった
「ふ〜入れ終わったわね」
「ああ。久しぶりに外に出るとあまりいい事は無いな」
俺と六鹿は近くの喫茶店で話し込んでいた。
もちろんアニメや六鹿が買った勝利品の説明などを30分間みっにりと聞かされたが六鹿はとても楽しそうに話してくれたが、疲れきっていてまともに話を聞く気にもなれなかった。
「ねえ御村。聞いてる?」
「すまないおっぱいが大きい女の子が好きってことしか頭に入ってこなかった」
「それだけわかってたら話した甲斐があった」
「そんな話しかしてなかったのか!?」
呆れた…この女はつくづく人を馬鹿にしているのか本気なのか分からなくなるのが短所でもあり長所でもあるのが弱点だ…
「じゃあ帰りましょうか」
「ああ。帰ろう」
俺たちは喫茶店をあとにしてタイムマシン研究所(仮)に帰るべく電車に乗って帰った。
電車の中では六鹿は意外と喋らずひたすら窓から見える景色を見ては何かを呟いていた。
その光景が俺には六鹿が消えてしまいそうな気がして…気がついたら俺は彼女の腕を掴んでいた。
「な、なに?」
「す、すまない…」
互いに目を背けていることに俺は少し安堵した。あのまま話をしていたら六鹿にぶっ飛ばされるところだったに違いない。
「着いたな」
「着いたね」
彼女と共に歩いているうちに俺は初めて出会った時を思い出していた。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
『ねえ。何をしているの?』
『俺は今…悩んでいるのだコーヒーゼリーを買うか焼きたてプリンを買うかでな』
『へえー学年1位の御村でも悩むことはあるんだ』
『俺も人だからな』
『私なら焼きたてプリンを選ぶかな』
『理由は?』
『私がコーヒーゼリー食べれないから』
『そうか…じゃあ焼きたてプリンにするか』
『くれるの?』
『1個だけだ』
『ありがたく貰うわ』
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
『こないだは助かった』
『で?』
『でも、いいのか?学校では話すなってお前あれほど言ってたじゃないか』
『アタシは確かに顔立ちいいから目立つけど学年一位のアンタなら話してても大丈夫でしょ?何かあったら一緒に単位を落としましょ?』
『えっ…』
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
『御村はどうしてタイムマシンを造りたいの?』
『過去や未来…パラレルワールドをこの目で観てすべてを変えてやる為だ。俺は現在に満足していないのだ。もっと特別で誰にもできないようなことをしてやりたいのだ!』
『まるでアニメのキャラクターね』
『そうかもしれないな。そうだお前をメンバー第1号に任命してやろう。』
『楽しそうだからいいわよ。その代わり───』
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
「なあ六鹿」
「なによ。荷物が重いとか言わないでよ私も足が棒のようなんだから」
「そうじゃなくてだな…」
「なによ?そこまでためるなら気になるじゃない」
「俺がお前をタイムマシンを造るメンバーに任命した時なんて答えたんだ?」
「それは言えないかな…」
「言いたくなったら言ってくれ。お前は隠すのが1番ヘタだからなそのうちボロがでる」
「アンタ、まるで私の親みたいね」
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
「楽しそうだからいいわよ。その代わり“アタシを独りにしないでよ?アタシはこう見えて寂しがり屋なんだからね"」
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
なんて言える訳ないわよ…
今、私は独りじゃなくてタイムマシンを造る他のメンバーと一緒なんだから…
次の日、正俊は朝早くから俺を呼び止める。
「お、リーダーちょっとちょっと」
玄関から手を招いて俺を呼ぶのはパーカーを着た正俊だった。
アイツにしては珍しい服装だ。
基本は白衣に黒メガネをかけてコーヒーを啜っている正俊しか見てないのでパーカーの正俊はかなり新鮮だ。思わず写真を撮っていいか聞いたが拒否された。
「どこかへ出かけるのか?」
「うん。これから大学で知り合ったエンジニアに会いに行くんだ」
「あー…大学生だったな…」
「何その年下に見てましたよ感は!」
「だってなあ…低身長で六鹿にも『ショタ白衣はそそりますわぁぁぁ!』って叫ばしてたろ?」
「あったねえ。初めてあった時なんか写真撮られすぎて人間不信になりそうだったよ」
「あはは…」
俺も初めて会った時は正俊のことを年上には見れなかった。今でもたまに正俊のことを年下に見てしまうことがある。低身長で誰にでも敬語で…
そして包み込まれるかのような安心感…そして1番年下に見られてしまう理由…それは!
声変わりをしなかったショタボだ!
だから俺には正俊を年上に見ることは……正直できない…
「じゃあ出かけてくるね」
「ああ。7時までには帰ってこいよ、今日はタイムマシンについて会議をするからな」
「僕は子供じゃないよ!!」
怒らせてしまっただろうか?
帰ってきたら謝らなくてはな……もちろん六鹿も一緒に、な。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
六鹿が起きてきた。
早速、正俊が居なくなって驚いている。
鳥が産んだ自分の卵をほかの動物が食べてるのを見つけたみたいに。
「なあ六鹿」
「なに!?」
「エンジニアって何をするんだ?」
「知らんわ!グ〇れカス!」
「ええ…」
俺と怒り狂う六鹿は淡々と会話を交わしていた。
「今回の会議ではそろそろまともな議題があるんでしょうね?」
「もちろんだ。この懐中時計について会議をする」
「私には何の変哲もないただの懐中時計に見えるんだけど!?」
「見た目は、な」
「何その意味深な言い方」
「まあ、7時の会議を楽しみにしておけ」
「今私を怒らせると何をするかわからないよ?」
六鹿は頬を膨らませ目を尖らせ俺を睨みつけるも俺はそれに耐えれないので部屋を出てスーパーへと自転車を走らせた。
「ここは変わったなあ。前までは公園があったのに今じゃ商品棚に変わって…」
「どうして独り言をしているの?」
「お前は人形姫…じゃなかった。メンバー3号!」
「どうして名前を呼ばないの?」
「俺はあのとき3号の名前を聞けなかったんだが?って言っても分からないか…」
彼女は酷く悲しそうな目を向けているような気がした
「それはありえない、初めてあった時に実験とかの前にちゃんと自己紹介もしたし私の親が大家さんをしているところに住んだら?と言ったのも私」
「そう言われてもなぁ…記憶にないんだよ」
「そう…なんだ…」
「どこへ行くんだ?」
「用事を思い出したから家に帰るの」
「そうか」
とても不思議な感覚だ。
前にもこんなことを話したような気がしたが全く思い当たる節がない。まるでその記憶だけ消え去ったような気がするが…やっぱり思い出せない。
俺はスーパーを出て懐中時計を見た。
やっぱり見た目は何の変哲もないが水の入ったペットボトルを少し減らして懐中時計の近くにおいて見た。すると僅かだが量が増えていっている…
「なっ!?」
自分の目を疑った。
これは夢で俺は寝ぼけているのではないかと。
しかしそれは現実だった。俺は今、世紀の大発見を見たのではないのか…と昂る心を抑える。
ただ場所が…スーパーから近くのゲーセンって…