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Zukunft―Wahl   作者: 黒帽子
1/6

未来を願う者

子供の頃に見たアニメや漫画でタイムマシンやタイムリープ…過去や未来にいける主人公などに憧れていた。

過去に戻ったら若い頃の母親や父親に会ったり教科書に書かれている歴史的瞬間をこの目で見ることもできるに違いない。


かの有名なアインシュタインの『特殊相対性理論』では『すべての物質は光より速く移動する事はできない。物質は光速に近づくと質量が増加し、時間の流れが遅くなる。』

アインシュタインが考えた理論は現在いまの2018年でも通用する理論だ。

未だに光の速さを超える技術などは無く、そんなものはゲームなどの中にしか存在しない。


それでも俺は憧れていた。

調べれば調べるほど過去や未来に行きたいと思うようになった。

それからさらにタイムマシンについて調べ

2010年にアメリカの掲示板に『2036年から来た』という書き込みをしたジョン・タイター

彼はタイムマシンの理論、世界線という独特的な彼の考え方…


「いつまでボソボソと小難しい独り言を並べてる!」

「うるさい!この俺が過去や未来に行ける可能性はゼロではない!」


この俺だけの世界をぶち壊しに来たのは岩崎いわさき六鹿りっかドイツ人と日本人のハーフで下の名前が難しい漢字など読めないなどとツッこむとかなり怒る。

起こりすぎて初めて俺がこの女と会った時にツッんだだけで俺が作った木刀(アニメを意識した力作)を折ったのだ。この女は一体母国でどんな鍛錬をしたんだろうか…


そして俺の名は御村みむら隆一りゅういち俺は天才でイケメンだ!


「御村はイケメンでも天才でもなく天災だ居るだけで私が朝からプリンを食べているのにその気分を台無しにする…」

「プリンか…朝から食べると太るぞ」

「ったく…この男は…私が女というのを忘れてるんじゃないのか」

六鹿は頭を抑えながら哀む仕草がいちいち腹が立つ


「して六鹿…ゲフン」

「どうしてそこで言い直そうとする」


俺は六鹿と話してはどちらかが怒る

犬猿の仲なのかもしれない…

まあそんなのは知らん

犬猿の仲なら片方が犬か猿を辞めればいいのだ


「我々はいずれタイムマシンを作り科学者達をギャフンと言わせてやるのだ!」

「科学者がアンタに何をしたって言うのよ…」

「それはまだ言えないな言ってしまえば面白くないではないか!こういうのは最後の最後まで取っておくからこそ際立つのだ!」

「アニメの見すぎね…」

「お前もアニメ見るか?とりあえずST〇INS;G〇TE

などはどうだ?」

「それなら見…見ない!」

「もう見たのか…なら次の紹介するべきアニメの候補

は…」


たった2人で一日中話す毎日…

前は3人で話し合いいろんなものを作っては改良をして使えなかったらそれを六鹿が壊す…

平和な毎日だった

今も彼の帰りを2人で待ち続けてもう2ヶ月

死んだのか失踪したのかは分からない…

だが、アイツだけ先にタイムマシンを作って逃げたとするなら俺はアイツに(タイムマシンを作って逃げていなくても)協力してもらい新しいものを作り上げ科学者達に我々を認めさせるのが俺の目標である。


「それにしても…初めてここに来た時は汚くて殺風景な部屋だったのに今では…足の踏み場もないぐらいにガラクタが落ちてる」

「ガラクタではない…それらは明日への軌跡だ!」

「いいように言えばいいと思ったら大間違い!!」

「そこにあるパイプを取ってみろ」

「こんなガラクタを持ったところで…ナニコレ!」


六鹿がガラクタを持って興奮気味に振り回している。初めて見たものに興奮しているだけだろう…

「ふっ…それはだな俺が作ったものだ名付けて『汚すぎて気絶剣』だ」

「名前をつけるのも下手で…作るのも下手とかアンタの取得とりえ全部使えないガラクタ。オマケにアンタの脳内もガラクタとか終わりね…」


せめて行動と言葉が合ってから言ってもらいたい…

ブンブン振ってるくせにセリフは否定気味…ひねくれ者なのか?

「その冷たい目で俺のパイプを触るな!!」

「第一、パイプって言ってる時点でダメじゃない!」


言われてみて初めて自分にはネーミングセンスというのがないのだと改めて築かされ思わずパイプ第二号を手に取って一号と見比べる…


「あ…」


一号と違う箇所…『色』のみ


「コイツ本物のバカだ…」

「し、しかしだな…色が違うだけで機能が違うと相手は思うはずだろ?そこをついたいい武器じゃないか」

「相手はいるの?」

「もちろんだ。相手はエージェントだ。その辺の住宅に住んでいて常にこの場所を見張っているのだ。

なぜなら我々がタイムマシンを作ろうとしているのが奴らに気付かれてしまい…」

「アホくさ…」

「話の途中で割り込むな」


我々は知恵おれとパワーりっかしかいない、さらに言えば集まっているこの場所にも名前がまだない。

そんなぐだぐだな我々がタイムマシンを作り世界を変える。

これは我々の歴史的第一歩だ。

┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈

俺と六鹿りっかが話をしている時だった。

大家さんが作りすぎたという理由で大家さんがわざわざ肉じゃがをタッパーに詰めて持ってきてくれたのだ。

なんて優しいんだろうか隣の女にも見習ってもらいたいものだ。


『騒音を立てるのもいいけどできるだけ静かにね

響くと下のWiFiが少し繋がりにくくなるから…ね?』


WiFi…現代人だなと痛感させられた瞬間だ

ここのアパートはかなり古いのに大家さんが今どきの言葉を使うと一気にレトロ感が崩壊してしまう。


大家さんは笑顔で部屋から出ていった。

だが、六鹿と俺の表情はとても険しかった。

御村みむら…肉じゃがどうしようか…」


俺と六鹿は大家さんと別れてからずっと肉じゃがについて考えていた。

普通なら食べれば済む話だが

大家さんの作るご飯は見た目はいいものの基本どこか味が変なのだ。

この前おすそ分けでもらったカレーの中にパイナップルが入っていたりと具材もちょっとおかしい。

普通パイナップルなんか入れないのだ普通は。

それでも我々は命を削りながらも酸味がするパイナップルいりカレーを食べ尽くしたのだ。

あの時は正直死んだと確信した。幸い生きていたのが救いだったが

しかし今回は、汁物ではない。

問題はそこだ…


「楽しい話をしながら食べないか?

流石に食べないというのはこう…胸が痛むというか…なんというか」

「御村が言いたいことは分かる…おおいに分かる…しかし、あの量を食べるって正気?」


貰ったタッパーの数は…

『12個』

大家さんには娘が一人いるがこんなにも作る必要はあるのだろうか…

断じてない!ないはずだ!


「これはエージェントの仕業なのか!?」

「妄想は今はやめてこの量の肉じゃがをどうするかを考えないと…肉じゃがが腐る」

「俺はタイムマシンを作った男として銅像が建てられるのが確定されている男になんて言葉を…」

「ハイハイ私が悪かったです。ですから一緒に肉じゃがを食べ尽くしましょう」

「敬語とはいい心遣いだ。ではさっそくあの数の肉じゃがを食べるとしよう!」



3時間後


「これで…12…」

「御村…目を開けて?早く…目を開けないと死ぬ…よ…」


肉じゃがなのにジャガイモが入っておらず

代わりに入っていたのは…カボチャだった。

それは我々の唯一の共通の嫌いな食べ物でもあった…

六鹿は食べた途端に身震いをしながらも耐えて食べ…俺は水を飲んで流し込み…

お腹がもうギブと訴えかけているのを承知の上で流し込み我々はついに勝利を手に掴んだのだ。


岩崎いわさき六鹿りっかもしも俺が一時間眠って起きなかったら…大家さんにタッパーを返しに行ってきてくれ…俺はそれまで眠っているから」

「お前だけ休ませるかぁー!!」

「ァァァー!!パイプ第二ごぉぉぉう!!!」


六鹿の矛先はパイプ第二号にいき

見事真っ二つになりパイプから悪臭が我々を襲った

流石…アイツが作っただけはある…

ここにいれば褒めてやったのに…な


┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈

『もしこれを誰かが壊したり斬ったりした場合

スカンクと同じぐらいの悪習が襲うように作ってあるから壊しちゃダメだよ?リーダー分かった?」

『フッ…一号を作ったのは俺だぞ?例え二号が壊れてもお前が作る悪臭など俺が耐えれないわけがないだろ?』

『リーダーの余裕がいつまでもつかは分からないけど頑張ってね』

『なんとでも言うがいい!』

『あ、因みに壊した時用のガスマスクは───』

┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈

フラッシュバックしてきたのは一緒に作った充実した時間と今はいないアイツへの怒りとガスマスクの位置を教えておいてくれた優しさが同時にわいてきたのだ。

教えられた通り、部屋の奥にある引き出しからスーツケースの中にガスマスクが入ってあった。


「これしきの臭い…ガスマスクR2で防ぐさ!!」

「名前ダサいけど付けるしかない…か

借りるよ…このガスマスクなんとかってやつ」

「案ずるな…使い心地は完璧だ。なにせアイツが作った中で最高傑作と自負していたからな」


付けてみると爽やかなバラの匂いがどこからか匂ってきて部屋が悪臭で包まれていることを忘れてしまいそうな程だ。

流石はメンバー第二号、仕事はちゃんとやるようだ。


「よひ…窓をあへるぞ!!」


六鹿が敬礼を取るのを確認し

迅速かつ丁寧に窓とドアを開けていく。

一部硬い窓もあったはずなのだが火事場の悪臭力は普通の力を超えるようだ。


「はぁ…酷い目にあった…まさしく悪臭そのものだったな帰ってきたらこれを量産するよう頼まなくてはな」

「量産するな!」


そんなことをしていると下から大家さんの声が聞こえきた。

大家さんは声が小さい人なのでここまで声が届くことはない…何かがあったと考えるべきだ。

何か叫ばないといけない状況…誰か知らない奴か入ってきたか、何かが起きたか。


「あっ…」

「どうしたの?」

「六鹿…ゲフン…メンバー第一号よ」

「なんでそこで言い直すかな…ガスマスクがいるのね」


どうやら勘のいい六鹿はすぐに気づいたようだ

この悪臭が下に行ったということに

つまり、下は地獄で大家さんもモ〇ハンのモンスターのように怒っている。

我々がとった行動…それは!

『窓から逃げる』だった。


外へと飛び降りると

一緒、六鹿の下に履く布がチラッと姿を見せたが見なかったことにしよう。

言ったら鉄拳制裁を食らいそうだ…


「あれ?」

「どうした一号」

「臭いがしない…」


言われてみればあれだけ強烈かつ漂い続ける悪臭がどこにも臭わないのだ。

これは…一体…


「あなた達…」

「「ごめんなさい!」」

┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈

我々は大家さんに敗北した。

怒り狂うと思えば大家さんの声色はとても冷たく、圧のある話し方だ…


大家さんが言うには娘からもらった砂時計が二号の消失のあとの我々の悪臭から逃れるために起きた振動が下に響き…棚の上に置いてあった砂時計が割れたので

怒られてしまったのだ。


言われたのは一週間、アパートの掃除をするということで解決したのだ。

まさか、六鹿が怒り狂う大家さんをなだめる(丸めこむ)とは思わなかった。

自分が怒る時もなだめればいいのにと思いはしたが無理というのが直ぐに分かった。

なぜならばこの俺がいる限り六鹿が怒らない日などはないからだ。













これからほかの小説と並行してこの小説を執筆しますので次の話がいつ投稿されるかは不明ですが「いつの間にか更新されてる!」というのになると思われますがお気になさらず楽しんで読んでください!!

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