実験台(被)観察日記①-6
6話です。一々描写が細かいような気がしてきました。新しいキャラを出そうと思っても構想が難しいですね。数について、数字は漢数字が良いでしょうか?コメントお願いします。
「お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶…………」
そこでは地獄のような時間が流れていた。
僕が連れてこられたのは、そこまで大きくもない一戸建てだった。高校生3人が住むには分相応(一戸建ての時点で分不相応だが)と言える大きさだ。
僕と彼女は方形のちゃぶ台を挟んで座っていた。季咲はどこかに霧散してしまって、僕は『お茶』と言い続ける女性と取り残されたのだった。
机の上に、『小野見 知華』と書かれた紙が置いてあった。彼女の名であろうか。彼女はカジュアルな短髪で、季咲と比べると元気がありそうだった、良く言えば。彼女があまりに普通に、指を弄ったり、くつろいで座っているので、その口からは『お茶』という言葉以外発せられないという呪いにかかっているのではないか、と思ったくらいだ。しかし、このままでは事が進まない。僕は彼女を遮ってみることにした。
「お茶お茶お茶お茶お茶お茶「あの!!!」と言うと彼女はぷっつりと黙った。
「何?」呪いは無かったらしい。
「いや、なんでずーっとお茶って言ってるの?」
「英樹、英樹あんたはお客さん?」いきなり問われた。
「ええと、う~ん、どうなんだろうか‥‥」季咲が言うには、これから住まわしてもらうらしいが……
「同居人です」僕が答えあぐねていると、後ろから季咲の声がした。
「お、季咲!同居人でも、初めて来た人にはお茶でも出すもんだと思ってたんだよ」お茶は口から出すものではないと思うが。
「はい、お妃です。じゃあ出せばよくないですか?」ボケながらもツッコむのは流石だった。しかし、彼女はお妃ではない。
「メンドクサイじゃん。一万回言ったら出てこないかなー、と」
はあ、と季咲が溜め息をついた。
「知華さん、もうちょっと自分で行動した方がいいですよ」
「季咲の面倒見が良すぎるんじゃない?」
「どっちもですかね」話は落ち着いたようだ。
「季咲、紹介してよ」知華が促した。
「はい、こちらは小野見知華さんです。能力はキープです。本人自身の時間も止めてます。確か歳は……「止めろ止めろ!歳は言うなって!もー、イジワルだよねぇ、季咲も」
どうりで小柄なワケか。おそらく実年齢は同い年、身体の方は中学生だろう。
「そうですか?実年齢でも、と言うかむしろそっちの方が可愛いと思うんですけどね」
「ここが一番よ、ピークピーク」
「中学校から親友の風体が変わってないと、不気味ですよ」
便利な能力である。
「こちらが上坂英樹さん、先に連絡行ってましたよね。普通の男子高校生です」
「普通じゃないよ!それじゃ入れないんだろ!?」
「別に普通科もありますよ。言ってませんでした?てか、あなたの能力なんて使いどころが無さすぎるじゃあないですか」
「うっ」図星だ。
「それなのにここに居られるのはすごいよ、普通だからこそ普通じゃないってさ」知華がフォローをしてくれた。
「紹介はここら辺でいいですか。3人になったら、1人あたりの家事の量は2/3倍になりますね」
「いえーい」知華は無邪気にはしゃぐ。
「家事は均等分が当然ですが、もう済ましておきました。それぞれの家事の方法とか拘りは基本的に当番の人に一任しますね」
季咲は背後の壁を指さした。そこには家事がA.B.Cに3等分された表があった。
『A 洗濯 風呂洗い
B 炊事 買い物
C 掃除 食器洗い カレンダー』
これだけで生活は成り立つのだろうか。そんな不安はありつつも、大丈夫なようにも感じた。
「買い物っていうのは、炊事に関するものだけです。欲しいものは各自でお願いします。掃除は共有スペースだけです。掃除には整頓も含まれますが、なるたけリビングに荷物は置かず、自分の部屋に持ってってください。質問はあとで聞きます」
「ふーん、了解」
「10日ごとに交代です。週では、1ヶ月において均等じゃないので」
「なんでか説明してあげなきゃ分かんないよ!」その通りだ。
「わかってますよ。ここで大事になるのは炊事です。月5万円というのは言いましたよね。電気代とか請求が来るのは学校が払ってくれるんですが(それで自立能力は育つのでしょうか?)、食事に関しては完全に自分たちに任されます」
「でも、ただ普通に交代で食事担当とかじゃつまんないじゃん!?」
「先ず、5万円から2千円引きます、で三等分して1人、一万六千円で十日間三人の食事を用意します」
「初めは慣れないかもね。と言ってもあたしたちだって、今までは二人分だったけどー!」知華が合いの手を入れた。
「月の終わりにどれだけ手元に残っているかを競います。」
「で、一番使ってたヤツは月の一番最後の日、三十一日に相手に晩御飯を奢るってワケ!!」
「……終わった?」打ち合わせでもしていたのか、と思うくらい、息が合っていた。
「はい、終わりです。質問は?」
「残金を比べるんだよね?バイトとかで稼いだお金はどうするの?」
「上ちゃん、おお、上ちゃん」いきなり呼び方を変えられてしまった。
「頭良かったんじゃないの?使ったお金って言ったじゃん。使ったお金をメモしておくの、1食毎にね」
「確かに言ってたかな、分かったよ。あと、カレンダーって何?」
「予定を言われたら書き込むってだけです」
「それとは関係ないんですけど、学校の授業は七時からです」ゴミ箱の場所でも教えるように季咲はあっさりと言った。
「七時?授業が?起床時間じゃなくて?」
「え、その通りですよ?」
は?なんで疑問形なんだよ。
「五分の休憩入れて、十一時までぶっちぎんのよ」
「……マジで?」
「マジですよ。四時間て言いましたよね?」言ったけども……
「てかさぁ上ちゃん、いっつも朝早く起きてたんじゃないの?ここから学校まで1分だから、起きる時間変えなくてえーんよー」彼女も季咲と同様、テキトウな言葉遣いで、怠そうに話す。
「そういう問題かな?あと、僕の呼び方はそれで定着してしまったの?」
「うん」と言ったのは、両方の答えだろうか。
「じゃあ、次は部屋の案内しますね」季咲は既にドアノブに手を掛けていた。「もうそろそろ切上げていい頃では?」そういえば、と付け加えた。
まだリビングしか見ていないというのに。
「終わり終わり終わり!!」知華が声を上げた。
「あんたまでそういうことを言うのか……」僕のため息はドアが閉まる音で掻き消された。
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