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プロテクトフロムドラゴン  作者: サンドリバー
五つの奇跡
9/21

雷の如く

ディアナはことごとく撃沈した。遡ること数分前。ディアナは新たなギルドの創設のために職員室へと向かっていた。そこで突き付けられたのはギルドの規定だった。今のディアナ達ではどうすることもできない文章が一つあった。


人数:五名以上(ギルドマスターは三年生以上に限る)


これ以外はテストの成績など努力でなんとでもなるもにばかりだが、こればかりは先輩に知り合いもいない二人にとってはどうすることも出来ないのだ。因みに例外ももちろん存在するが、並大抵の人ではクリア出来ないような内容だ。例えば学科、学業での戦績が常にベスト10以内やギルドSランク認定テストを優秀な成績でクリアなどだ。そのためタッグなどのギルドは数年に一組程度しか出来ないのだ。


「う~ん…ディアナちゃん、どうしようか…」


「そうだ!掲示板とか使ってみたらどうかな?」


掲示板にはクエストの掲示板の他にもギルド募集の掲示板や魔獣等の情報交換のための掲示板などが電子掲示板としていつでも見られる状況となっている。掲示板を有効活用している人も少なくない。


「ギルドメンバー募集中。ギルドマスターも含む。っと。これで本当に人来るのかな?」


「まぁ今はこれを信じるしかないよね。そういえばディアナちゃん、私たちの戦闘スタイルってまだお互い見てなかったよね」


「あ、そういえば!それじゃあちょっと森林探索に行こうか」


基本的にはギルドのクエスト以外の魔獣討伐のための外出は認められてはいないが、一日に数組までなら先生たちの監視ロボットを付きっきりにする代わりに許されるのだ。幸いこの時期は皆ギルドに関して情報を集めたり見学にいく人ばかりなのでディアナ達の監視ロボットは残っていた。

二人は先生に許可を得て森林へと向かった。すると、早速プチドラゴンを見つけた。


「それじゃあノーテ、頑張って!」


「うん!行ってくる!」


と言い、ノーテは勢いよく飛び出していきタクトを構えた。そのスピードに乗せてタクトで殴る!だが、運動が苦手な少女のただの今にも折れそうな棒での攻撃の威力なんてたかが知れている。プチドラゴンは怯むこともなく攻撃を受けながらもあくびをしている。


「えいッ!えいッ!」


それに反してノーテは全力で叩いている。上から降り下ろしたり横に振り払ったりなど方法も変えながら叩いてはいるが、ノーテの無駄な体力消費だけで終わった。


「えへへ…また勝てなかったよぉ…」


「あ~…うん…次は私の番ね」


話には聞いていたが実物を見ると思ってた以上に酷かったので若干呆れながらディアナは飛び出した。ディアナは瞬時にプチドラゴンの前に現れると光のごとく拳をぶつけた。するとプチドラゴンは光の粒子となって消えていった。ディアナはプチドラゴン程度なら上手くいけばだが一撃で倒せるようになっていた。


「ふぅ。こんな感じかな」


額の汗を拭いながらノーテの元へとディアナは帰ってきた。


「スゴいよディアナちゃん!私ももっと頑張らないとだなぁ」


「とりあえずノーテは物理的にタクトを使うのをやめたら?多分戦い方が違うと思うんだよね…」


「あ、やっぱり?魔法学科もちょっと覗いてみようかな…」


等と喋っていると二人に向けて雷が飛んできた!その気配にいち早く気づいたディアナはいつしかのシャインを守ったときの要領で拳を雷にぶつけた。その刹那、拳に今までにないほどの衝撃が走った。


「この攻撃…この威力…ただ者じゃないッ!」


そう言いながらディアナは攻撃の飛んできた方向に戦闘体制をとった。だが、防御に使った右腕は力なく垂れ下がっている。ノーテは怯えつつも足手まといにならないようにタクトを構えながら同じ方向を見ている。すると、その方向から一人の少女が草むらを掻き分けて走ってきた。少女は明らかに左右非対称な姿をしていた。髪の毛は右半分だけ逆立っており、後ろに束ねた髪の毛は雷状にウェーブが掛かっていた。目もオッドアイで右目の瞳は微妙に星の形をしていた。服も左右で色が異なっている。右の靴にはブレードも付いている。そしてリボンの色からして3年生だ。そんな少女が


「ごめんなさい!こっちに誤射したんだけど当たらなかった?」


「私は大丈夫ですけど…でもディアナちゃんに直撃しちゃって…」


「嘘ッ!」


すると少女は青ざめてディアナに問いかけた。


「本当にごめんなさい!どこに当たったの?」


「腕です…」


痛そうにディアナは腕を少女に見せた。すると少女は少し不思議そうに首をかしげながら患部を見ていた。


(あの砲撃を直撃したのに表面上には大きな怪我もないし、骨折もしてなさそう…)


ある程度見たあと、


「すぐに保健室につれていくから安心して!」


そう言うと腕に衝撃がかからないように抱えあげると雷光の如く学校へと向かっていった。


「置いていかないでよ~!」


ノーテも遅れて学校へと向かった。

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