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第一話 君との出会いに至るまで

今回からマスター視点です。

以前出てきた『私』とは違います。

えと、何処から話しましょうかね。

とりあえずは、出会う前の私の事からにしましょうか。

私の小さい頃、父が不倫して母は父と離婚しました。

私の親権は母に渡され、母に育てられました。

でもある時から、母は私に暴力を振るうようになったんです。

理由は仕事で溜まったストレスの発散。

当時の私は何故殴られるのか判りませんでしたが、きっと自分が悪いのだろうと思いじっと母の暴力に耐えていました。

何年か後、近所の方が私が虐待されている事に気付き、母は警察に連れて行かれました。

その後母は精神科で治療を受け私を引き取りました。

もちろん私は、怖かったですよ?

何せまた母に殴られるかと思うと怖くて怖くて足が震えたくらいなんですから。

でも母は泣きながら私に抱きついて

「ごめんね、ごめんね。」

と謝ってくれました。

やはり、どんな事をされようとも子供って親を簡単に嫌えないんですよ。

私は母を許し、また一緒に暮らし始めました。

でもまた、母は私に暴力を振るいはじめました。

今度は、誰にも気付かれないように顔などは殴らず、お腹や背中を殴りました。

今思えばきっと母はそれ以外に、ストレスの発散の仕方が判らなかったんでしょうね。

だからわざわざ隠してまで、私に暴力を振るったのでしょう。

ご飯もきちんともらえてましたし、部屋ももらえました。

まぁ部屋と言っても布団と新聞くらいしか置いてませんでしたけどね。

え?何故新聞かって?

それは社会について知っておかないと、不自然だと思われるかもしれないからですよ。

ほら、虐待されている子ってテレビとかそういうの見てないってイメージがあるでしょう?

前科ありですから、周りもそうゆうのを見てまた虐待されてないかって気にしているんですよ。

友達も、すごく気にかけてくれてました。

頻繁に遊びに行こうと誘ってくれましたし、元気がないと相談に乗ってくれました。

そういえば皆どうしてますかねぇ。

だいぶ前こっちに旅行に来ていたようで、一人には会ったんですけど..。

他の皆は元気でしょうか。

っとあぁ、話が逸れてしまったようですね。

すみません。まとめるの得意じゃなくって..。

何処まで話しましたっけ?

そうそう、部屋の話まででしたね。

そういう状態で私は高校生になりました。

受験かなり大変でしたねぇ。

一日の勉強のタイムリミットは母が帰ってくるまで。

毎日どきどきしながら勉強していましたね。

だからあんまり頭に入らなくって..。

学校の休み時間も勉強していましたよ。

友達には勉強熱心だと思われてたようです。

時間で言ったら大体変わらないんですけどね。

あっ、また話が逸れてしまいましたね。

本当にすみません。高校の話ですよね?

高校生になっても母は暴力を止めず、隠し続けていました。

かなり巧妙に隠していたみたいです。

だから私は誰にも気付かれず、ただじっと暴力に耐えていました。

本当、誰かに助けを求めたらよかったんですけどね。

あの時は、もう当たり前のようになっていてそんな事思いつきもしませんでした。

慣れって怖いですよね。

毎日家に帰るのが怖くて、わざと遅く帰ってました。

まぁいくら友達とはいえ、毎日つき合わすのも悪かったんで大体一人でぶらついてました。

ある日いつものように町をぶらついていると、表通りから随分と離れた場所にカフェがあったんです。

私は興味本位でそのカフェに入りました。

「いらっしゃいませ。」

そこには無愛想な感じの、男の人がカップを洗っていました。

それが、私と優しい誘拐犯渡貫時雨さんとの出会いです。

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