異世界って……まじで?
なんとなく頭を空っぽにして書いたらこうなった。
意味なんて無いです。
続きも無いです。
真っ白な闇の世界から復帰すると、そこは異世界でした。
「えっと……」
周囲の視線が俺に刺さる。
目の前には、ゆったりとした純白のワンピースを着た金髪の女性がひざまづいており、その両側には額から頭頂までが残念なことになっているおっさんに、金髪さんと同じような白いワンピースのおばちゃんの姿。
さらには十人ばかりの、鉄製の服……いや、現実を見よう。
鉄製の鎧を着た男達。
えーと、足元は石畳かこれ? それに白い二重円。複雑な紋様が書き込まれてる。
……うん、マンガなんかでたまに見るな。魔法陣ってやつだ。
周囲は大理石のような石壁。
飾りっ気は無いがなかなか立派……なんじゃないか?
専門家じゃないから知らんけど。
とまあ、逃避気味に状況を把握しようと試みているわけだが、やはり混乱してるらしい。
そりゃそーだろ?
朝、いつも通りに学校に向かって、通学路を歩いていて、あくびをしながら角を曲がったらこの光景ですよ?
ちらりと後ろを見るが、残念ながら通学路は無くなっている。
まあ、予想はできてたけど……。
とりあえず、目の前のメンツに話を聞いてみたいところだが……。
誰に話しかけるか一瞬迷ったが、意を決して口を開いた。
「……あの、すいません。ここどこですか?」
とりあえず金髪さんに。
……だって髪が残念なおっさんや、おばちゃんに話しかけるくらいならこの美人さんに話しかけるだろ?
金髪スキーとしてはさ。
「……」
けれど女性は答えない……というか目を丸くしてる。
ん? 驚いてるのか?
そういや言語ってどうなってんだ?
通じるのか?
「……あの? 言葉、わかります?」
「な……」
「……な?」
「なんで成功しちゃったのっ?!」
おおっ! 日本語だ! ……って待て。
「……え? 失敗するはずだったの?」
俺は思わず聞き返していた。
こうして成功するはずがなかった異世界召喚によって呼びだされちまった俺……井上和馬は、これからこの世界で厄介な事件にいくつも巻き込まれていくことになったわけだ。
まあなんつーか、髪が残念なおっさんが大魔術師だったり、おばちゃんが大司祭だったりしたり、俺を呼び出した金髪さんがかなりのダメ女だと判明したり、腐れ縁になるほどの付き合いになっちまうんだが……それはまあ良い。
問題は……。
「ほーら、ぱぱでちゅよ~♪」
赤ん坊を抱っこした金髪さん……アルミラ・クリュースクと俺が赤ん坊同伴で結婚式を上げていることだと思う……。
「さあ、もう逃がさないからね? わたしの勇者《旦那》様☆」
「……どうしてこうなった……とほほ……」