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ぷろろーぐ

「世界って理不尽なものだよ」

 その日、そう言ってそーくんは笑った。

日が落ちていく時間、オレンジ色に染まった公園のベンチで。

「でもね」

 彼は、その十人並みな平凡な顔に浮かべた、なんだか熱に浮かされたような微笑みを崩さずに、わたしの手をとり、また、言った。

「その理不尽がふーちゃんを傷つけたなら、僕が世界を壊してあげる」

 痛いくらいにこちらの手を強く握るそーくんは、ちょっとだけいつもより格好よくて、怖かった。

「ふーちゃんを傷つけて傷つけて、ふーちゃんの記憶にずっと残るのは、僕だけがいいからね」

 あとに続いた言葉は、聞かなかったことにしたい。



 どうしてそんな話をしていたのかは憶えていない。話の内容からすると、なにか理不尽なことがあったんだろう。

 それはさておき、どうして今そんな会話を思い出しているのかというと。


 突然友人の足元に現れ光り出した魔方陣的なものに、なんか入っちゃってて。

 真っ白な光が、目の前を染め上げて。

 反射的に閉じた瞼を、開いたら。

 なんか、フランスの某宮殿を思い出すような見知らぬ洋風なお城っぽい広間に、いたからなのだが。

 ……なんというか、うん。


 世界は今日も、理不尽だ。


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