表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霧に支配されたアメリカで、州擬人化たちは都市解放の旅に出る ~フィフティ・トレイル~《シカゴ編開始》  作者: 輝城蒼空
デ・カーゴの旅編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/21

16 霧都市の退屈

 ときは、フランクリンたちがインディアナポリスにやってきて、ミシオを駅前広場に設置したあたりまで遡る。


 霧に包まれたデトロイト。

 シカゴとデトロイトは、廃工場兼デトロイトの家にて――ただ、ぼーっとしていた。


「……暇だな」シカゴが言った。


 実際、彼らは本当に暇だった。

 なにせこの街の観光はほぼ済んで、話す内容も尽きたからだ。


「じゃあ、戻ればいいじゃん」


 デトロイトの正論に、シカゴは珍しく正論で返した。


「帰ったとしても、面白いものがねえんだよ――俺の町だし、だいたい全部見飽きてる」


 シカゴの発言に、デトロイトも納得したようだ。

 しかし、それで彼らの退屈が収まるかといえば、そうでもなかった。


 ――その時シカゴは、突飛としかいえない提案をした。


「……じゃあ、ドライブにでもいくか?」


 シカゴの発言に、デトロイトはため息をついた。


「……車がないだろ」


 デトロイトがそういうと、シカゴはケラケラと笑った。


「……いや、ないなら作ればいいだろ――お前、そういうの得意だって思ってたんだが?」


 車の街(モーターシティ)なんて言われてたしな――シカゴは、そうつけたした。


 デトロイトは少し考えたが、彼だって本当に暇だった。

 だから――シカゴの言う通り、車を作ることにした。


 ▽ ▽ ▽


 車を作ると決めた二人は、早速「素体」を探しに廃工場を出た。


 作るとはいっても、フレームの組立からやるわけではない。

 まずは素体となる車を決め、それをデトロイトの固有魔法――”メタルモーター”で改造し、魔力駆動の改造車にする計画だ。


 車検の検査員が見たら卒倒するような内容だが――まぁ、その検査員とやらももういないだろう。

 だから、彼らはためらいなくそれにとりかかった。


 彼らは通りを歩き、様々な車を見た。

 本当に様々で、デトロイトは乗り捨てられた車を見て「これはフォード」だの「これはトヨタ」だの言っているが――車に一切興味がないシカゴにとっては、ただの暗号にしか聞こえなかった。


 しばらく歩いたところで、シカゴが尋ねた。


「――なぁデトロイト、そこら辺の車じゃダメなのか?」


 デトロイトは「そりゃそうだよ」と答えた。


「ボロかったせいで、途中で壊れたらどうするの。立ち往生なんかしたら、それこそしゃれにならない」


 ――たしかに、それはそうだ。


 ▽ ▽ ▽


 30分ほど市街を歩き――やっとのことで、彼らは「素体」を決めた。

 素体になったのは、茶色いワゴン車――デトロイトいわく、「いろんなものが入る」というのが決め手らしい。


 他にもいいのはあったのだが、他の車はどれも扉にロックが掛かっていて、結局はそれになった。

 しかし、シカゴが何より驚いたのは――


「……トヨタ?」


 その車には、堂々と「TOYOTA」のエンブレムが刻まれていたのだ。


「……これ、日本の会社だろ?」


 シカゴが尋ねると、デトロイトは――ちょっと黙ってから、ゆっくり頷いた。


「お前、その”トヨタ”ってやつに負けたんじゃなかったんか?」


 シカゴが茶化すと、デトロイトは「だから認めたくなかったんだ」と悪態をついた。


「――たしかに、負けたのは認める。でも――このスペックじゃあ、負けるわなって思う」


 それからデトロイトは、日本車がいかに素晴らしいかを――改造作業をしながら、延々と説明した。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

「面白い!」「続きを読みたい!」と思ったなら、ブックマークへの登録・星5の評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ