表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

温める鳥

作者: 口羽龍

 ある朝の事だ。七子ななこはいつものように出勤していく。七子は小学校の教員で、他の教員や校長、教頭、生徒やその保護者からも信頼が厚い。七子はいつも通りの時間に置き、いつものように外を出た。夫も教員で、すでに出発している。


 七子は空を見た。昨日は雨だったが、今日は晴れている。いい天気になってよかったな。今日も1日頑張ろうという気持ちになれる。


 と、七子はあるものを見つけた。それは鳥の巣だ。その巣には、赤い鳥がいる。


「あれっ、鳥・・・」


 赤い鳥なんて、見た事がない。どうしてここにいるんだろう。とても美しいし、かわいいな。


「かわいいな・・・」


 七子はうっとりしていた。と、七子は思った。ひょっとして、この赤い鳥は、卵を温めているのでは? 巣があって、なかなかそこから離れようとしない。


「卵を温めてるのかな?」


 それにしても美しい鳥だ。どうしてここにやって来たんだろうか? 何かいい事が起こりそうだな。


「見た事のない鳥だな。赤くて美しいな」


 七子は時計を見た。もう出発する時間を過ぎている。早く車に乗って、勤めている小学校に行かないと。


「おっと、早く仕事に行かないと」


 七子は車に乗り、小学校に向かった。その途中でも、七子はその鳥が気になってしょうがない。帰ったら、また観察してみよう。果たして、どんな雛が生まれるんだろうか? 親に似て、赤いんだろうか?




 夕方、七子は帰ってきた。日没が近づいている。七子は寒気がした。毎日寒い日が続いているが、今日から冬型の気圧配置が強まり、より一層寒くなるそうだ。風邪を引かないように気をつけないと。


 七子は見上げた。そこには巣がある。この時間も、鳥がいて、巣を温めているようだ。七子はワクワクしていた。


「おるな・・・」


 と、七子は何かに気づいた。鳥の位置が少し高くなっているのだ。卵が大きくなっているのかな?


「あれっ、卵が大きくなってるのかな?」


 七子は笑みを浮かべた。早くこの鳥の雛の姿が見たいな。もしかえったら、みんなに自慢したいな。きっと、生徒はうらやましがるだろうな。


「どんな雛が生まれるんだろう。楽しみだな」


 七子は時計を見た。そろそろ家に入ろう。夫が待っている。


「おっと、早く帰らないと」


 七子は家に入った。七子は知らなかった。その様子を、鳥がジロジロ見ているのを。




 その夜、七子は暑さで目を覚ました。真冬なのに、どうしてこんなに暑いんだろう。まさか、暖房を消し忘れたのかな? いや、間違いなく消した。なのに、この暑さは何だろう。明らかにおかしい。


「うーん・・・」


 と、七子は煙の匂いを感じた。まさか、火事だろうか? この時期は火事に要注意だが、まさか、この家の近くで火事だろうか? それとも、この家で火事だろうか?


 七子は窓の外を見た。すると、辺りが火の海になっている。まさか、家が火事に見舞われているのか?


「えっ!? 火事?」

「ガオー!」


 その声を聞いて、七子は振り向いた。鳥の巣のあった場所には赤いドラゴンがいる。まるで、今朝見た鳥のように赤い。


「ド、ドラゴン!」


 七子は驚いた。まさか、ドラゴンが目の前に現れるとは。空想上の生き物なのに、どうして目の前にいるんだろうか? そんなの夢に違いない。夢だと言ってくれ。


「キャー――――――!」


 と、七子は鳥の巣を思い出した。あの鳥は赤かった。まさか、あの卵からかえったのは、ドラゴンなの? どうして鳥からドラゴンが生まれるのか? そんなのありえないだろう。


「えっ、あの巣・・・。まさか、ドラゴン?」


 七子は目の前のドラゴンに呆然としていた。


「うわああああああああ!」


 七子は悲鳴を上げた。ほどなくして、七子はドラゴンに食べられた。


「七子、大丈夫?」


 夫の声で、七子は目を覚ました。やはり夢だったようだ。あまりにもリアルすぎる夢だったな。何だろうか?


「夢か・・・」


 七子はほっとした。ひょっとして、あの赤い鳥が悪夢を見せたのかな?




 翌日、七子と同じ小学校の教員、千夏ちなつは小学校に向かおうとしていた。今日もいい天気だ。いい事がありそうだ。今日1日、楽しく頑張っていこう。


 と、千夏は電柱を見た。田中には、鳥が巣を作っている。千夏はその様子が気になった。


「あれっ、鳥が巣を作ってる」


 その鳥は赤くて美しい。この辺りでは全く見かけない鳥だ。千夏は首をかしげた。


「かわいいな。それに、珍しい色だな」


 千夏はその鳥に見とれていた。見とれてしまうほど美しい。写真に撮って、生徒に見せびらかそう。きっと気に入るだろうな。


「きれいだな。かわいいな」


 その鳥は、千夏をジロジロ見ている。まるで、千夏を狙っているような目つきだ。


 その夜、千夏は赤いドラゴンに襲われ、食べられる夢を見たという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ