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僕が彼女と関わった切っ掛け

「離せよっ」

「またまたそんなこと言って本当は嬉しいくせに〜」

「あんま五月蝿えと殴んぞ」


 うわあ面倒くさい。目の前ではガラの悪い男二人に絡まれているこれまた見た目が不良に見える女の子が、嫌そうに男二人に対応していた。


 時刻は18時30分。辺りは薄暗がりもう少し経てば完全に真っ暗になる頃合い。僕はいつものように学校で授業を終えて学校からさほど離れていない古本屋で本を読み耽っていた。そして一通り読み終えて満足して帰ろうと外に出た瞬間これだ。


「……っ」


 二人のうち一人が拳を振るう構えを取ったことで彼女は怖くなって押し黙る。まあ普通はそうだよな。僕は周りに目を向ける。周囲では彼らを遠くから除いている人々がいた。そうだよな、普通怖くて何も出来ないだろうし。なんだかんだ言って乱闘が怖くて止めに入ることが出来ないんだ。それは普通のことだ。僕だって痛いのは嫌だし。けど


「あ、あの」


 僕は彼らに寄って声を掛けた。思いのほか声が小さくて震えていた。


「あぁ?」

「なんだコイツ?」


 男達は鋭い目付きで僕を睨みつける。それだけで逃げ出したくなる。


「そ、その子嫌がってるから……」

「だから?」

「俺達にやめろってか?」


 僕は頷く。すると僕の近くにいた男が僕の胸ぐらをつかむ。


「あぁ。要はカッコつけたいってことか?」

「は?」

「だってそうだろ? 嫌がってる女を助けりゃお前ヒーローみたいだもんな」


 この人は何を言ってるんだろ? 力じゃこの人達に勝てる訳が無い。一人だけが相手ならまだしも二人を相手にするなんて無理に決まってる。だから僕に出来ることは――。


「ぐっ」


 僕は思い切り胸倉を掴んできた男の顔目掛けて頭突きをお見舞いする。頭が割れるように痛い。けど男の掴んでいた腕が弱まる。僕は痛いのをこらえて男の顔に拳を叩き込んだ。


「おい何やってんだよてめぇっ」


 殴られた男を助けに女の子の腕を掴んでいたもう一人の男が彼女を離してこちらへ向かってくる。僕はそれを見て叫んだ。


「今のうちに……逃げろっ」


 彼女はその言葉を受けて駆け出した。よしこれで僕の取り敢えずの目標は果たした。後は――。


「いってえ。くそっ」

「てめぇ覚悟出来てんだろうな」


 殺気立っているこの二人をどう対処するかだな。いやもうさっきのは不意打ちが決まったようなものだから、この後の展開はもう決まったようなものだ。僕は構えを取る。


「出来てるよ」


 僕はそう言って駆け出す。二人も僕に向かって駆け出し殴りかかってきた。僕はそれを5、6発喰らって倒れた。


「ぐぅっ」


 痛い、痛いよ。やっぱり喧嘩なんてするもんじゃないな。


「舐めたことしやがってよ」

「おいてめぇ立てやっ」


 二人のうちの一人が僕を無理やり立たせ羽交い締めにする。そしてもう一人が僕の腹目掛けて蹴りを何発も入れた。痛い。意識が飛びそうだ。なんで、誰か助けてよ。


「何をやってるんだお前達っ」

「あ、やべぇサツだっ」

「逃げるぞっ」

「おい待てっ」


 どうやら警察の人間が来てくれたみたいだ。僕はそれを聞いて目をつぶって眠りについた。

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