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神殺人殺  作者: ナノ
85/85

第85話 元凶

———現在———


俺とα2の攻防は終わる気配がなく互いに譲らない展開になっている。


「α1、お前本当に変わったな。今のお前からは俺を殺そうという意思を感じない。」


「・・・」


確かに俺はα2を殺そうとは思っていない。


昔α3と約束したことがある。


アルカディア条約が終わったらΩ部隊の皆で打ち上げでもしようと。


彼女の最後の願い。


同僚として果たす義務が俺にはある。


「栗花落雪、冬川夢羽、今お前が育てているらしいな。」


「それがどうした?」


「お前が俺を殺さなければ俺はその2人を殺す。」


α2の目を見れば分かる、嘘をついていない。


本気で雪と夢羽を殺すつもりだ。


「お前の目的はどうせ俺を殺す事だろ。2人は関係ない。」


「関係ないだと?よく言うな。お前も無関係だったα3を巻き込んで自分だけが生き延びただろ!」


かなり痛いところを突いてくるα2に俺は何も言い返せなかった。


α3が死んだのは俺が原因。


これは紛れもない事実。


α2が俺を殺しに来た理由は間違いなく当時の恨みの制裁だ。


アルカディア条約の火種が加速する中、俺は自分の命を優先し闇影を裏切りα3を犠牲にした。


α3はΩ部隊の中心人物で皆に好かれていた。


そんなα3を俺が殺したんだ。


恨まれても仕方ない。


今でもあの時俺が死ぬべきだったのではないかと後悔する。


「確かにα3は俺が殺した。ただ、あの状況を作り出した、俺たちを裏で操っていたのはボスだ。お前も薄々気づいているだろ。」


そう、全ての元凶はボスだ。


α3が死ぬような状況を作ったのも、Ω部隊を解体させられたのも全て裏でボスが手を引いていた。


だから、俺はボスを殺す事を目的としている。


α2もそのことに気づいているだろうが目を背けている。


α2はボスを一番慕っていた。


だから今でもΩ部隊でたった一人、闇影に残ってボスの元で働いている。


「黙れ!誰が何と言おうと全ての元凶はお前だ。お前さえいなければ今でもΩ部隊は存続していた。」


互いの言いたかったことをぶつけ合いそれでも決着がつかないときはいつも実力で黙らせていた。


それがΩ部隊のルール。


今こうしてナイフをぶつけ合わせていると昔に戻ったような感覚に陥る。



何時間と高速で移動し防御、攻撃をする事でお互いの体力は底を尽きる。


このままやっていたら勝負の決め手はその時の運になるな。


俺は昔から運が悪い。


だからとまでは言わないが運が絡む勝負は大体実力で勝利を掴んできた。


例えば、じゃんけんだってそうだ。


少し前に歩たちと自分の部屋割りを決めるじゃんけんをしたがその時も動体視力で勝ち負けを調整した。



今まさに運の勝負。


ここで運の要素を出来るだけ減らすためには新技を習得する必要がある。


俺が今までの戦闘で使った技は、空間操作を利用した短距離の瞬間移動と空気を圧縮させて放つ空気弾、そして神から授かった恩寵の3つだ。


このどれもがすでにα2に対策を立てられてる。


空間操作で新技を作る方が現実的ではあるが一つや二つ新技を作ったところで対策されてそれで終了だ。


それなら恩寵である残桜世界を応用することは出来ないだろうか?


普通の残桜世界は能力の核に意識を集中しそれを解放するといった方法で発動するが一つの工夫でその性質を変えられるような気がする。


残桜世界の効果はその空間に限りルールを設定することが出来る。


今まで俺が設定したルールは俺が仲間と認識した人間以外の生物は全て行動不能にするというもの。


ただ、このルールを変えるだけではα2の恩寵をぶつけられて初めのように相殺される。


そこで俺は一つのアイディアを思いついた。


成功するか分からない。


失敗したら勝率はかなり下がるだろう。


けど、やってみる価値は十分にある。


意識を能力の核に集中させ、残桜世界が発動する瞬間に残桜世界の空間を俺のナイフを覆うように設定した。


一段階目は成功。


ナイフの色が黒色から桜色に変化した。


2段階目はルールを付与する。


今回設定するルールは触れたものを灰に変える。


これは、犠牲の誓いから襲撃に来た殺し屋の能力をまねしたものだ。


使い手があいつではなく俺やα2だったらかなり強力なものになっていただろう。


だから、試しにその能力を採用した。


ルール付与も恐らく成功。


見た目に変化はないが感覚的に分かる。


そして第3段階目


俺はα2の分身に全力で接近しそのナイフを脇腹にかすらせた。


皮一枚分ほどの切り傷、少し血が出る程度の深さだがα2の分身は徐々に灰と化している。


実験は成功した。


かなりのアドバンテージ。


もう、負ける通りは無い。


「追い詰められたら進化する。変わってないな。」


α2は敗北を認めたかのように両手を挙げた。


「お前も分かってる通り俺はお前を殺さない。ただ、雪や冬川を殺すとなれば俺はお前を殺す。」


「勘違いするなよ。確かに俺は素の実力でお前に劣っている。だが、お前の欠点を突けば俺の方が上だ。」


α2は100、200と分裂し一斉にホテル内へと侵入し始めた。


「まさかお前!!」


α2の攻撃対象はホテル内に居る3人だ。


探知系の能力者が仲間に居るのか3人の場所が割れている。


モニタールームが見つかるのも時間の問題だ。


「俺はお前を殺すために手段を問わない。たとえそれがクズのようなやり方でも。」









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