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神殺人殺  作者: ナノ
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第84話 アルカディア条約

α2の能力の強力な点は分裂しても個々の強さはそれほど変わらないことだ。


言うなれば普通に100人のα2と戦っているのと同じ。


俺とα2の実力差はあまりないため素の実力勝負なら確実に負けている。


ただ、α2に能力があるように俺にも空間操作と言う強力な能力が備わっている。


それも星の数約10000個分の力だ。


能力は星の数に比例し強化されている。


恐らく能力の強化は星6000個ほどが上限だったような感じがする。


そのため一万個星を集めた俺はこの能力を最大まで強化したことになる。


「そういえば他の闇影のメンバーはどうしたんだ?まさかお前一人で攻めてきたのか?」


「他の奴らはお前の仲間を殺しに向かってる。」


一応ヘルヘイムのメンバーに氷室相馬と同じテレポートの能力者が居たため全員を東京から愛知まで移動させた。


闇影に同様の能力者が居ない限り1日は時間を稼げるはずだ。


今は公共交通機関が機能していないため移動系の能力が無い限り自動車やトラックといった車しか長距離を移動する手段がない。


愛知に居る勇人には敵が攻めてきたら連絡を入れろと指示を出している。


まだ連絡が無いという事は闇影にはテレポートの能力者はいない可能性が高い。


「一人で俺に勝てると思ってるのか?昔は俺に手も足も出なかっただろ。」


煽るような口調でα2を挑発する。


この挑発で冷静さを失ってくれればよいがそう簡単にはいかない。


「約1年のブランクで衰えたな。昔のα1なら今頃俺を殺しているはずだろ。そんなんじゃまた昔のような悲劇を繰り返すだろうな。あいつも悲しんでるだろうよ、今のお前を見たら。」


全く、これだから昔の知り合いと戦いたくなかった。


α2と会話をするたびに思い出してしまう。


俺が闇影に居た時の事を。




———4年前———


「α1、今回の任務はどうだった?」


「普通だ。」


「何その塩対応?今日からα1じゃなくて塩対応って呼ぶよ。」


「任務に支障が出なければ好きにしろ」


「とりあえず今からボスのところに集合でしょ。一緒に行こう。」


俺は彼女に腕を掴まれ目的地へ向かう。



————


今の日本は表面上、平和そのものだが、その平和の裏には俺たちのような殺し屋が日々血を流している。


もっと言えば俺たちの犠牲の元、平和の日々を送れいている。


平和に暮らしている人間は一生知ることのない世界の裏側。


裏の戦争とでも呼べばよいのか、現在日本を含めた世界の主要国は表面上は分からない戦争の真っただ中だ。


この戦争は第2次世界大戦が終結した翌年から行われている。


そもそも第2次世界大戦が終結した本当の理由は各国の権力者が闇の中に葬った。


いや、葬らなければならなかったらしい。


第2次世界大戦終結の理由はドイツの無条件降伏や日本のポツダム宣言受諾が要因と表向きにはされている。


だが、実際はとある支配者による圧倒的な力で終結させられた。


それが神と呼ばれる者の存在だ。


世界各国で神が出現し戦争を終わらせた。


理由は分からない。


ある者は神が平和をもたらしたと言い出し、またある者は神の導きと言い出した。


だが、神はそんなに良い存在ではなかった。


神は各国の最高指導者だけを集めこの戦争にルールを付けた。


一つ、民に知られてはならない。

一つ、民を殺してはならない。


勝利条件:集められた最高指導者を殺し、最後の一人になる事。

期限:4年


この2つのルールを神は制定した。


最高権力者は神に反抗など出来るはずもなく甘んじてこのルールを受け入れた。


彼らはこれを「アルカディア条約」と名付けた。



「これが俺たちの任務の根幹だ。分かったか?」


電子黒板の前に立っているのは闇影のボスだ。


現在、俺たちは珍しくボスの授業を受けている。


普段のボスは多忙であまり俺たちに教育を施すことが無かったが、今日は暇らしい。


「ボス、それ何回も聞いたよ。」


「大事な事だから何回も言ってるんだ。それと、α3お前任務達成数が減ってるぞ。このままじゃΩ部隊から降格する可能性がある。」


「えー、それは困る。」


「それじゃあ、もっと努力するんだな。」


このα3と呼ばれた人物がさっき俺の腕を掴んでこの教室まで連れてきた女だ。


性格は俺と真逆で活発な印象、見た目から低知能なオーラが出ているが正直俺よりも頭脳明晰だ。


ボスはα3に任務達成数が減ってΩ部隊降格の可能性を示唆したが実際はそんなことないだろう。


現にα3と言う称号を持っている。


このαの次の数字はΩ部隊での序列を表していて、これは普段の成績や任務達成数などで決められる。


勿論変動する数字ではあるが、過去にこの数字が変動した事例はないそうだ。


それほど数字が1変わるだけでも実力の差があるという事が分かる。



ボスの授業が終わりすぐにα3は俺の元へ駆け寄ってきた。


「アルカディア条約って本当かな?神って本当にいると思う?」


前々から講義で説明されていたアルカディア条約の存在の有無に悩んでいるようだ。


正直な話俺も信じてはいない。


神だとか現実的ではなさすぎる。


ただ、その話が嘘だとしたら俺たちは何のために人を殺しているのか分からなくなる。


まあ、俺は意味がなくとも人を殺すことが出来る。


α3は出来ないだろうが。


俺がα1で彼女がα3の違いはこれだ。


彼女は優しすぎる。


その殺し屋としての致命的な欠点のせいでα1である俺やα2よりも頭脳明晰で身体能力も高い彼女がα3に位置付けられている。






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