表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺人殺  作者: ナノ
78/85

第78話 交渉

「暁、ちょっとヤバいかも。すでにホテル内にも侵入されてる」


冬川は自信の端末を俺に向けホテル内の監視カメラ映像を見せてきた。


「勇人たちは大丈夫か?」


「今は大丈夫。皆で固まって隠れてるみたい。」


ホテル内は敵が侵入している。


ホテル外もスナイパーが潜んでいる。


「烏さん、モニタールームへ走ります。あそこが一番安全です。冬川もついてこい。」


「了解です。」



俺と冬川と烏孝雄は敵に見つからないようなルートでモニタールームへ向かう。


道中敵と遭遇したら俺が倒すしかないが烏孝雄のいる前では実力をあまり出したくない。



モニタールームへ到着し扉を開けようとするが違和感を感じた。


「烏さん、少し下がってください。誰かいます」


上手く気配を消しているが微かに感じる。


今侵入してきている有象無象とは違う。


しっかりと実力のある人物。


俺はゆっくりとモニタールームの扉を開けた。


そこに居たのは氷室相馬。


ヘルヘイムの幹部でありテレポートの能力者。


「やっと来たか、烏孝雄」


氷室相馬はいつもクールで何を考えているか分からないような人間だったが今は俺たちに敵意を向けてきている。


「やっぱり、お前が内通者だったか。」


「ほう、気づいてたのか? 」


「如月さん、どういうことですか?相馬が内通者って?」


そういえば烏孝雄にも内通者が居ることを話していなかった。


「このホテル全体に盗聴器が仕掛けられていたんですよ。」


「確かにそれなら内通者が居ると考えますが、どうして相馬が内通者だと? 」


烏孝雄は明らかに動揺している。


以前、氷室相馬と柊玲奈の事を実の子の様な存在と言っていたがそいつが自分を裏切ったとなると動揺するのも無理はない。


「一連の流れから推理しました。まずはスパイの生首がポストに入っていた事。それと今侵入者がホテル内に居ること。冬川の監視を搔い潜るには能力でないと不可能。これらの事をするのにピッタリな能力が氷室相馬のテレポートです。まあ、これらはただの推理でしたが今彼が目の前に居るという事はそう言う事でしょう。」


「正解だ。俺は犠牲の誓いの幹部でありヘルヘイムにスパイとして潜入していた。烏孝雄の持っている連合の欠片を壊せばヘルヘイム全員が死ぬ。つまり第2ステージのクリアが早まる。」


こいつらがここまで第2ステージクリアにこだわる理由は何だ?


まあ、後々拷問でもして聞き出すか。


「連合の欠片を破壊したらお前も死ぬだろ。」


氷室相馬もチーム合併を行いヘルヘイムに所属している。


つまり、連合の欠片を破壊すると氷室相馬も死ぬはずだ。


「そうだな。だから、交渉しよう」


そう言った氷室相馬は能力を使用し一瞬何処かへ消え再び現れた。


「相馬、お前!」


目の前の光景にさすがの烏孝雄も怒りをあらわにしている。


再び現れた氷室相馬の足元にはロープで縛られ身動きが取れない状態の柊玲の姿がある。


意識はあるようだが口をガムテープで閉ざされているため叫び声すら上げられていない。


ただ、恐怖で怯えているのだけは分かる。


「俺は連合の脱退を希望する。」


まあ、そうなるか。


連合の欠片を破壊しても氷室相馬が死なない方法は一つしかない。


連合の脱退だ。


「相馬、他の皆はどうした?お前のチームの皆はどうした。」


「殺した。いても邪魔なだけだし、俺が本当に殺すという事を分からせるためにもな。」


氷室相馬はナイフを取り出し柊玲奈の首元に押し当てる。


「早くしろ。後はお前が承認するだけで完了だ。」


烏孝雄は自身の端末を取り出し氷室相馬率いるチームの脱退を承認した。


「承認した。早く玲奈を解放しろ。」


「はいはい。」


氷室相馬はナイフを強く握りしめ、躊躇なく柊玲奈へと振り下ろした。


そのまま行けば確実に柊玲奈は死ぬ。


俺は地面を強く蹴り、一瞬で氷室相馬の眼前へと踏み込む。そして振り下ろされたナイフを刃と刃で受け止めた。


「やっぱりお前実力を隠してたな。栗花落雪や冬川夢羽がチームリーダーじゃなくお前がリーダーなのが疑問だったんだよ。」


「今なら逃がしてやるから早く仲間を連れて帰れ。」


少し殺気を込めながら言った。


「おー、怖いね。俺たちのリーダーでもそんな殺気出さねーよ。」



氷室相馬と俺の実力差は明らか。それは氷室相馬も自覚しているだろう。


それなのにこの余裕な表情。


ここでの氷室相馬の勝利条件は何だ?


その思考に至って気づいた。


俺は一瞬で氷室相馬と距離を取る。


俺がさっきまでいた場所には氷室相馬の能力の残り香が漂っている。


「良く気づいたね。」


氷室相馬の勝利条件は俺と言うイレギュラーを排除する事。


排除と言っても殺す必要はない。


能力を使い何処かへテレポートさせれば良いだけだ。


「1回でテレポートさせられなかったお前の負けだ。」


氷室相馬のテレポートの能力はおそらく自分の周囲3メートル以内でないと発動しない。


「確かに2度目は無いだろうね。でも、君は僕に近づけない。」


氷室相馬は再びナイフを握り柊玲奈に押し当てる。


「烏孝雄、次の交渉だ。連合の欠片を渡せ。そうすればこいつは生かしてやる。」








面白ければ評価、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ