表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺人殺  作者: ナノ
77/85

第77話 襲撃

「じゃあ、次は暁の番だな。暁の能力を教えてくれ。」


突拍子もないことを言う漆間に少し驚いたが適当に受け流すことにしよう。


「教えると思うか?」


「俺は公安所属という情報を与えたのに暁は俺に何も教えてくれないのか?」


「好きな食べ物なら教えてやるよ。肉だ。」


「奇遇だな俺も肉が好きだ。勿論タンが至高だと思ってる。」


本当にこの男は俺と仲良くなりたいだけなのか?


読めない。この男の事が分からない。


嘘を見抜くのは得意だが、やはり公安のような訓練したであろう人間の嘘を見抜くのは難しいな。


「分かった。じゃあ、コイントスで表が出たら能力を教えてくれ。逆に裏が出たら俺の能力を教える。」


「別に漆間の能力なんてどうでも良いんだが」


「そう言うなよ。じゃあ、こうしよう。表が出たら能力を教えてくれ。その場合俺も教える。逆に裏が出たら俺だけ能力を開示するってのはどうだ?」


「はぁ、分かった。やるなら早くしてくれ。」


引き下がりそうにないので渋々承諾した。


コインが表でも本当の能力は教えないし。



「じゃあ、やるぞ」


漆間がコインを指の上に乗せ弾く。


コインは空中で回転し重力に従って漆間の手の甲に乗る。


漆間はコインが乗ったと同時にもう片方の手でコインが見えないように覆った。



ゆっくりとコインを覆った手をどかし裏表を確認する。


「よっし、表だな。」


漆間は大袈裟に喜んでいる。


その表情はよく見ると喜びというより当然の結果という感情が出ている。


漆間は確実にコインの表裏を調整できる技術を持ってる。


理屈は単純だ。


コインの重量、面積、体積———それらを事前に把握しておけば力加減を調整し表裏を思いのままに操作できる。


ここで指摘すれば俺が一般人ではないという事がバレる可能性がある。


まあ、嘘の能力を伝えるだけだし良いか。



「じゃあ、約束通り能力を教えてくれ」


「分かった。俺の能力は身体能力を強化するものだ。」


「へー、普通だな。だが、侮れない能力でもある。ちなみに俺の能力は他人の嘘を見抜く能力だ。早速だが、暁の本当の能力を教えてくれ。」


漆間は俺が嘘の能力を言うと確信していてカマを掛けに来ている。


恐らく漆間の能力も嘘を見抜く能力ではない。


「悪い、俺の真の能力は嘘を見抜く能力だ。約束通り漆間の本当の能力は何だ?」


俺の返しに漆間は「一本取られたな」といって笑った。


「心理戦では負けないと思ってたがまさか年下に負かされるとは思わなかった。」


「初めから俺の能力を知るために近づいてきたのか?」


「いや、暁と仲良くなりたかったのは本当だ。俺の勘だが暁はあの嬢ちゃん以上に化け物な気がする。」


ある程度の実力を持つと相手の実力が何となく分かる。


裏社会で生きていない人間がこの境地に足を踏み入れるのは才能と努力が必要だ。


雪の場合は才能が突出していてその才能を俺が開花させたわけだが、漆間の場合は一人でここまでやってきたのか?


そうだとすれば漆間も化け物だ。



この後も雪の訓練は続き、気づけば21時。


訓練参加メンバーは過呼吸で死にかけている。


漆間もかなり疲れていて後半は俺に絡んでくる体力もなかった。



本来であればこのくらいのメニューをあと1セットやるのだが、初めてだから仕方ない。




それから約1か月、冬川とモニタールームでオレンジジュースを飲んでいる時、烏孝雄が慌しい様子でやってきた。


「大変です」


廊下を走ってきたのか呼吸がまともに出来ていない。


烏孝雄の年齢も相まって今にも死にそうだ。


「落ち着いてください。どうしました?」


「とりあえず、ついてきてください。」


俺と冬川は言われるがまま烏孝雄についていく。



案内された場所はホテルの入り口。


そこには大きめの郵便物受け取り場所がある。


「この中を・・・」


中を確認すると人間の生首があった。


「彼は犠牲の誓いへスパイとして潜入していた仲間です」


「冬川、このホテル周辺に侵入者は?」


「夢羽ちゃん2号に常時監視させてて侵入者の情報は入ってないから多分来ていなはず。」


冬川の監視網を突破するのはほぼ不可能。


という事は敵の能力である可能性が高い。


「とりあえず、冬川は目視で録画を確認してくれ。」


「烏さんは誰にもバレないようにこの生首の処理をお願いします。」


俺は一応周囲を捜索するか。


そう思った次の瞬間、ホテル全体の電気が消えた。


そして、「パンッ」と乾いた銃声が鳴り響く。



俺は咄嗟に銃声の方角と烏孝雄の位置の間に入り銃弾の軌道をナイフで逸らした。


銃弾の種類と距離から推察するにスナイパー。


狙いは確実に烏孝雄。


いや、烏孝雄が持っている連合の欠片。


これを破壊されるとヘルヘイムのメンバー全員が死ぬ。


「烏さんはホテルの中へ」


俺は烏孝雄の護衛をしつつ雪へ連絡を入れる。


「雪、今から合流できるか?」


「無理、今運動施設に居るんだけど犠牲の誓いが襲撃してきてる。数は20人。こっちは主戦力のメンバーと私が居るから何とかなるわ。」


「分かった。無理するなよ」


「了解。そっちも大変だろうけど暁なら大丈夫でしょ」


「ああ、こっちは任せろ」









面白ければ評価、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ