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神殺人殺  作者: ナノ
73/85

第73話 一般人VS殺し屋 2

敵を探そうと周囲を見回して気づいてた。


私の視界が動かない。


目や首は動かしているはずなのに視界が固定されているようだ。


間違いなく敵の能力。


この能力は季里奈の能力である「他人の五感を奪う」能力に似ている。


確か季里奈の能力の発動条件は対象と20m以内の距離に居ることだったはず。


だとすると私の取るべき行動は一つ。一度その場から離れることだ。


相手の能力の発動条件が季里奈の能力の発動条件と同じとは限らない。


だけど、似ている能力だからこそ試す価値はある。


私は追い風を生成し自分の走る速度を少し加速させる。


周囲の地形は記憶している。


視界に頼らずとも障害物をよけながら敵との距離を取ることに成功した。



50m以上走っただろうか?


予想通り視界は戻った。


季里奈と比べて視界限定だから発動条件である(対象との距離)が広いのかもしれない。



かなり厄介な能力だ。早く対策を考え・・・。


一瞬死を感じ反射的に自分の周りに土の壁を生成した。


その甲斐あってか私は今生きている。


代わりに生成した土壁は灰になって宙へ舞った。


原因は明白だ。


もう一人の敵の能力。


恐らく触れたものを灰にする能力。


相手の掌に当たったら即死だと思った方が良い。


距離を取って遠距離攻撃を仕掛ける?


いや、時間を掛けすぎると視界を固定する能力者が加勢しに来る。


そうなると敗北は濃厚。


近距離戦ですぐに終わらせるしかない。



能力で氷の剣を生成する。


その片手間で同時に水の斬撃を相手に放つ。


相手はその斬撃を容易く灰に変え、私の行動を待っている。


恐らく仲間が到着するのを待っているのだろう。


今までの相手と違って冷静だ。


今度は水の刃と風の刃を敵に向かって飛ばしつつ、私自身も氷の剣を構え──そのまま一気に踏み込む。


敵が水と風の刃を対処している隙に氷に剣で相手を突く。


が、そう簡単には行かない。


相手は片手で水と風の刃を対処しつつ、もう片方の手で私の氷の剣を灰に変えた。


私が怯んだ隙を逃すまいとそのまま私の腕を掴もうとしてくる。


これが殺し屋の実力。


一般人の私が勝てるわけがない。そう相手は思っているだろう。


私だって暁との訓練で強くなっている。


空気中は灰が舞っていて視界がかなり悪い。


相手は私の気配を感じてこちらに近づいてきている。


だから私のもう一つの作戦には気づいていないのだろう。


相手が私の間合いに入った瞬間に周囲に生成させた微細な氷の針を一気に放った。


バレないように微細にしたため単独の攻撃力は期待できないが、生成した氷の針の本数は数百本。


かなりのダメージを負わせることが出来たはずだ。



私は風を生成して周囲の灰を吹き飛ばす。


相手は予想通り氷の針で串刺しになっている。


死んではない。加勢が来る前に早くとどめを・・・。




「一歩遅かったな。」


「そのようね」


私がとどめを刺そうと地面に倒れている相手に近づいた瞬間、視界が固定されるのが分かった。


「おい、起きろ。」


「クッ」


「まだやれるな。」


「ああ、あと少しなら動ける。」


最悪な状況になってしまった。


この2人を同時に相手するなんて不可能。


逃げる?いや、今度は逃がさないように警戒しているはず。


視界は変わらない。だが相手は待ってくれない。


灰にする能力者が近づいて来るのを感じる。


まずい、死ぬ。


私は反射的に一歩、後ずさる。


地形は暗記していたはずなのに動揺のせいか足元に木の根が絡まり、思わず躓いてしまった。


「あ、」


転んでいる最中も視界が固定されていて変な感じがする。


これは本当にダメかな。


せっかく暁との訓練で強くなったのに死ぬときはこんなに一瞬なんて。


柚、愛奈、季里奈にお別れしてないや。


遺言書でも残しておけばよかった。


死への恐怖や別れの悲しみ、悔しさ、様々な感情でぐちゃぐちゃだ。


「助けて、暁」


本人に聞こえるはずもないのに、震える声で言葉を絞り出した。


無意味な行動。けれど、彼なら助けてくれるかもしれない――そんな淡い期待を抱いて。



「……よく頑張った。あとは俺がやる。」


その言葉が聞こえたと同時に私の視界は正常に戻った。


目の前には暁が居る。


私が相手していた2人はどちらも瀕死状態。


暁の手には血の付いたナイフ。


今の一瞬であれだけのダメージを私が苦戦した相手に与えたの?


やっぱり次元が違う。


私は如月暁という人物の異常さを改めて実感した。


「お、お前何処から?」


「あっち」


暁は自分が来たであろう方向に指をさした。


多分、男が聞いたのはそういう事ではないと思う。


男2人はボロボロになりながらも立ち上がり戦闘態勢を取る。


「視界は固定した。一撃で終わらせろ」


「分かった。」


振れたものを灰にする能力者は暁へ正面から突っ込んだ。


男の掌が暁の手に触れる寸前、その腕は宙を舞った。


あの冷静だった男が今は悲鳴を上げながら切断された腕の断面を抑えている。


「なぜ?視界は固定しているはずなのに?」


「お前らも殺し屋なら出来るだろ?気配を感じ取っているんだよ」


「そんな正確に気配を感じるだと?ふざけるな!そんなの人間業じゃない。」


これについては私も同感だ。ある程度気配を感じられるようになって分かる。


暁ほど正確に気配を感じ取るなんて人間の機能を優に超えている。


だが、実際に出来ているのだからそれが事実だ。


そして暁は怯える敵、痛みで叫んでいる敵の首を手に持っているナイフで切断した。



これで、北側の敵は全滅。














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