第7話 バトルロワイヤル1
「時間だな」
勇人がそう言った途端俺を含めたこの場にいる4人全員の体が粒子になり始めた。
「え、やばい俺たちどうなるの?」
「大丈夫だ。おそらく転送が始まったんだろう。」
2人の会話中も体の粒子化が進んでいく。
粒子化が進むにつれて耐えられないほどの睡魔が襲ってくる。
俺はその睡魔に抗ってみたが粒子化が首まで到達したあたりで意識を失ってしまった。
目を覚ますと目の前には木が大量に立ってある。
背中には転送前に背負っていたリュックがありその中には携帯食料などの準備していた物が入っている。
「どうやら転送前に身に着けていた物は転送先に送られるみたいだな」
それよりも俺の横でまだ眠っているこの3人を起こさないとな。
取りあえず揺すってみたら勇人と晴翔は目を覚ました。
「ここが転送先か」
「そうみたいだね、見た感じ森かな?」
晴翔と勇人は目を覚ました途端状況を理解したようだ。
理解が早くて助かる。
あとは歩をどう起こすかだが、俺が悩んでいると勇人が歩の耳元で叫んだ。
「起きろーーー!!」
勇人の盛大な目覚ましにより歩は少し不機嫌になりながらも目を覚ますことに成功したようだ。
「三人とも聞いてくれ、転移に成功したことは喜ばしいことだが大事なのはこれからだ」
勇人のいう事はもっともだ。むしろここから先が本番といっていい。
歩も晴翔もそれを理解しているのか勇人の話に耳を傾けている。
「まず、俺たちがやるべきことはこれからどうするか考えることだ。このゲームの名前はバトルロワイヤルってことは覚えているな。つまりだ、参加者80人、20チーム中の中で最後まで生き残ることがこのゲームのクリア条件だろう。」
「20チームあって最後まで生き残るって確立だと20分の1ってこと?やばくない?」
歩の顔が青ざめていくのが分かる。
「まあ、その不安も分かるがこれは単純な確率論の話ではない。それに俺たちには一つ他のチームと比較してリードしている点がある。それはこの食料と水だ。このゲームは第一ステージの告知があって割と早い段階で開始している。つまり、ほかのチームはあまり準備が出来ていない可能性が高い。偶然にも俺たちのチームは暁の家に大量の携帯食料があったから何日かは耐えられるが他のチームは多少準備していても俺たちほどでは無いだろう。」
「そっか、じゃあ俺たちは食料を節約しながら他のチームより長く生き抜けばいいってこと?」
「そうだ。」
勇人は一通りの説明を終え一息つく。
だが、勇人の作戦はおそらく上手くいかないだろう。
その理由を俺が説明することはない。
こいつらが自分達で気づいて対策を立てる、そうじゃないとこれからのゲームで俺がいないと生きていけない。
俺がこいつらと行動を共にするのは途中までだ。
こんな神だとか能力だとか非現実的なことが起こらなければ共に高校を卒業して大人になっても友人として関わっていきたいと思っていたが仕方がない。
俺が奴を殺さなければ大変なことになる・・・
「どうした暁」
少し考え込んでしまった。
「悪い、少し考え事をしていた」
「分かるぞ、俺だって怖い。だけどこのチームには学年成績一位の勇人がいるし運動神経抜群の俺だっている。最強の頭脳と最強の運動能力がそろっているんだ、サバイバルなんて何日でも生き残れるはずだ。」
俺が悩んでいたこととは程遠いが、歩の長所は運動神経以上に相手の心に寄り添える事かもしれないな。
俺には絶対に出来ないことだ。
もちろん、相手の表情を読み取りその悩みに適した模範解答は出せるが歩のように本心を話すことは無い。
そんな思考をやめとりあえず歩にお礼を言っておく。
「ありがとう。少し気持ちが楽になった。」




