第68話 来客
俺と冬川が企画した鬼ごっこ(改)が終了したその日の夜、この姫百合女学院に初めての来客がやってきた。
「こんな時間に申し訳ない。私はヘルヘイムと言う名前の連合のリーダーをしております、烏孝雄と申します。こちらは、連合幹部の氷室と柊です。」
そう自己紹介する烏孝雄は自分が連合リーダーであることを証明するように連合の欠片を見せてきた。
「ご紹介に預かりました氷室相馬です。」
「同じくご紹介に預かりました柊玲奈です。」
彼らの事は事前に知っていた。
第2ステージでは現在3勢力が目立っている。
その中の一つが烏孝雄率いるヘルヘイム。
少し前冬川が教えてくれた連合の一つだ。
確か、連合の目的は第2ステージいや、神殺人殺全体を通して協力し合いクリアを目指すというもの。
人数はおおよそ300人程度。
「俺はこのチームのリーダーをしている如月暁です。」
俺は烏孝雄にならいチームの欠片を懐から取り出し3人に見せた。
「私は冬川夢羽、このチームの幹部的存在です。」
「私は栗花落雪、同じくチームの幹部です」
この来客の対応は俺達3人ですることになった。
他の仲間が居ない方が色々と有利に物事が進みそうだと俺が判断した。
「では、早速ですが本題に入りましょうか。率直に言います、私たちの連合とあなたのチームを合併させませんか?」
ここに来た時点で予想は出来ていた。
「一応確認ですが、連合リーダーは俺ではなく烏さんになるという認識で合ってますか?」
「そうですね、現在ヘルヘイムは約300人ほどのメンバーを抱えています。そして、そのメンバーは一応私を信頼して連合に加入してもらいました。ですから、連合リーダーを急に変更するのは彼らの信頼を裏切ることになる。」
「では、もう一つなぜ俺たちに声を掛けてきたんですか?他にもチームはたくさんあるのに」
「それは、あなた達が特殊ルールで防衛側として生き残ったチームだからですかね。あのルールは明らかに防衛側が不利でした。それでも生き残ったということはある程度実力があると思い目を付けさせていただきました。」
烏孝雄の言っていることに不自然な点はない。
それに、この話は俺にとってもメリットが大きい。
今後、雪にチーム全員を守り通せる実力が付いたら俺と冬川は離脱して闇影のボスを殺しに行く予定だったが、烏孝雄率いるチームに入れば雪の負担も少なくなるだろう。
だが、その分デメリットも大きい。
ヘルヘイムに入るという事は俺たちのチームの欠片を連合リーダーである烏孝雄に渡さなければならない。
チームの欠片は破壊されるとチーム全員が死ぬ。
それを渡すという事は命を握られるのと同義。
総合的に考え俺の仲での方針は決まった。
「話は分かりました。1日話し合う時間を頂けませんか?他のメンバーにの意見も聞いときたいので。」
「了解しました。では、明日のこの時間にまた伺います。」
こうして、ヘルヘイムの3人は姫百合女学院を後にした。
「何で即決しなかったの?暁の中ではとっくに結論出てたんでしょ?」
雪との付き合いもそこそこ長くなったこともあり、俺の心を読まれていた。
「まあな。だが、一応2人の意見も聞いておきたい。」
「私は仲間に加わってもいいと思う」
先に意見を出したのが冬川だった。
その意見に雪は驚いている。
ということは雪は冬川とは逆に仲間に加わる事について反対意見ということだ。
「なんで?この話にほとんどメリットがないじゃない。」
この2人の意見が対立するのには理由がある。
それは、今後の予定を知っているか否かだ。
冬川には今後俺がこのチームを離脱することを伝えてある。
冬川にも同行してもらうつもりだから当然だ。
一方雪にはそのことを伝えていない。
俺の過去や真の能力、冬川の過去についてはある程度伝えてはいるが一般人である雪を俺の事情に巻き込むわけにはいかない。
つまりだ、ヘルヘイムに入るメリットとして雪の負担が減るというメリットを雪自信が知らないことになる。
だから雪は反対しているのだろう。
「お互いの主張は分かった。まあ、詳しい理由は話さなくていい。」
「で、結局暁はどうするつもりなの?」
「それは、明日のお楽しみという事で、他の皆には2人から上手く伝えておいてくれ。チームの欠片を持ってるのは俺だがこのチームのリーダーはお前らだからな。」
面倒ごとを上手いこと押し付けることにも成功したことだし一応見回りでもしておこう。
翌日の同時刻
「それで、私たちの連合に加わるという事でよろしいですか?」
「はい。ですが、今すぐに連合に加入と言う分けではなく今は同盟という事にしましょう。連合加入はお互いが信用出来てからという事で。」
「随分と用心深いですね。」
「不服ですか?」
「いえ、そのくらい用心深い方が私たちも安心です。では、これからよろしくお願いします。」
そう言いながら烏孝雄は俺に手を差し出した。
それに応じるよう俺も手を差し出し互いに握手する。
口約束だがこれで俺達はヘルヘイムの仲間になった。
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